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【講義ノート142】「丁寧な表現」

■窓を開けてもいいですか?
Do you mind if I open the window?(仮定法未来)
Would you mind if I opened the window?(仮定法過去)
上の仮定法未来は中学の時のifで、実現可能性の高いやつでしたね。だから、if節の中は「未来の内容でも現在形」になっています。直訳すると「もし僕が窓を開けたら、君は気になる?」となります。一方、下の仮定法過去は、今の事実に反しているわけですから、「今僕は窓をあけないから、君の気に障ることはないけど、もし僕が窓を開けたら君は気になりますか」と聞いるのですから、断然丁寧な、というよりも回りくどい訊き方なわけですね。こういう遠回しな表現を「婉曲(えんきょく)」と言います。「わんきょく」と読まないでくださいね。
■窓を開けても良いですか?
May I open the window?(現実時間)
Might I open the window [if I could]?(仮定法過去)
May I~?がMight I~?になると、やっぱり断然丁寧な、というよりも回りくどい訊き方になります。「実際にはダメかもしれないけど、もしできるのならば、窓を開けても良いですか?」と聞いているのですから、バカ丁寧ですよね。
■僕に力を貸してくれませんか。
I wonder if you can help me.(現実時間)
■実際にはダメかも知れないけれど、もしできることならば、君は僕に力を貸してくれるのだろうか、それともくれないのだろうかと思うのだが。
I wonder if you could help me.(仮定法過去)
I wonder if [whether]SV自体がかなりの婉曲表現で、ストレートに「力を貸してください!」ではなくて、「力を貸してくれるのかしら?それともくれないのかしら?」と言っています。それに仮定法過去が加わってものすごく回りくどい表現になってますね。その上、これを現在進行形にすると、回りくどさに拍車がかかります。さらにこれが過去進行形になったりしたら、もう回りくどさで気が変になります。こんな具合です。
■実際にはダメかもしれないけれど、もしできることならば、君は僕に力を貸してくれるのだろうか、それとも力をかしてくれないのだろうか、と思っているのだけどね。
I am wondering if you could help me.
■実際にはダメかもしれないけれど、もしできることならば、君は僕に力を貸してくれるのだろうか、それとも力をかしてくれないのだろうか、と思っていただけだからどうでも良いんだけどね。
I was wondering if you could help me.
日本語訳が複数行にわたっているのだから、どれだけ回りくどいかが分かりますよね。一般的に、英語には尊敬や謙譲の表現はないといいますが、これって立派な謙譲表現じゃないですか?!つまり、仮定法の「現実時間から過去へと1歩退く」時間表現が、距離的に相手から一歩退くことにつながって、それが相手への敬意を表現していませんかね。
【第30章 仮定法(3)】例文=257、258

2 Comments

  1. 電柱治 wrote:

    授業では丁寧な表現としてwould ratherを習ったんですが、mightやwonderとはどう違うんでしょうか?

    月曜日, 10月 6, 2014 at 12:57 AM | Permalink
  2. yabu wrote:

    would ratherが「丁寧」なわけではありません。
    ⊿できれば家にいるよりもむしろ買い物に行きたい。
    I would rather go shopping than stay home.
    ifのないwouldには「もしかすると」「できることなら」「やろうと思えば」の意味があるので「丁寧」な表現に使えるだけです。than以下を省略したのがwould ratherです。
    ⊿もしかするとダメかもしれないけれど、できることなら買い物に行きたい。
    I would rather go shopping.
    仮定法の「丁寧」な表現はここ(http://blog.meigaku.ac.jp/yabu/?p=6307)でも説明しています。一度参照してみてください。

    木曜日, 10月 9, 2014 at 9:32 AM | Permalink

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