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【講義ノート104】「ラテン系はthanじゃなくてto」

彼は僕よりも5歳年上です。
He is five years older than I.
He is five years senior to me.
ラテン系といっても、中南米の陽気な人たちのことではなくて、ラテン語を起源とする言葉を指します。イギリスはAD43年にローマ皇帝クラウディウスに攻め込まれて平定され、ローマの属国になってしまいます。その際に、たくさんのラテン系の言葉が英語の中に混ざります。例文の old は英語に元からある形容詞 ald から派生したのですが、seniorはラテン語が起源です。このラテン系の形容詞は than とセットにならず、to と一緒に使います。あ、to は前置詞ですから、後ろは必ず目的格の me が来ます。一方、than は接続詞ですから、主格の I が来ます。最近ではこの2つが混ざってしまって、than meと言う人が増えてきています。ラテン系の形容詞には他にこんなのもあります。
彼は僕よりも5歳若い。
He is five years junior to me.
■人間は知能の点でゴリラよりも優れている。
Humans are superior to gorillas in intelligence.
ゴリラは知能の点で人間よりも劣っている。
Gorillas are inferior to humans in intelligence.
さて、ラテン系は形容詞だけではなく動詞も to とセットになります。likeはアングロ人の言葉(Anglish)ですが、preferはラテン系です。こんな具合に使います。あ、「アングロ人の国」の意味のAnglo-landがEnglandの語源で、「アングロ人の言葉」のAnglishがEnglishの語源ですよ!
■僕はスポーツを見ているよりもやる方が好きだ。
I like playing sports better than watching them.
I prefer playing sports to watching them.
この2つが混ざってこうなりました。このtoは前置詞ではなくて不定詞です。なぜA to BじゃなくてA ratherr than Bなのかというと、toが3つもでてきて何が何だか分からないからでしょうね。
I prefer to play sports rather than to watch them
イギリスはその後もデーン人(デンマーク語)やノルマン人(フランス語)に征服されて、やっぱ言葉が混ざります。あ、デーン人もノルマン人の一派なので、ノルマン語の方言がデンマーク語になったりフランス語になったりしたわけです。フランス語が混ざったのは1066年にノルマンディー公国のウィリアム王がイギリスを征服したときです。同じ「」なのにcow beef 、同じ「ブタ」なのに pig pork、同じ「」なのに sheep mutton の2通りの言い方があるのは、このノルマン・コンクエスト(The Norman Conquest of England =ノルマン人のイギリス征服)のせいで、征服されたイギリス人はせっせと牛やブタや羊を育て、その肉を支配者であるフランス人が食べたので、家畜の方が英語のcow、pig、pork、食卓に上る肉の方がフランス語源のbeef、pork、muttonなわけで、それが混在するようになったのですよ!英語はものすごいハイブリッド(hybrid =雑種)なのですね。
【第23 比較(3)】例文203

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