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大学生さんからの質問

<質問>
TOEIC対策にHPを拝読している大学生です。いつも勉強になるポストで助かっています。さて、【講義ノート38】の投稿のなかに以下の例文が有りました。
He is more a scholar than a teacher.
これは以下のようにも言えるようです。
He is more of a scholar than a teacher.
このofはどのような経緯で挿入されているのか、ご教授いただけないでしょうか。
<回答>
大学生さん!TOEIC対策に薮研を使ってくれているとのこと。ブリブリ嬉しいですね!最近の入試問題は、薮下が予備校で教えていた90年代に比べるとものすごく簡単になってしまっていて、これだけ易化したんじゃ予備校講師なんて必要ないんじゃないか、いっそTOEIC対策に切り替えて教えた方が楽しいのではないか、なんて話を仲間としているくらいです。聞くところによると、今薮研を利用してくれているのは上位大学を狙うほんのわずかの受験生と、TOEICやTOEFLの勉強をしている数多くの卒業生だとのこと。ま、何はともあれ、役に立っているのは嬉しいことです。
さて、ご質問のofですが、これは「性質・特徴のof」といって、学校英文法では「of+抽象名詞=形容詞」と習うやつです。こんな具合です。
■彼は重要人物だ。
He is a man of importance.
=He is an important man.
■それらは役に立つ物です。
Those are things of use.
=Those are useful things.
importanceにはimportantという形容詞があるので、あまり気にならないのですが、実はこの「of+名詞」には、抽象名詞だけでなく、あらゆる名詞を強制的に形容詞化する力があって、「~的な」とか「~っぽい」などの意味の形容詞を作り出します。元々形容詞形のない名詞をエイヤーと形容詞にしてしまうには、「of+名詞」がとても便利なわけです。例えばこんな具合です。
女優っぽい、女優的な
of an actress
人間的な、人間っぽい
of human
これを第38構文「more A than B」に当てはめるとこうなります。
■彼女は歌手というよりも女優っぽい
She is more of an actress than a singer.
■彼は人間と言うよりも動物っぽい
He is more (of) animal than human.
humanやanimalの中には「人間」「動物」という名詞の意味の他に「人間的な」「動物のような」の形容詞の意味も含んでいます。だから、必ずしも「of+名詞」の型に押し込まなくても良いわけです。そんなわけで、時代の流れの中でofを付けたり付けなかったりするようになり、今ではほとんどのofが省略可能になっています。ofが残っているのは、importance-importantのように名詞と形容詞の区別がハッキリしているものが多いと思われます。だから学校英文法は、この「of+抽象名詞」だけを取り上げて説明するのですが、ofの次に来るのは何も「抽象名詞」ばかりとは限らないわけですね。

2 Comments

  1. 大学生 wrote:

    藪下先生、手間のかかったご回答ありがとうございます。質問させて頂いた大学生です。
    なるほど、of importance のofだったのですね。
    比較表現として一体のものとして覚えてましたが、スッキリ理解できました。
    私は卒業生ではないですが、これからも拝読させていただく予定です。以後も良質な記事生産を楽しみにしています。

    月曜日, 10月 31, 2011 at 9:12 AM | Permalink
  2. yabu wrote:

    よかった!スッキリ理解してくれたとのこと。とてもうれしく思います。英語の質問であれば、卒業生の子じゃなくても大歓迎です。大学生さん!また質問してくださいね。

    月曜日, 10月 31, 2011 at 9:25 AM | Permalink

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