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Reading Drill・内容説明問題の解き方・それは何か?(1)

今日からReadingDrillの番外編、「内容説明問題の解き方」を解説します。問題を見てびっくりした子もいると思うのですが、現代文を使ってやろうと思ってます。実際、「現代文」も「英文読解」も、解き方は同じなのですよ!
「内容説明問題」には、「それはか?」と「それはなぜか?」の2種類しかありません。場合によっては「それはどういうことか?」とか「それはどうしか?」などと言い換えられる場合もあります。でも、内容説明問題で尋ねられるのは、「具体的内容」と「原因・理由」だけです。
この文章のテーマは「実存主義」です。あ、テーマとは、著者がその文章で言いたいところの「それ」で、文章中に何度も繰り返し出てきて、時にはそれが代名詞化されることがあるものです。忘れた子はここを見直しておいてください。そして、哲学や思想に興味のない子は「わたしは実存主義なんて知らないから、わたしにはこの問題が解けない」と思ってしまうことがあります。先ず、その先入観を捨てることでが大切です。
さて、今回は下線が引いてあって「それはか(それはどういうことか)?」と訊ねている内容説明問題の解き方を考えます。下線部(1)を見てください。
まず、実存主義であるが、実存主義にとって重要なことは、世界や人間をいかに解釈するかということではなくて、今ここにいる現実の存在たる私が、いかに生きるかが問題なのであり、主体的に生きぬくことを離れて思索ということは無意味であるという。したがって、(1)このような主体的、実践的な立場にとって、自由の概念は、その思想の中心的意義をもつ概念と考えられるのである。
設問1 下線部(1)の内容は具体的に、日本語で説明しなさい。
①下線部に承前語句が含まれている「それは何か(それはどういうことか)?」
下線部に「このような主体的、実践的立場」とあるが、それは具体的に何か、と訊ねています。このタイプの特徴は、下線部に「このような」という「承前語句」が含まれていることです。「承前」とは「前の内容を受ける」ということです。あ、「ける」も「ける」も両方とも「ける」です。「けたまわる」とも読みます。つまり、前に一度言ってしまった内容を、「あれ」、「これ」、「それ」で受けるわけです。英語の承前語句はこれだけあります。
it – they
this – these
that – those
such
the same
so
the+名詞
一応、日本語にしておきます。
それーそれら
これーこれら
あれーあれら
そんな
同じような
そのような
その+名詞
これが出てきたら、もうすでに前で言ってしまってるわけですから、「このような主体的、実践的な立場」についての具体的内容は、これよりも前にすでに述べられているわけです。つまり、承前語句タイプの「それは何か?」は、下線部よりも前に答えがあるわけです。
だから、「この様な主体的、実践的な立場」というのは、「実存主義にとって重要なことは、世界や人間をいかに解釈するかということではなくて、今ここにいる現実の存在たる私が、いかに生きるかが問題なのであり、主体的に生きぬくことを離れて思索ということは無意味であるという」立場。
でも、これでは長すぎます。そこで、「AではなくてB」で大切なのはBの方だから、Aは削ってから文を調えます。こんな具合です。
実存主義にとって重要である、今ここにいる現実の存在たる私が、いかに生きるかが問題であり、主体的に生き抜くことを離れて思索は無意味であるという立場
次回は、下線部に同格語句が含まれている「それは(それはどういうことか)?」タイプについて勉強します。

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