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「ヤバイ英熟語」(9)句動詞って何?・その6

2つ以上の語が集まって1つの動作を表現しているものを「句動詞」と呼びました。英語は左に書いてあることが右で説明されますから、「句動詞」も同じで、先ず漠然とした動作を左で言っておいて、次に右側でそれを説明します。言い換えると、左側の「動詞」が基本的な動作を表し、右の「前置詞」や「副詞」が詳細な方向や位置、状態や関係を説明するのです。右側にくるのが「前置詞」か「副詞」かによって、「句動詞」はザックリと2つに分類できます。
1.「動詞+前置詞」型
「前置詞」は「名詞の前に置く詞(ことば)」の意味で、必ず名詞の前に来ます。だから「前置詞名詞」順番をひっくり返して「名詞前置詞」にすることはできません。
僕は友人を訪ねた。
I called on my friend.(○)
I called my friend on.(×)
言い換えると、目的語の「何を」が動詞と前置詞の間に割り込むことがないわけです。
2.「動詞+副詞」型
一方、「副詞」は文中の動詞とピッタリくっつけて置いたり、文末に置いたり、比較的自由に配置できます。だから、目的語の「何を」が「動詞+副詞」の直後に来ても、動詞と副詞の間に割り込んでもかまいません。こんな具合です。
あたしはコートを着た。
I put on my coat.(○)
I put my coat on.(○)
ただし、気をつけなくてはいけないのは、目的語の「何を」が代名詞になったときです。名詞が代名詞化すると、意味も語数も軽くなります。それを文末に置くと、お尻が軽くなって頭でっかちな、とても不安定な英文になります。だから、目的語の「何を」が代名詞なら、必ず動詞と副詞でサンドイッチにしてやって、動詞の大きな塊にします。そうすることで、お尻が重たくなって文が安定します。
あたしはそれを着た。
I put on it.(×)
I put it on.(○)
「句動詞」を覚える時には、「動詞+前置詞」型か「動詞+副詞」型かを意識して覚えなければなりません。
3.「動詞+名詞」型
場合によっては「動詞+名詞」型というのも「句動詞」に分類する場合があります。こんな具合です。
僕たちの結婚式はヒルトンホテルで行います。
Our wedding will take place at the Hilton Hotel.
動詞takeの原義は「取る」です。そして、placeが「場所」の意味の名詞ですから、「場所を取る・占める」くらいの意味になるのが分かります。そこから「行う」とか「起こる」の意味が派生します。take placeは意図的にその場所を何かの目的のために取っておくのですから、そこに偶然性はありません。だから、「偶然起こる」の意味のhappenとかoccurとは意味がちょっと違います。この「動詞+名詞」型は、動詞と名詞の間に何かが割り込むことはないので、動詞の原義からその意味を推測できるようにしておけばOKです。次回からは先ず、「動詞+副詞」型の句動詞を1つ1つ見てゆきましょう。

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