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【講義ノート53】「It~for~to」か「It~of~to」か

■この本は難しい。
This book is difficult.
これは「本」に対して「難しい」という判断を下す文です。でも、これだけでは何をするのが難しいのか分からないので、不定詞の副詞用法「何するのが?」のtoを使ってこんな具合に表現します。あ、これはfor me to goのことシリーズと同じです。
■この本は僕が1日で読むには難しい。
This book is difficult for me to read in a day.
さて、形容詞difficultは「本」だけじゃなくて「僕がこの本を1日で読むこと」に対しても使えます。こんな具合です。
■僕がこの本を1日で読むことは難しい。
For me to read this book in a day is difficult.(△)
It is difficult for me to read this book in a day.
上の英語は頭デッカチのET型なので安定しません。それに、形容詞 difficult は for meとセットにならないといけません。だから、形式主語Itを使って文を安定させ、difficult for meをセットにしてやります。
「本」の場合も「僕がこの本を1日で読むこと」の場合も、両方とも「ものごと=difficult」の形で、「ものごと」に対する1つの判断を下しているわけです。だからdifficultという形容詞は原則として「ものごと」にしか使えないわけです。この種類の形容詞は「平易困難」「安全危険」の意味を表現するものばかりです。
easydifficult、hard
safedangerous
possibleimpossible
■君は不注意だ。
You are careless.
これは「あなた」のことを「不注意だ」と個人的に評価している文です。でも、これだけではなぜ不注意なのか分からないので、不定詞の副詞用法「なぜ?どうして?」のtoを使ってそれを表現します。こんな具合です。
■そんなミスを犯すなんて、君は不注意だ。
You are careless to make such a mistake.
これは「人=careless」の形で「人」に対する1つの評価を下しているわけです。だから、carelessという形容詞は原則「人」にしか使えません。この種類の形容詞は「良い評価」と「悪い評価」に大別されます。
bold, bravecrazy cruel, naughty
clever, smart, intelligent, wisefoolish, stupid, silly
kind, nice, good, thoughtfulselfish, bad, thoughtless
politerude, impolite
honestdishonest
さて、ここからがポイントなのですが、さっきやったIt~for~toと同じように書き換えられると思ってしまう子がいます。こんな具合です。
■君がそんなミスを犯すのは不注意だ。
For you to make such a mistake is careless.(×)←ダメ!
It is careless for you to make such a mistake.(×)←ダメ!
この英語が間違っているのは、「ことがら=careless」になっているところです。だって、carelessは「=careless」でしか使えなかったでしょ!じゃあどうすれば良いかというと、こうなります。
■そんなミスを犯すことは君の不注意であるという性質である。
To make such a mistake is careless of you.
It is careless of you to make such a mistake.
このofを「性質のof」といって、その性質が誰のものかを表現します。carelessだけでは「人」しか飾れませんが、careless of youにすれば「ものごと」を飾ることができますね。やっぱり上の頭デッカチのET型は長い主語をItと置いて後ろに回しています。
それでは、類題を解いてみましょう。
It is hard to please Mr. Watson.
=Mr. Watson (is)(hard) to please.
■ワトソン氏は気難しい人だ。★hardはモノを主語に取る形容詞ですが、これが例外。
He was brave enough to go into the burning house to save a baby.
=It was brave (of) him (to) go into the burning house to save a baby.
■彼は勇敢にも、子供を助けるために燃えさかる家の中へ飛び込んだ。
【第13章 不定詞(1)】

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