薮下研究室

これについては、＜「～している」なのに「進行形」じゃない表現⑤＞のところでも触れましたが、ここでもう１度まとめ直しておきましょう。

「時や条件を表す副詞節の中では、未来の内容でも現在形」という文法規則に出てくる「現在形」とは、「現在基本形」「現在進行形」「現在完了形」「現在完了進行形」の４つの形態を言います。
現在形の４つの形態
・I read the book every day.（現在形基本形）
・I am reading the book now.（現在進行形）
・I have read the book. （現在完了形）
・I have been reading the book for a while.（現在完了進行形）

じゃあ次に、なぜ「未来の内容でも現在形」なのかというと、ここで表現されている内容が現実の世界で起こっている「事実」ではなくて、頭の中だけの「妄想」だからです。だって「もし明日晴れたら」って、事実なわけないよね！妄想時間の表現には「現実の時間－１」というルールがあります。このルールは仮定法でも使われます。だから今のことを妄想する時には「仮定法過去」、昔のことを妄想する時には「仮定法過去完了」になるわけですね。ほら、１つずつ時間が古くなってるでしょ！

そう言うわけで、「未来の内容でも現在形」って言うのは、「現実の時間－１」の数式を未来の内容に当てはめると「未来形－１＝現在形」になるからです。これを学校英文法では「未来の代用として現在形」と教えるのですが、これでは現在形がなぜ未来を代用できるかの理由が全くわかりません！

さて、これでやっとイントロが終わるのですが、なぜ「時や条件」なのかを最後に考えましょう。これはブリブリ簡単で、時も条件も両方とも「妄想」スイッチだからです。つまり、「もし～なら」も「～した時には」も妄想の世界への導入になってるからです。だから、「もし」と「時には」は入れ替えられます。こんな具合です。
・もし明日晴れたら、＝明日晴れたときには、
・もし冬が来たら、＝冬が来たときには、
・もし彼がここに来たら、＝彼がここに来たときには、
・もしあまりにも強い風が吹いたら、＝あまりにも強い風が吹いたときには、

■もし明日晴れたら、泳ぎに行こうよ！
If it is fine tomorrow, let’s go swimming.

■もし明日僕が家で仕事をしていたら、邪魔しないでね。
If I am working at home tomorrow, don’t bother me.

■もしその本を明日読み終わったら、僕に貸してください。
If you have read the book tomorrow, please lend it to me.

■もし彼を明日で３日中拘留しているのなら、もうそろそろ釈放しなくちゃならない。
If we have been holding him in detention for three days by tomorrow, we should let him go.

この４つの例文は全て「未来形－１＝現在形」になっているのを確認すること。確かに４つの可能性があるのですが、実際に出題されるのは「もし明日晴れたら」と「もしその本を明日読み終わったら」くらいです。ご安心を！

ほんじゃあ、類題やね！
I will call you when I (    ) my homework.【①】
①finish・・・・・・・・・・②finished
③will finish・・・・・・④would finish
■宿題が終わったら電話します。

Buy your tickets as soon as you (    ) the station.【①】
①have reached・・・・②reach for　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　③will arrive・・・・・・・④will have arrive
■駅に着いたらすぐに切符を買いなさい。

【第５章　動詞と時制（２）】

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