needの使い方を勉強しましょう。論理表現の授業では1時間かけてneedを説明しましたが、コミュ英ではサラッと流しただけなのでちょっと分かりにくかったと思います。先ず、「一般動詞need」の使い方を考えます。
I need money badly
S・V・・・O・・M
僕にはお金がとても必要だ。
一般動詞needが取るのは「SVO」の第3文型です。ここでは目的語がmoneyですね。では次に「僕はそこへ行く必要がある」という英文を考えましょう。今度は目的語が「そこへ行くこと」です。こんな具合です。
I need to go there
S・V・・O
僕はそこへ行く必要がある。
ここで思い出して欲しいのが「ことシリーズ」です。
I go there わたしはそこへ行く
→for me to go there・・私がそこへ行くこと
→my going there・・・私がそこへ行くこと
→that I go there・・・私がそこへ行くこと
3つとも「私がそこへ行くこと」の意味ですが、使い方には注意が必要です。主語が「私」ですがら、for meやmyは必要がなくなります。情報がダブってしまうからです。そして、needはthat文を目的語にはできません。可能性はto goかgoingの2つです。この2つは同じ「行くこと」の意味なのですが、ちょっとだけ違うところがありましたね。
to go there ・・・まだ行ってない、これから行くこと
going there ・・・もう行った、何度も行っていること
that I go there 助動詞や動詞を活用させて両方表現できる
needは「まだそこへ行ってないので行く必要がある」と考えているのですからto go thereを目的語にします。going thereにすると、もうそこにいるのに「これから行く必要がある」と思ってるアホなやつになってしまいます。だからさっきやった例文のようにneed to go thereになるのです。
一般動詞の疑問文、否定文はdo、 does、didを使って作りましたね。こんな具合です。
Do I need to go there? ・・・・僕はそこへ行く必要がありますか?
You don’t need to go there. ・・あなたはそこへ行く必要がない。
もともとneedは一般動詞しかありませんでした。でも、「そこへ行くこと」が命に関わるような場合、doを使って長々と疑問文や否定文を作るよりも助動詞needを使った方が短く端的に要点が相手に伝わります。助動詞needの肯定文が一番手短なのですが、肯定文でneedが使われることはありませんでした。人々は一般動詞needの肯定文をそんなに長いとは思わなかったからでしょうかね。文の長さを比べてみてください。
・・助動詞 need・・・・・・・一般動詞 need
I need go there. × ・・・・ I need to go there
Need I go there? ・・・・・Do I need to go there?
You needn’t go there. ・・・You don’t need to go there.
め!肯定文では助動詞も一般動詞もそんなに長さは変わりません。でも、疑問文と否定文は明らかに助動詞needの方が文が短いですね!
助動詞canと比べてみると、助動詞needの文操作が良くわかります。こんな具合です。
I need go there. × ・・・・ I can go there.
Need I go there? ・・・・・Can I go there?
You needn’t go there. ・・・You can’t go there.
さて、以上が一般動詞needと助動詞needの違いです。ここで注意して欲しいのは、「主語が人」だという点です。次回は「主語がモノ」の場合を考えましょう。
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省略は次の2つのパターンしかありません。
1.一度出たから2度目は省略
⊿ここにいたければ、いても良いよ。
You can stay here if you want to [stay here].
2.よく使うから、なくても分かる省略
⊿子供の頃、良く釣りに行った。
I would often go fishing when [ I was ] young.
1の省略は動詞が消えているので、前文の動詞に注目します。2の省略は知っているかどうかになってしまいます。次回の英語演習ドリルで倒置・省略・挿入をテーマにしようと思っています。ちょっと待っていてください。
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先週の補習で薮下はこんなことを言いました。
「夏休みまでに一周しておきたいので、今は自力で問題を解いてる時間はないです。パッと見て解ける問題は飛ばす、解けない問題は解答を読んでください。このやり方で夏休みが終わるまでに主要科目(2次試験で使う科目)を一回全部見ておきたいです」
覚えてますか?これと同じ事を言っているYouTube動画を見つけたので紹介します。この動画は2学期期末テストに向けて勉強しようとしてる高校生が対象ですが、言ってることは受験勉強にも当てはまります。ま、勉強は基本的に皆おなじですからね。
「コロンビア大学の研究からInputとOutputの比率が3対7のとき、記憶効率が最も高いことが判明していますから、問題演習重視で勉強するのが最も効率的です。問題集1周目では分からない問題が大半だと思いますので、そういった問題はすぐに解答を見ても良いので、とにかく出来るだけ早く全範囲を1周してしまいましょう。2周目、3周目は分からなかった問題を中心に解いてゆき、最終的に全ての問題を解答を見ずに解けるようになれば完璧です」
すごい早口で、大げさなパフォーマンスが鼻につきますが、言ってることは的を射ています。彼の「英単語の覚え方」も参考にして良いと思います。
(1) 2学期期末テスト前日までに見てください。 – YouTube
次の英文を受け身にしてみましょう。
■私はあなたをそこに行かせるつもりです。
I will get you to go there.
S V O C
授業でやった「多義語のget」の7つ目の用法です。I will get youまでで文が終わっていると「私はあなたをやっつける!」でしたね!直後のtoまで読んでやっと「私はさせる」の意味だと判別がつきました。
さて、視点が主語の「I」にあるときは「私はさせる」、視点を目的語の「you」に移すと「君はさせられる」になりますよね。視点を「I」から「you」に移動することによって動詞の形が変わります。この「動詞の形」のことを「態(たい)」と文法学者は呼んでいます。学者は何にでも名前を付けたがっているので許してあげましょう。好きにさせておけば良いのです。大切なのは、「私はさせる」を能動態、「君はさせられる」を受動態と呼んでいることです。昨日の続きで言うと、「主語は何?+それがどうしたの?」が能動態です。
「私はさせる」=I get→能動態
そして、頭の中に「A=Bされる」という箱を作って「君」と「させられる」をA、Bに代入するだけで「受け身」が出来上がるのです。
「君はさせられる」=you are gotten→受動態
ということは、受け身はSVOまでで完結して、Cは受け身とは全く関係ないわけです。言い換えると、受け身にto go thereは全く関係していないのです。だから、お釣りの勘定もできないアメリカ人が受け身を使いこなせるのです。あ、またまた失礼なことを言ってしまいました!ごめんなさい。
■君は私にそこに行かされます。
You will be gotten ・・・・・・・・to go there.
受け身はここまでで完結・・・・残ったものはそのまま続けろ
受け身は「A=Bされる」と考えて、残ったものはそのまま続けろ!というわけです!be+過去分詞は群動詞で、beは助動詞なんてやっているとアメリカ人は受け身なんて使えません。
さて、ここまでで「受け身」がボンヤリと分かってもらえたと思います。でも、今回の解説で薮下は1つだけウソをついています。さて、何でしょうか?それは次回のお楽しみです。分かった人は平常点に加点してあげますから、コメントしてくださいね。
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受動態の文型なんて考えるだけ無駄です!お釣りの計算もできないようなアメリカ人たちでさえ受け身の文が使えます。なぜかというと、受け身の文型なんて考えてないからです!
英語で一番大切なのは奥田君、何でしたか?そうですね!語順です。「主語は何?+それがどうしたの?」のリズムが大切です。そして、この「主語は何?+それがどうしたの?」が能動態です。え?分からないって?あ、「能動態」という言葉が意味不明なのですね!同感です!
学者たちの仕事は、キレイなガラスの球体を粉々に砕いて、その破片1つ1つに名前を付けることです。言葉は僕らの感情や僕らを取り巻く状況の中で生成される「生き物」です。ところが、言葉から情緒や状況を切り捨てて、息の根を止めて、バラバラに分解して、その破片を標本化します。文法用語はその破片に付けられた名前です。
残念ながらこの文法用語なしでは、日本で英語を学習することができないのです!「英文法」は「教室言語」なのです。つまり、英語教師は君たち生徒と「英文法」というコミュニケーション・ツールを使って授業をやっているわけです。文法が分からないと会話が成立しないのです。悲しいでしょ?!だって、英語を勉強するには文法用語を理解する必要があるのですから!やってられないですよね。
「能動態」と聞くと「は?」となりませんか?薮下もそうでした!中学生の英語の授業は、英語を勉強しているんだか文法用語を勉強しているんだか、さっぱり区別がつきませんでした。そもそも「態」が分かりません!あ、話がそれてしまいましたね!
「態」とは何かは次回のお楽しみです。
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「受け身の文は何文型ですか?」という質問を何人かから受けましたので、ここでまとめて解説しようと思います。学校英文法では受け身を次の様に教えます。
■その会議は1年に2回開かれる。
The meeting is held twice a year.
・・・S・・・V・・・M
■彼女は彼氏から本をもらった。
She was given a book by her boyfriend.
S・・・・V・・・・O・・・・M
■壁はミニラに白く塗られた。
The wall is painted white by Minilla.
・・S・・・V・・・C・・・M
これは3つとも「be+過去分詞」が1つの動詞だという考えに基づいています。ま、2語以上が群れをなして1つの動詞の機能を果たしているものを「群動詞」、あるいは「句動詞」と考えることはあります。ところが、驚くことに学校英文法では「be+過去分詞」のbe動詞を「助動詞」と見なしているのです!ここですでに論理破綻を来しています。なぜなら、助動詞の後ろは原形にならないといけないのに過去分詞がくるのですからね!
さらに、同じ「be+過去分詞」なのに、is heldは第1文型で使う自動詞になれる、was givenは第3文型で使う他動詞になれる、is paintedは第2文型で使う自動詞にもなれると言っているのですから、これはもう豚は空を飛べるし、海にも潜れるし、豚カツも作れると言っているのと同じです。僕らはこんな変な学者の詭弁に付き合う必要は全くありません!
どうやって考えるのが現実的なのかは次回のお楽しみです。
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