さて、「私の家は修理する必要がある」の内容で、my houseが主語の英文がもう1つ書けます。こんな具合です。
My house ・・needs・・ to be repaired.
・・・S・・・・V・・・・・・O
英語の問題を解くときに一番良く使う文法事項は何かと問われたら、薮下は間違いなくこう答えます。それは「人はする」、「モノは人によってされる」です。
日本語は勝手にそう「なる」の言語ですから、自分がコップを割っておきながら「あ、コップが割れた」と平気で言います。でも、英語は「する・させる」の言語ですから「君がコップを割った」「コップは君に割られた」と言います。日本人にはこの「コップは君に割られた」という発想にとても違和感があります。でも、英語はこの「モノは人によってされる」がとても頻繁に出てきます。
「私の家は(by them=業者によって)修理される必要がある」も同じ発想です。ここで活躍するのが「受け身のことシリーズ」です。こんな具合です。
My house is repaired by them.
(私の家は彼らに修理される。)
→for my house to be repaired by them
→my house(‘s) being repaired by them
→that my house is repaired by them
(私の家が彼らに修理されること)
ことシリーズの基本表現と比べてみてください。
I go there.
私はそこへ行く。
→for me to go there
→my going there
→that I go there
私がそこへ行くこと。
-ingのことシリーズは「私が」をmyという所有格で表現しました。同様にmy houseも所有格my house’sで良いのですが、いちいち「’s」をつけるのは面倒なので省略します。
そして、主語がmy houseですからfor my houseは情報がダブるので省略します。また、by themは情報として価値がないので不要です。ちゃんと不定詞を使って、「まだやってないこと」をやる必要があるになってますね!
まとめておきます。
<人主語で一般動詞need>
I need to repair my house.
→Do I need to repair my house?
→I don’t need to repair my house.
<人主語で助動詞need>
I need repair my house.
→Need I repair my house?
→I needn’t repair my house.
<モノ主語で一般動詞need+「修理」>
My house needs repairing.
→Does my house need repairing?
→My house doesn’t need repairing.
<モノ主語で一般動詞need+受け身のことシリーズ>
My house needs to be repaired.
→Does my house need to be repaired?
→My house doesn’t need to be repaired.
これでneedの使い方は全部です。あともう1つ英検や受験に頻出の表現があります。
I had [got] my house repaired.
私は自宅を修理してもらった。
これはneedではなく使役動詞have、getの用法なので、「使役動詞」のところで説明します!
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欧米は、競技や産業競争で自分たちに有利な方向へとルールを変更するのが得意です。リンダは皮肉を込めてそんなアメリカ人のことをLast Man Standingと言ってます。あ、リンダは自分をアメリカ人ではなく宇宙人だと言ってます(笑)。Last Man Standingは競争や戦いの中で最後まで生き残る成功者を指す言葉です。それが公正で透明性の高い競争なら良いのですが、アメリカの場合はそうではありません。いくつか例を挙げましょう。
ソウルオリンピックの100M背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木大地のバサロ泳法が気に入らなかった世界水連はバサロを禁止しました。浅田真央は年齢制限で一番調子の良かった時期にオリンピックに出場ができませんでした。リングに入ってから演技をスタートするまで1分近く時間をかけて集中力を高めていた羽生結弦は半分の30秒に減らされて「嫌がらせだ!」と言ってました。ルール変更に声を上げたのは彼だけですから、薮下は彼を尊敬しています。
欧米は勝てないとルールを変えるのです!
F1で敵なしだったホンダのターボエンジンが気に入らなかったアメリカはターボを使用禁止にしてホンダをレースから閉め出します。バレーボールで相手のスパイクを拾いまくる日本が気に入らなかったのでアンテナを立てたり、スキージャンプで飛びまくる日本が気に入らなかったのでスキー板の長さを選手の身長に合わせてしまいます。つまり、背の低い日本人は長いスキー板が使えなくなったのです。おかしいでしょ?!
気候変動対策として世界はEVシフトへ向かっているとマジ思ってる子はアホです。あれはトヨタにどうしても勝てない欧米自動車メーカがトヨタをやっつけるために考えた愚策です。製造過程でEVの方がガソリン車よりもたくさん二酸化炭素を排出しますからね。それにEVが普及したら充電設備が全米で50万カ所必要なのに、今まで随分頑張って作っても5万カ所以下しかない。どうするのでしょうか?!
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英語はとても差別的な言葉で、「私」と「あなた」を特別扱いします。世界の中心にいる「私」、その「私」の目の前にいて話しができる「あなた」は、ここにいない「彼」や「彼女」とは別格なのです。だから特別なbe動詞が使われます。こんな具合です。
I am special. 私は特別です。
You are also special. あなたも特別です。
「私」と「あなた」以外は全部「普通(ordinary)」ですから、be動詞も全部isです。
He is ordinary. 彼は普通です。
She is also ordinary. 彼女も普通です。
My friend is ordinary. 私の友達も普通です。
Her sister is ordinary. 彼女の妹も普通です。
*「王子なりとも普通の人」(笑)
be動詞以外の動詞のことを「一般動詞」と呼んでいます。ま、この「一般」という名前も「特別ではなくて普通」と言ってるようなものですね。そのくらいbe動詞は特別なのです。だから、5文型を薮下は次の様に説明しましたね。
①主語は何+それがどうした
②A=B
③主語は何+それがどうした+何を
④主語は何+それがどうした+誰に+何を
⑤主語は何+それがどうした+何を+どの様に
あ、話しがそれました。「私」と「あなた」は特別ですから、一般動詞でも次の様に区別(差別)します。
I speak English.
You speak English.
He speaks English.
She speaks English.
My friend speaks English.
Her sister speaks English.
この「-s」のことを「3単現の-s」と呼んでいますが、これはただの「差別記号」です。人数が多くなると、「私」も「あなた」も「我々」という名の群衆に紛れてしまいますから、もう差別ができなくなります。薮下が英語が嫌いな理由はこの辺です。ともかくこの言葉は差別的です(笑)。あ、これは冗談じゃないのですが、アメリカ人は東洋人を差別します。薮下はシカゴでカフェに入ろうとしたのですが、東洋人だということで入れてもらえないことがありました。本当に酷い国です。アメリカ人は1人2人と数えられるのに、日本人は何人いてもJapaneseです。僕らは群がって泳いでる魚と同じなんですよ。本当にバカにしてますね。
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現実の世界では「僕はこの本を読む=I read this book」という状況は成り立ちません。ぬるっとしていて(漠然としていて)現実的な取っ掛かりがないのです。現実てきな世界に着地させるには「今この本を読んでいます」とか、「もうこの本を読んでしまった」になります。そして、もう1つ、「僕はこの本を毎日読んでいます」なら現実世界で成立します。つまり、「昨日も読んだ、今日も読む、明日も読むだろう」という状況です。まとめてみましょう。
①私は毎日この本を読んでいます。 ・・現在基本形
②私は今、この本を読んでいます。 ・・現在進行形
③私はもうこの本を本でしまいました。 現在完了形
さて、この3つの表現形態を区別するためには、①と②が見分けられないといけませんよね。だって、③の「今終わった、今までずっとやっていた、今までにやったことがある」は他の2つとは明らかに違います。そこで、「事実と習慣だけが現在形基本形で、それ以外は現在進行形」と薮下は説明したわけです。
ここで間違ってはいけないのは、「毎日読む」のも「今読んでいる」のも「もう読んでしまった」のも全部「事実」だろ!?と思ってしまうことです。ま、見方によってはその通りなのですが、薮下が「事実」という言葉で表現しているのは、「昨日も、今日も、明日もそうだ」という内容です。
JRで中京高校に通っている奥田君は、毎日「8時40分瑞浪駅着」の列車に乗ります。「この列車は8時40分に瑞浪駅に到着します」。つまり、昨日もこの列車は8時40分に瑞浪駅に着き、今日も8時40分に瑞浪駅に着きました。明日も、8時40分に瑞浪駅に着くはずです。この状況を「事実」という言葉で表現しています。
同じ事が「習慣」にも言えます。昨日もその本を読み、今日も読んだし、明日も読むだろうという状況を「私は毎日この本を読んでいます」と表現します。
これが「事実と習慣だけが現在形基本形で、それ以外は現在進行形」です!
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「時や条件の副詞節の中では、未来の内容でも現在形」なのに、なぜ「現在進行形」でも「現在完了形」でも良いのでしょうか?
原因は名前の付け方(ネーミング)がいけないからなのです!今のネーミングはこうなっています。
「現在形のグループ」の3つの形態
①I read the book every day.(現在形)
②I am reading the book now.(現在進行形)
③I have read the book. (現在完了形)
現在形のグループの中に、①現在形、②現在進行形、③現在完了形の3つの表現形態があります。「時や条件の副詞節の中では未来の内容でも現在形」というとき、この「現在形のグループ」を指していて、①現在形という表現形態を指してはいないのです!何だそりゃ?!
グループ名も「現在形」、表現形態も「現在形」なので混乱するわけです。今ではグループ名を「現在時制」と言ったり、表現形態を「単純現在形」と言い換えたりして区別しようとする先生もいる様子ですが、「もっと早く区別してね!」と言いたいです!
「現在時制のグループ」の3つの形態
①I read the book every day.(単純現在形)
②I am reading the book now.(現在進行形)
③I have read the book. (現在完了形)
このやり方で行くと、「時や条件の副詞節では未来の内容でも現在時制」となるわけですね。僕なら「単純現在形」とは言わずに「現在基本形」とやります。なぜなら頭がそろうからです。こんな具合です。
現在基本形
現在進行形
現在完了形
ね!この方がシンプルでしょ?!さて、ここからが本番です。この「現在基本形」が表す内容が「事実と習慣」なのです!続きは次回にしましょう。
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論理表現の授業で、「時や条件の副詞節の中では、未来の内容でも現在形」になることを勉強しましたね!要点を簡単にまとめると、次の様になります。
「もし」や「とき」が付くと「妄想」スイッチが入ります。「現実」の自分を客観的に見るために過去に一歩退くことで人は「妄想」できるようになります。「妄想時間=現実時間ー1」と考えれば上手く行きます。
このことを頭に置いて、次の英語を考えてみましょう。
■もしあなたがこの本を読むのなら、僕も読んでみようと思う。
If you read this book, I will read it too.
私もあなたもこれからこの本を読むのですから未来の内容です。ifの中も外もwill readにならないといけないはずです。でも、Ifの中は現在形になるよ!というのが「時や条件の中では未来の内容でも現在形」というルールでした。では、次の英語はどうでしょうか?
■もし明日君がその本を読んでいるのなら、僕は電話をかけないからね!
If you are reading the book tomorrow, I won’t call you.
■もし君がその本を読み終わったら、僕に貸してくれないかい。
If you have read the book, please lend it to me.
いやいや、Ifの中は現在形じゃないといけないのだから、現在進行形とか現在完了形はダメでしょ!と思いませんか?!僕は中学の時に「現在進行形」や「現在完了形」が「現在形」ではないと思っていたので、ずいぶん後まで「ダメでしょ!」と思っていました。実は、現在進行形も現在完了形も現在形の仲間なのです!!
えっ?!
と思いませんか?ここが現代英文法の「ほころび」(壊れているところ)なのです。ま、学者先生方は僕らのことなんか考えてはいないということなのでしょう。続きは次回です。あ、このエピソードは「事実と習慣だけが現在形で、それ以外は現在進行形」が良く分からないという質問がたくさんあったので、それへの回答のイントロです。もうちょっとイントロが続きます。ま、気長に付き合ってくださいね。君たちの人生はまだまだ長いですからね。
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スーパー単語プリントは第1職員室入ってすぐのカウンターの上に置いてあります。欲しい人は勝手に持って行ってください。なくなったら補充します。
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