まだ熱が引かないので、今回は前回の講義を簡単にまとめるだけにします。
speak=原形
spoke=過去形
spoken=過去分詞形
speaking=現在分詞形
これは「動詞の活用形」なのだから、4つとも全部動詞。speakingも当然動詞で、being hitやhittingも動詞だろう、と学学さんは考えた。
でも、実際は「動詞」はspeak、spokeまでで、spokenやspeakingは形容詞!
speak=原形(話す)原形の動詞
spoke=過去形(話した)過去形の動詞
spoken=過去分詞形(話されてる)動きのある形容詞
speaking=現在分詞形(話している)動きのある形容詞
そして、形容詞は時間(時制)を表現することはできない。
■話をしている人
a speaking man
「話をしている人」は時間を表現していない。時間を表現したいときは形容詞ではなく動詞を使う。
■ここに話をしている人がいる。・・・■あそこに話をしている人がいた。
There is a speaking man here.・・There was a speaking man there.
動詞のisやwasが時間を表現している。形容詞のspeakingは時間を表現しない。
形容詞には2つの使い方がある。両方ともmanを飾っている。
■話をしている人・・・■その男は話をしている。
a speaking man・・・The man is speaking.
やはり形容詞speakingは時間を表現していない。動詞のisやwasが時間を表現する。
■その男は話をしている。・・・・■その男は話をしていた。
The man is speaking.・・・ ・・The man was speaking.
「be+現在分詞」のことを「進行形」。beが現在形なら「現在進行形」、beが過去形なら「過去進行形」で両方とも時間を表現している。
ということは、選択肢のbeing hitやhittingは「進行形」ではない!!なぜならこれらはただの現在分詞で、be動詞がついていないのだから。
ここまでは理解できましたか?前にも授業で言ったのですが、このような混乱は学校の英語先生にも責任があります。学校では次の様に教えます。
be + -ing=「~している」
これは真っ赤なウソでしたね。正しくはこうでした。
-ing=「~している」
つまり、現在分詞-ingに「~している」の意味がありbe動詞は関係がないのです。言い換えると、動きのある形容詞が「~している」なのであって、それが「今」なのか「昔」なのかを表現するのがbe動詞の仕事だということです。
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本日からブログを再開します。先日行われた後期中間テストの質問に答えます。良く分からない問題があればこの投稿に質問をぶら下げてください。
【質問】
The boy escaped ( ) by a car.
a. being hit
b. hitting
c. to be hit
「時制がescapedは過去形で、aとbは進行形だったから一緒には使えないと思い、私は不定詞のcを選んだけど、なんでaなのですか?」
【回答】
「escapedは過去形」、「being hitは進行形」、「hittingも進行形」。過去形と進行形は別の時制だから一緒には使えない。だから「不定詞のto be hit」だと考えたのですね。
being hitやhittingは「-ing」で終わっていますから、学学さんがこれを「進行形」と考えたのは仕方がありません。英語は同じ形をしているものに色んな使い方がありますからね。「-ing」が現在分詞で「~している」の意味を表す形容詞なら、学学さんの言う通り過去形のescapedと一緒に使えない。あ、「現在分詞」というのは動詞の活用の4つ目の形です。そして、現在分詞というのは「動きのある形容詞の形」です。
speak=原形(話す)原形の動詞
spoke=過去形(話した)過去形の動詞
spoken=過去分詞形(話されてる)動きのある形容詞
speaking=現在分詞形(話している)動きのある形容詞
学校ではこれを「動詞の活用」と教えているので、4つとも全部動詞だと思ってしまいます。ここで英語が分からなくなる人がたくさんいます。下の例を見てください。goodやbadには動きはありません。でもspeakingやspokenには動きがあります。でもどれも形容詞です。
■話をしている人・・・・・■悪い人
a speaking man・・・・・・a bad man
■話されている言葉・・・・■良い言葉
a spoken word・・・・・・a good word
一方、「進行形」というのは「S is 現在分詞」で表現する時制(時間)の形です。次の例を見てください。ここから形容詞には2つの使い方があるのが分かります。
■白いゴジラ・・・・・■ゴジラは白い
white Godzilla・・・・Godzilla is white.
■走っているゴジラ・・■ゴジラは走っている。
running Godzilla・・・Godzilla is running.
whiteは動きのない形容詞、runningは動きのある形容詞ですね。使い方はwhiteもrunningも同じですからwhiteが形容詞ならrunningも形容詞です。そしてis runningのことを「現在進行形」と呼んでいるのです。これは「時間(時制)の形」です。white Godzillaやrunning Godzillaは時間を表してはいません。いつ白かったのか、いつ走っていたのかはこれだけでは分からない。でも次の様になると時間(時制)を表現できるようになります。
Godzilla is white.・・・・「今」ゴジラは白い。
Godzilla is running.・・「今」ゴジラは走っている。
時制については別のところで説明します。ここでのポイントは、同じ「-ing」でも形容詞の「形」だったり時制の「形」だったりすることです。ここが英文法の厄介なところです。同じ「形」なのに、表現している内容が別なのです。
さて、次回は「-ing」が名詞の「形」であるという話をします。学学さんの質問にはまだちゃんと答えていませんが、もう少し辛抱して僕の話を聞いてください。
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自分のことを棚に上げて人を非難する教師、やれもしないことをやれると嘘を言う教師に囲まれて気力が萎え、体調が回復しません。更新はしばらくお休みします。あしからず。
P.S.
また発熱をしたので、昨日病院へ行ってきました。すると、驚いたことにまたインフルエンザに感染していることが分かりました。それも同じA型です!「そんなことがあるのですか?」と先生に尋ねたところ、今年のインフルは同じA型でも2つのタイプがあるそうです。
1人寝込んでしまっては孤独死してしまうので、名古屋のリンダのところへ帰ります。来週は授業に行けません。お許しください。
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今回は選択肢cが本文の内容と一致しない理由を考えてみましょう。
Some people claim that historical statue should not be publicly exhibited, and that they should be preserved somewhere unrelated to the former British colonies.
一部の人々は歴史的立像は皆の目に触れるところに展示すべきではなく、植民地とは関係のない所に保管すべきだと主張している。
第6段落の著者の主張の1つが次の様な内容でした。
But the men whose statues are being pulled down are not abolitionists but enslavers: owning up to their crimes is much more difficult for many British people than simply walking past them in the street. And for other British people, having to see these statues every day, sitting in lecture theatres and concert halls named after these men, is a daily act of violence that has become unbearable.
しかし、撤去されている像のモデルは奴隷制度廃止論者ではなく奴隷所有者だ。彼らの犯した犯罪を認めることは、多くのイギリス人にとって、単にその前を通り過ぎるよりもはるかに難しいことだ。そして、他の一般のイギリス人にとって、これらの像を毎日見なければならないこと、これらの人々にちなんだ講堂やコンサートホールに座ることは、耐えがたい日常的な暴力行為となってきてる。
一見すると、本文の内容と選択肢cは同じ事を言ってる気がします。でも、ここには論理の勝手な展開と飛躍があります。
「多くのイギリス人は過去の罪を認めるのがいやだし、立像を見ることは耐えがたいことだ」→「だから立像を皆の目に触れるところに展示すべきでないし保管場所も考えろ」
これは「間違った選択肢の作り方」の7つ目に当たります。赤本で「内容一致問題」を解くときに、「どうしてその選択肢が間違っているのか」を常に考えてください。ただ漫然と解いているだけではいけませんよ!
1.主語のすり替え
2.動詞の時制のすり替え
3.数量・程度のすり替え
4.否定表現のすり替え
5.原因・結果の逆転
6.特殊な事例の一般化
7.ストーリの勝手な展開
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今日は選択肢dを考えてみましょう。こんな具合です。
Some people protest against the demolition of certain monuments because they feel conflicted between taking responsibility for the past and honoring the past.
過去対する責任を感じる一方で、過去を褒めたたえたいという対立する感情があるので、くだんの記念碑を取り壊すことに抗議する人もいる。
これは次の本文の具体的内容を抽象化した物であることがお分かりだろうか?
The outcry about the removal of the statue shows that some people in Britain are uncomfortable with any critique of Britain’s past. But they want it both ways: to be free of guilt for historical sins, but to be proud of what they see as historical achievements.
英国人が立像の撤去に抗議することから次の様なことが分かる。彼らの一部は英国の過去に対するいかなる批判をも不愉快に思っている。しかし、歴史的悪行の罪悪感から解放されたいと同時に、自分たちが歴史的偉業だと思っているものを誇りたいという2つのことを彼らは望んでる。
protest(抗議)がoutcry(激しい抗議)と言い換えられていること、そしてdemolition of certain monumentsがremoval of the statueだと分かれば簡単ですね。「歴史的悪行の罪悪感から解放されたいと同時に、自分たちが歴史的偉業だと思っているものを誇りたいという2つのこと」という具体的な本文が抽象化されて「過去対する責任を感じる一方で、過去を褒めたたえたいという対立する感情」という選択肢になっています。
具体的に詳説されている本文の内容が、選択肢ではその具体性が捨象され抽象化されて「毛を刈られた羊」のようになっている、これが早稲田の正解の選択肢の特徴です。
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これは西郷さんが書いた『南州翁遺訓』の36番目の訓戒です。聖人や賢人が書いたものを単なる知識として読むことは、人が剣術をするのを傍観しているのと同じで何も身につかないと言っています。聖人や賢人の行いの底にある知恵を感得することで初めてその言葉が身につくと言ってます。
これと同じで、単語や熟語、文法や構文を知識として暗記しただけでは、著者の言いたいことを把握できません。ま、知識も必要なのですが、レトリックが分かっていなければ著者の主張は掴めず、入試問題も解けません。確認テストや定期テストの勉強をいくらやっても難関大学に合格できないのはそういうわけです。センターテストから共通テストに移行する際に、大学入試センターの作問委員が考えたのが「事実と意見の区別」、昨年から代わった早大の作問委員が考えたのが「具体的記述の抽象化」です。ま、早大の設問を使ってゆっくり説明してあげます。
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体調が思わしくなく、なかなか学校に行けません。動けるようになるまでちょっと待っててください。あ、前回の2023年度早稲田大学教育の「文頭のto不定詞」の投稿を待ってますよ!暗記しているだけでは英検は合格できても入試問題は解けません。ちゃんと自分の頭で考えましょう。
今日は、同じ早大教育大問Ⅰの内容一致問題を考えましょう。この問題の解き方が分かれば早慶上智の内容一致問題の特徴が分かります。
The outcry about the removal of the statue shows that some people in Britain are uncomfortable with any critique of Britain’s past. But they want it both ways: to be free of guilt for historical sins, but to be proud of what they see as historical achievements. The most obvious example of this is the way that the British are comfortable talking about the slave trade only through Britain’s are comfortable talking about the slave trade only through Britain’s much-lauded part in ending the slave trade. But the men whose statues are being pulled down are not abolitionists but enslavers: owning up to their crimes is much more difficult for many British people than simply walking past them in the street. And for other British people, having to see these statues every day, sitting in lecture theatres and concert halls named after these men, is a daily act of violence that has become unbearable.
Which of the following statements best describes the author’s ideas in this paragraph? Choose the TWO best statements.
a. Some people believe that walking past statues of historic figures would lead to the redemption of their historical sins and the restoration of Britain’s achievements.
b. Some people object to the idea of coming across certain kinds of historical memorials since they feel they are too horrendous.
c. Some people claim that historical statues should not be publicly exhibited, and that they should be preserved somewhere unrelated to the former British colonies.
d. Some people protest against the demolition of certain monuments because they feel conflicted between taking responsibility for the past and honoring the past.
e. Some people insist that monuments of former slave owners are important because they help people reflect on their historical background.
単語集には載っていない単語がたくさん出てきますね!辞書を引きながら頑張って解いてみてください。あ、知らない単語が出てきても解き方が分かっていれば正解にたどり着けます。ちょっと時間をあげましょう。
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