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森田君の挑戦(18)

<問題>
1994年度・京都大学

偉人の人生は感動的で面白い。親や教師が教えることも、模範を示すこともできないような、人間のすばらしい生き方、ものの考え方を伝えてくれる。幼少の頃に偉人伝から得た感動や教訓が幾分なりとも残存していれば、大人の世界も少しは変わってくるはずだ。

<答案>

The lives of great people are moving and interesting.  Through their lives, they tell us wonderful ways of living and thinking which parents and teachers are not able not only teach us but also show us examples.  In our childhood, we were impressed by reading books about the lives of great people and we learned several lessons through the books.  If such impressions and lessons remain in our mind more or less, the world where we have experienced various things since we became adults will be likely to change a little.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
いやー!森田君。なかなか上手に英語にしましたね。「薮研」の体裁を整えるために、あれこれアラを探したのですが、どれも減点するほどのものではありません。なんだか因縁をつけてるみたいで心苦しいのですが、今日は「偉人は生き方や考え方を伝えてくれる」、「親や教師が教えることも模範を示すこともできない」、そして「少しは変わってくるだろう」の3つを勉強しましょう。
①Great people tell us wonderful ways of living and thinking
この英文は文法的に何の落ち度もありません。でも、「偉人」はもうこの世にはいないのだから、僕らは「偉人」から直接話を聞くことはできませんよね。このtellはあくまでも「思考や情報を言葉にして口から発し相手に伝える」が原義です。「偉人」はもう口をききませんから、tellはここでは使えません。だからtell us wonderful ways of livingをshow us wonderful ways of livingにしてやります。あ、赤本は「分からなければtell of~でよい」と書いてますが、良くありません!
②are not able not only teach us but also show us examples
they are not able not only A but also Bも文法的に間違ってはいませんが、not able notの当たりがちょっと気持ちが悪いですね。もうちょっとシンプルにthey are not able to A or Bとかthey can neither A nor Bとかthey cannot either A or Bくらいにしておくのが良いでしょう。だから、are not able not only teach us but also show us examplesをare not able to teach us or show us examplesとしてやります。
③will be likely to
be likely to~は「~しそうだ」の意味の表現で、すでに未来のことを暗示していますから、willを付ける必要はありません。逆にwillがない方がすっきりした綺麗な英語になります。だから、will be likely toをis likely toにしてやります。あ、別にwillがついていても減点はされないと思いますがね。

2 Comments

  1. 生徒 wrote:

    拝啓 藪下先生
    名古屋高校生の一生徒として、一つ提案させていただきたく投稿します。
    提案は、藪下研究室のアクセス制限です。
    藪下研究室は開設以来、授業の復習又は発展学習のために藪下先生が日々更新して下さった結果、学内外又は生徒如何を問わず、数多くの人が閲覧しているようです。
    名古屋高校に数多くの閲覧者を誇る一大英文法サイトを持つことは大変嬉しいのですが、
    我々名古屋高校生としてはこの受験に勝つためには、他者を蹴落とすことが必要であり、藪下研究室を閲覧した他校の英語学力向上を見過ごせなく、アクセス制限を設けて欲しいのです。
    勿論、我々が藪下研究室を充分に活用出来ていないという事実があり、このような提案は不躾かも知れません。
    ですが、此れから三年生は直前期に突入し、周りの学力や成績が頭をまとわりつく事も事実であり、
    そのため藪下研究室を名古屋高校生の武器としたくこのような提案をしました。
    まるで自分が名古屋高校生の代表であるような書き方など私の長々とした稚拙な文章で先生を煩わせてしまい申し訳ありません。
    藪下研究室の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
    敬具

    月曜日, 11月 19, 2012 at 10:57 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    返信がおそくなりました。現在、学校のサーバを使ってこのブログをやっています。そのために、アクセス制限をかけるのも、薮下一人の独断では出来ない状況です。以前からレンタルサーバに移行する計画があるのですが、薮下を含め、ネットワークに関係している人間が多忙を極めているために、ちょっと難しそうです。祐介君の言いたいことも分かるのですが、しばらくはこのまま運用を続けようと思っています。他校の子は薮下に直接は質問することができないのですから、祐介たちはその特権を享受することですね。がんばっていきまっしょい。

    火曜日, 12月 4, 2012 at 10:17 AM | Permalink

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