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AKB47君からの質問

<質問>
以下は、2007年度の京都大学の下線部訳と赤本の解答です。
This may very well be my way of avoiding that embarrassing student query, “Why do we have to know this?” All the same, it remains a good question, whether posed by the teacher or the student.  In this age, no sensible person ought to do without asking what is indispensable to learn.
これはまさに、「なぜこれを知らなきゃならないんですか」という、学生のあのやっかいな質問を避ける私なりのやり方なのだろう。それでも、教師が問いかけようが、学生が問いかけようが、これが良い質問であることに変わりはない。今の時代、分別のある人間なら、何を学ぶのが必要不可欠かを尋ねなければならない
細かいことなのですが、ought toには「~しなければならない」(義務)と「~するはずだ」(可能性)の2つの意味がありますよね。赤本の解答はこのought toを「義務」だと判断しているようですが、僕は「可能性」じゃないかと思い、「今の時代、賢い人は誰も学ぶために何が必要かを必ず問うことになるはずだ」と訳しました。僕はこれは絶対に赤本の誤訳だと思うのですが、薮下先生はどうお考えですか?
<回答>
AKB47君!ついに君は赤本を超えましたね!薮下もこのought toは「義務」ではなくて「可能性」だと思います。中学でmustを初めて習ったときには「~しなければならない」の「義務」の意味だけだったのに、ある日突然「~に違いない」の「可能性」の意味が出てきてびっくりしたでしょ!ここらへんが中学英語のいい加減なところで、mustやcanを最初に教えるときに、「義務」と「可能性」の2つを一度に教えてあげるべきなのです!中学校の先生は生徒たちをちょっとバカにしているところがあって、こんなこと一度に教えても多分わからないだろうと思い込んでいる様子です。これは全くの思い違いだと薮下は思います!中途半端に小出しにするから「英語は難しい」という印象を与えるのですよ!
「可能性・推量」群
彼が医者であるはずがない
He cannot be a doctor.
彼は医者かもしれない
He may be a doctor.
彼は多分医者だろう
He will be a doctor.
彼はきっと医者のはずだ
He should be a doctor. / He ought to be a doctor.
彼は医者に違いない
He must be a doctor.
下に行くほど彼が医者である可能性が高くなって行くのが分かります。これが可能性を推量しているグループです。
「義務・意志」群
僕は医者にはなれない
I cannot become a doctor.
僕は医者になるかもしれない
I may become a doctor.
僕は医者になるつもりだ
I will become a doctor.
僕には医者になるべきだ
I should become a doctor. / I ought to become a doctor.
僕はどうしても医者にならないといけない
I must become a doctor.
下に行くほど医者にならないといけないという義務感が強くなります。上に行くほどその意志が薄弱になって行きますね。
あ、話が長くなってしまいましたね。ごめんなさい。ですからこれはAKB47君の言うとおりで「必ず問うことになるはずだ」が正しい和訳です。
ところで、薮下が驚いたのは、君がここで使われている2重否定、「no +without」をキッチリと訳出できていることです。つまり、2重否定は強い強調なのですから、do without Aが「Aなしで済ます」なので、これをひっくり返すと「必ずAする」となります。言い換えると、「ゼロの分別のある人は何を学ぶのが必要かを問うことをしないで済ませる」をひっくり返すと「分別のある人ならだれでも何を学ぶのが必要かを必ず問う」になるわけです。赤本はこれを正確に訳出できてはいませんね!AKB47君!君は完全に赤本を超えてますよ!

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