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AKB47君からの質問

<質問>
以下は、2007年度の京都大学の下線部訳と赤本の解答です。
Society is supposedly founded upon a shared understanding.  The only way it can maintain this commonly agreed upon outlook from generation to generation is by passing on from parents to children the most basic thoughts and ideas that hold people together.  By so doing, it is able not only to keep itself alive but to thrive over time.  This is more than mere intellectual assent or agreement to some vague pronciple or compromise.  It is something deeply held and shared so that it involves not just a description of how the world is, but how it should be.  The understanding depends upon its founding values, with the early experiences of infancy being the most critical for the formation of a social sense in a child, which is why parental concern for morality or the actual values adopted is vital.  This means that the lessons taught during the first weeks or months are the most important, as every subsequent value must be based upon those already adopted by the maturing mind.  Once the foundation of values is set, it is for life, and the values taught become a permanent part of the adult’s understanding.
そうした理解はその基盤となっている価値観に依存しており、幼児期の初期体験が子供の社会意識の形成に最も重要である。そういうわけで、道徳観、すなわち取り入れられている実際の価値観に親が関心を持つことが不可欠なのだ。
赤本の解説では「付帯状況のwith」になっているのですが、これって「分詞構文」じゃないですか?だって、the early experiences of infancy are the most criticalを独立分詞構文化すると下線部の英文になりますよね。でもwithが付いているのでちょっと自信がありません。このwithって消してしまってはダメですか?
<回答>
あ!AKB47君はやっぱり京都大学を目指してるんですね!山中教授のノーベル賞受賞で一層やる気が出たでしょう?!そう言えば、山中教授は賞金の使い道を、自分が所長をしている京大のiPS細胞研究所の「部下への給料」だと言ったそうです。これはいつものお決まりのパターンなのですが、日本人は外国から評価されないとその人の真価を判断できないないんですよね。そのくらいiPS研究所に割り当てられる国家予算は少ないと言うことです。本当にもう悲しくなってしまいます。でも、山中教授は米国留学中に何度も米国の大学で研究しないかと誘いを受けたはずです。だって、研究予算も研究者の数も日米で10倍以上の格差があるそうですからね!薮下だったら絶対に日本を捨ててます。彼が日本に踏みとどまったことは、ほとんど奇跡的ですよ!
さて、ご質問の英文ですが、これは「付帯状況のwith」と考えても「独立分詞構文」と考えても、どっちでもOKですよ!そして、ご指摘のようにwithを消してしまっても全く問題はありません。どうしてwithを消しても大丈夫なのかを順を追ってご説明しましょう。
分詞構文は意味の上からも、形の上からも2つに分類できます。1つは「時、理由、条件、譲歩」で、もう1つは「付帯状況」です。分詞構文を学校で習ったときに、「時、理由、条件、譲歩」の場合にはwhen、because、if、thoughなどの接続詞が結ぶ複文を先生が板書して「先ず接続詞を消して、2つの文の主語が同じだったら主語も消して・・・」なんて教わったでしょ!でも「付帯状況」の方はいきなり「, -ing」の形で出てきませんでしたか?ほらね!この2つは意味も形も全く別だと分かるでしょ!
実は、「時、理由、条件、譲歩」はwhenなどの接続詞が2つの文を結んでいるように、「付帯状況」では2つの文をwithが結んでいたのです。こんな具合です。
⊿<その犬はそこで座って居た> with <その犬は舌をダラリと垂らしていた>
<The dog sat there> with <His tongue was hanging out>
「付帯状況」というのは、人に一番伝えたい「中心文」を説明するためにwithでつながれた「オマケの状況」のことです。これはa room with a nice view(眺めの良い部屋)と全く同じで、「A with B」ではAが言いたい話題、Bがそのオマケの説明になってるわけです。そして、AもBもどちらも普通の文だったらBの「オマケ性」が伝わらないので、Bを分詞構文化するわけです。こんな具合です。
その犬は、舌をダラリと垂らして、そこで座って居た。
The dog sat there with his tongue being hanging out.
2つの文の主語は同じじゃないので、AKB47君の言うように「独立分詞構文化」しますから、his tongueは消えません。そして動詞wasを現在分詞beingにします。そして、ここから受け身・進行形のbeingを省略すると「付帯状況のwith」、さらにwithを省略すると「付帯状況分詞構文」になるのです! そして、withを消すことができるのは、分詞構文にするときにifやthoughを消したり、意味をハッキリさせたければ残しておいたりするのと全く同じですよ!
その犬は、舌をダラリと垂らして、そこで座って居た。
The dog sat there with his tongue hanging out.(付帯状況のwith
The dog sat there, his tongue hanging out.(付帯状況の分詞構文の「, -ing」)
ま、京都大学の下線部の様に、分詞が2つ並ばなければbeingを残しておく場合もありますが、being hangingの様な2重分詞は普通は避けます。これで「付帯状況のwith」も「付帯状況の分詞構文」も同じだって分かったでしょ!

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