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【講義ノート171】「時制の一致」って何?(2)

時制の一致とは、がぎカッコ(””)を外したときに、その中の動詞が現実時間の中に投げ出されて起こる「縦の変化」のことを言いました。つまり、がぎカッコの中身は普通は現在形なのだけど、がぎカッコを外すと現実時間が過去ならば、中身も過去形にしなくちゃならないと言うわけです。
だから「横の一致」なんて、もとから絶対ではないのです。昨日やった例文で見てみましょう。
⊿ジェイクはあの時疲れていたと思う。
I think that Jake was tired then.
⊿ジェイクは最近疲れていると思った。
I thought that Jake is tired these days.
「そう言えばあの時ジェイクは疲れていたな」と「思う」のは自然です。そして、前もジェイクは疲れていたし、もそうだし、これからしばらくはそうだろうというのが「ジェイクは最近疲れている」ということです。この様な習慣的な動作や継続的な状態は時間を超えているので、現在形で表現します。だから、「ジェイクは最近疲れてる」という継続的な状態を「あの時感じた」も自然なことなのです。繰り返しになりますが、「横の一致」は絶対じゃないのですよ。かぎカッコを外したときに、現実時間が過去ならば、中身も過去形にしてやるだけのことです。
■彼はいつも「僕は自分の生まれ故郷の町が好きじゃない」と言っている。
He always says, “I don’t like my hometown.”
=He always says that he doesn’t like his hometown.
じゃあ、現実時間が現在形であれば、「時制の一致」は考えなくても良いのか?!と言うことになります。はい!その通りです。現実時間は現在形、がぎカッコの中身も現在形ならば、がぎカッコを外しても変化なし!と言うことです。結構英語ができる子の中にも、「がぎカッコを外すと時制が1つ古くなる」と思っている子が多いので注意してくださいね。正しくは、「主節の動詞が示す現実時間が過去形の時には、かぎカッコを外すと時制が1つ古くなる」です。あ、「過去形にする」が「時制が1つ古くなる」になりましたが、気にしないでください。これは次回のテーマです。
そう言えば「最近の入試英語には話法の転換は出題されないのでは?!」という子がいますが、これは間違っていますよ!話法の転換は出題形式で言うと「同意語句書き換え問題」とか「連立完成問題」に含まれます。つまり、「同じ内容を表す英文になるように、空所に適語を1語ずつ補え」と言うやつです。確かに、2文が同じ意味になるように空所を補充させる連立完成という形式を最近あまり見ません。だから話法の転換も文法問題としてはほとんど見なくなりました(それに代わって、問題文の一部に下線が引いてあって、それと同じ意味の語句を下から選べというやつはよく見ますね)。かといって、時制の一致を全く勉強する必要がなくなったのかというと、そじゃないのですよ!センター問6などに代表される長文問題のほとんどが「内容一致問題」ですよね。この類の問題は、本文中で使われている語句をちょっと書き換えて選択肢を作ります。つまり、これも立派な書き換え問題なわけです。だって、本文中の語句をそのまま使ってたら、幼稚園の子でもどれが正解だか分かりますよ!だから、書き換え問題をナメちゃいけないのです!
さて、話法の転換で注意すべきことは、先ず「時制の一致」、次にかぎガッコの中身の「セリフ」を実際に誰がしゃべったのかと言うことです。つまり「自分の生まれ故郷の町が好きじゃない」と言っているのは「彼」なのですから、かぎカッコを外すと、「彼の生まれ故郷の町が好きではなかった」にしてやらないといけないわけです。
【第34章 話法】例文=300

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