【講義ノート109】「関係代名詞は単なる記号だから訳さない!」
▼あたしにはボストンに住んでいる彼氏がいます。
I have a boyfriend who lives in Boston.
▼あたしにはお姉さんが歌手をやってる彼氏がいる。
I have a boyfriend whose sister is a singer.
■あたしには大好きな人(彼氏)がいます。
I have a boyfriend whom I care for very much.
前の回では、関係代名詞の一般的な定義である「代名詞と接続詞の働きを兼ね備えた語」について考えました。ま、文法的機能を真ん中にすえて定義するとこうなっちゃうんでしょうね。でも、この定義を知っていても、残念ながら英語を読むのにはあんまり役に立ちませんよね。そこで提案なのですが、関係代名詞をこう定義してはどうでしょうか?!
「関係代名詞とは、直前の名詞の飾りがココから始まるよ!という記号である」
こう定義すればとても実用的(practical)になります。関係代名詞は「ココから飾りが始まってるんだよ」と教えてくれているのだから、ブリブリ読み手に親切な記号なわけです。ではここで、関係代名詞の特徴をいくつかまとめておきます。
①関係代名詞は訳さない!
関係代名詞は単なる記号なのですから、普通は和訳しません。ただし、前の回にやった「非制限用法の関係代名詞」のときは例外です。つまり、「コンマ+関係代名詞」は「文をそこで終わらせて、and、but、becauseのどれかを補って、先行詞を代名詞化して後半部の和訳を始める」だったよね。
②関係代名詞の直後は不完全文
関係代名詞の直後から始まる「飾りの文」は不完全文です。そして、関係代名詞を「代名詞化」してやって元の位置に戻してやると完全文になります。例文でやってみると、飾られている名詞(先行詞)はboyfriendだから「who→he」、「whose→his」、「whom→him」と代名詞化できるので、こんなふうに完全文化できます。
who lives in Boston→He lives in Boston.
whose sister is a singer→His sister is a singer.
whom I care for very much→I care for him very much.
微妙に語尾の「音」が似ているのに気がついてますか?「who=he」はちょっと違うけど、「whose=his」、「whom=him」はほぼ同じです。だから、結構簡単に元に戻せるように出来上がっているわけです。そして、一番下の him は whom に変わって飾りの先頭に出てきているのに注意してください。だって、「ココから飾りが始まるよ!という記号」なのだからね!
③中学のときの必殺技は使えない!
「( )+V」ならwho、
「( )+冠詞や人称代名詞のない名詞」ならwhose、
「( )S+V」ならwhom
これは関係代名詞who、whose、whomを空所の直後の形で見分ける方法です。中学の時、塾で聞いた子もいれば、自分で思いついた子もいると思います。上の例文にも当てはまってますよね。薮下もこの類(たぐい)の実践的な必殺技は大好きです。ですが、これが通用するのは高校入試まで!大学入試にはこんな問題が出題されます。
▼友達だと思っていた男に裏切られた。
The man ( ) I thought was my friend deceived me.
ア who イwhose
ウ whom エby whom
必殺技を使うと「( )S+V」タイプなので、ウ whom が入るはずですね。でも、答えは ア who なのです。そして、気に入らないのは「動詞thought」の直後の「動詞was」ですよね。つまり、接続詞もないのに動詞が2つ連続しているわけです。ならば、どこかに「ことシリーズのthat」が省略されているはずだということが分かります。それじゃあ、関係代名詞を代名詞化してやって元の位置に戻してみましょう。そうすれば、なぜ答えが who なのかも、どうしてthought was なのかも一目瞭然です。
▼彼は僕の友人だと(いうことを)思っていた。
I thought [that] he was my friend
ということは、飾りの文がI think that~、I know that~、I believe that~などから始まっていて、「ことシリーズのthat」が省略されているときには要注意ということです!
【第24章 関係詞(1)】例文=214~216
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This was written by
yabu. Posted on
日曜日, 2月 12, 2012, at 8:55 AM. Filed under
「ヤバイ英文法」. Bookmark the
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