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Z社長からの質問

<質問>
今日の「悪魔の語法」の補習についての質問です。補習後に質問すれば良かったのですが、急いでいて質問できなかったので、ここで質問させていただきます。
「4型じゃなさそうで4型」の「take」は、3型にはできないと話されていましたが、例えば、
It takes me ten minutes to go to the station from my house.
という文を
It takes ten minutes for me to go to the station from my house.
と3型の文に変えることができると思うんですが、どうなんでしょうか?
<回答>
Z社長!ブリブリ久しぶりの質問ですね!それに、いつもながら鋭い突っ込みです。これは薮下の説明の仕方がいけなかったと反省をしています。というのは、確か「3型不可」とだけしか板書しなかった気がするからです。だから、Z社長の質問を十分に考慮して「悪魔の語法」を更新しておきました。一度こっちも読み直しておいてくださいね。
さて、上の「4型の文を3型に変えることができると思う」のだがという質問ですが、残念ながら「4型から3型には書き換えられない」と言わざるを得ません。4型から3型へ書き換えられるとは、「誰に+何を」を「何を+前置詞+誰に」にすることです。こんな具合です。
・I will give you this book.→I will give this book to you.(何を+to誰に)
・I will buy you this book.→I will buy this book for you.(何を+for誰に)
・I ask you a favor.→I ask a favor of you.(何を+of誰から)
でも、takeの場合はただ「誰に」が省略できるだけで、「何を+前置詞+名詞」に書き換えられるわけではないのです。
■この仕事をやるのに3時間かかった。
This work took me three hours.(4型)
This work took [me] three hours(3型)
だから正確にいうと『4型を3型に変える』のではなく『4型の「誰に」が省略可能』なだけなのです。Z社長の例文も、一見するとten minutes for meが「何を+前置詞+名詞」の語順に並んでいるように見えますね。
■家から駅まで10分かかる。
It takes me ten minutes to go to the station from my house.
It takes ten minutes for me to go to the station from my house.
でも、このfor meは「for me to go」で「私が行くこと」の意味を表していて、形式主語の It を受けているだけで、「何を+for 誰に」になっているわけではありません。さらに言うと、「何を+for 誰に」は buy 型がとる文型ですが、take は「奪う」の意味なのでask 型の「何を+of 誰から」でなくてはなりません。言い換えると、for ではなくて of じゃないといけないわけです。
「悪魔の語法」の方を先に更新してから、Z社長の質問に取りかかったので、時間が大分かかってしまいました。お許しを!

2 Comments

  1. ワンフー wrote:

    イディオムを勉強していたら take A for B と mistake A for B というのがあったんですが、どちらにも「AをBと間違える」という意味がありました。     mistakeの方は納得がいくんですけど、takeがなんでmistakeと同じ意味になるのかが分かりません。是非教えて下さい。

    金曜日, 10月 21, 2011 at 9:28 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    ワンフー君!久しぶりですね。takeは「取る」が原義で、そこから「AをBだと受け取る」とか「AをBだと取り違える」の意味でも使えるわけです。例えば「僕は彼女の言葉を僕に対する好意の表れだと受け取った」とか「僕は彼女の言葉を僕に対する好意の表れだと取り違えた」なんて言うのがそれに当たります。そして、「受け取る」と「取り違える」を区別するのが「AをBだと」の部分なのです。こんな具合です。
    ■僕は彼女の言葉を僕に対する好意の表れだと受け取った。
    I took her words as an expression of her love for me.
    I took her words for an expression of her love for me.
    「A as B」のasは「資格のas」で「~として」の意味の前置詞です。一方、「A for B」のforは「代理・代用」とか「交換」で使います。代理・代用にしても交換にしてもAとは全く別のモノであるBと取り替えたり、交換したりするわけです。つまり、シャツを1000円と交換したり、椅子を台の代わりに使ったりするわけです。
    ▼僕はこのシャツを1000円で買った。
    I bought this shirt for 1,000 yen.
    ▼あたしは足台の代わりに椅子を使った。
    I used a chair for a footstool.
    そう言うわけで、「AをBだと思う」は「AをBとして受け取る」と発想してtake A as Bを、「間違ってAをBだと思う」は「Aを全く別物のBだと取り違える」と発想しtake A for Bを使います。そして、mistake A for Bもtake A for Bも全く同じ表現です。あ、「AをBだと思う、見なす、考える」の表現は、一度ここ(http://blog.meigaku.ac.jp/yabu/?p=2493)で喋っていますので参照してみてくださいね。

    土曜日, 10月 22, 2011 at 7:23 AM | Permalink

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