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第4回 部分否定って何?

大西君が怒るかもしれませんが、例文をAKBでやります。大西君は、嫌な例文は聞き流してくださいね。
All the AKBs are cute.
AKBの子たちは全員がカワイイ。
先ず、このtheは「群れのthe」と覚えます。群れをなしているものを一括(ひとくく)りにするtheです。群れているわけですから、当然名詞の語尾には複数形の-sが付きます。例をいくつか挙げておきましょう。
the Dragonドラゴンズ
the Alpアルプス山脈
the Philippineフィリピン諸島
the Yabushitas 藪下家
ほらね、皆んな群れているでしょ!AKBも48人(大西君の話では正規メンバーと研究生を合わせると80人くらいはいるそうですが)が群れている。だからthe AKBsです。では否定文にしてみましょう。大西君、ごめんなさい。
All the AKBs are not cute.
AKBの子たちは全員がカワイくない。
notはbe動詞のareを否定して「AKB全員」≠「カワイイ」と言ってますね。だから「全員がブス」という意味になります。これを「完全否定」だとか「全体否定」などと呼んでいます。じゃあ、次の英語はどうだろう。
Not all the AKBs are cute.
AKBの子たち全員がカワイイとは限らない。
このnotはallを否定して、カワイイのは「全員じゃない」と言っている。つまり、AKBの一部のメンバーがブスだと言うわけです。ポイントはallの前にnotを置くことです!これを「部分否定」と呼んでいます。notの位置一つでこんなに意味が変わってしまうのです。大西君、恐ろしいですね。他にもこんな部分否定があります。やっぱりnotの位置に注意して下さい。
■The rich are always happy.
金持ちは常に幸福である。(完全肯定)
■The rich are always not happy.
金持ちは常に幸福ではない(完全否定)
■The rich are not always happy.
金持ちが必ずしも幸福であるとは限らない。(部分否定)
じゃあ、いつもallalwaysの前にnotが来るかというとそうでもありません。次のような表現もあるんです。
All that glitters is not gold.
光り輝くものが全て金とは限らない。
これはシェークスピアの名言の1つで、「見た目で判断すればハマるよ」くらいの意味。大体「gli-(グリ)」「glo-(グロ)」となってると「ピカ~」と輝いている単語が多い。よく見ると、notallの後ろに来てるでしょ!本当ならこれは完全否定文で「光り輝くモノはすべて金ではない」の意味にならないといけない。皆が知っている名言だから完全否定文じゃないとは分かっている。でも、ちょっと気持ちが悪い。そこで、完全否定文ではallやalwaysを使わないようにしようという動きがでてきた。次の2つがそれ。
None of the AKBs are cute.
AKBの子たちは全員カワイくない。
■The rich are never happy.
金持ちは決して幸福ではない。
noneはno oneの短縮形だから「誰1人として~ない」、neverは「決して~ない」の完全否定語だ。これならあやふやなところはないから安心ってことです。none of the AKBsのofは「部分のof」で「Bの中のA」だね。
さて、本文中に出てくるnot everythingも部分否定だ。次の例文も上とあわせて記憶しておくと良い。
■I know everything about it.
僕はそれについて全部知っている。
■I know nothing about it. / I do not know anything about it.
僕はそれについて全く知らない。
■I do not know everything about it.
僕はそれについて全てを知っているわけではない。

6 Comments

  1. ジェニファー・ロペス wrote:

    AKBはみんながみんなかわいいわけではないからNot all the AKBs are cute.ですね!!
    どんどんAKB例文、作ってくださいね!
    個人名も使ってwww

    水曜日, 1月 12, 2011 at 10:31 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    AKBが成功しているのは、ジェニファー・ロペス君の言うとおり、「みんなが可愛いわけではない」からなのです。つまり、部分否定の世界を維持することが大切なのです。AKBがすごいところは、個人ではなく集団を目立たせているところ。一体全部で何人いるのか分からないよね。そして、一見すると可愛い女の子の集団に見える。大体の男子は、目がそちらに向くでしょうね。でも、個人がクローズアップされてはいけないんですよ。どんな女の子が好みかは男子によって違います。だから集団なんです。1人の子イメージがAKBを代表してしまうと、その子が嫌いな男子はそっぽを向いてしまう。僕はあの子がいい、俺はその子がいい、という状態を保つのが大切なわけです。つまり、みんなが可愛いい必要はなく、僕にはこの子が可愛いという状態を保てば良いわけです。だから極めつけが「総選挙」ですね。プロデューサーの一番大切な仕事は「どんな子が今一番求められているのか・好まれるのか」を見抜くこと。そんな子を集められれば大成功間違いなし。でも、その仕事を放棄して、ファンにやらせているのですよ、秋元氏は!う~ん!なんだか英語の講義をしているみたいになってきた。

    木曜日, 1月 13, 2011 at 5:21 AM | Permalink
  3. Alen wrote:

    こんにちは。
    この講義を見た後に試しにnot allを使った英文を考えては見たものの、じっと見れば見るほどこんがらがってしまいました・・・
    These bikes aren’t all my brother’s bikes.
    この英文を思いついたのですが、
    「これらの自転車が全て私の兄の自転車というわけではない。(他人が混じってる)」
    と、
    「これらの自転車は私の兄の全ての自転車というわけではない。(まだ他に自転車を別の場所に置いてある)」
    のどちらの部分否定の意味が正しいのでしょうか?

    金曜日, 1月 14, 2011 at 2:10 AM | Permalink
  4. yabu wrote:

    アレン君はちゃんと部分否定を理解していますよ!つまり、「これが全てじゃない」の内容が部分否定を使って正しく表現できています。そして、この英語で「他人の自転車が混じっている」の意味で使います。だって、my brother’s bikesは所有格でしょ。まさに「お兄ちゃんが所有している」の意味ですね。もし「ここに置いてあるのが兄の全ての自転車というわけではない」の意味を表現したいのならば、these bikes here(ここに置いてある自転車)とやってやります。
    ■ここに置いてあるのが兄の全ての自転車というわけではない
    There bikes here are not all my brother’s [bikes].
    結局、アレン君の悩みは「文法」ではなくて「表現法」だったのですね。なかなか良い質問でした。

    金曜日, 1月 14, 2011 at 6:11 AM | Permalink
  5. JOHN SMITH wrote:

    すみません初投稿です。一回コメントしてみたかっただけな感バリバリな上、質問場所を間違えている気がしてなりませんが一つお聞きしたいです。
    とある参考書で「notの作用範囲」という項がサラっと載っていたのですが、
    例文;
    1.He did not (come home)/because it was raining.
    2.he did not (come home/because it was raining).
    こんな感じです。何が言いたいか、というと・・・
    1:彼は雨が降っていたから帰ってこなかった。
    2:彼が帰って来たのは雨が降っていたからではない。
    と、こんな感じに意味の採り方が変わる、と。で、見分けは文意で判断しなさい、と言われました・・・。
    ニッポンのJUKEN英語はリクツでセツメイデキルノデスヨネ・・・?
    これってなんとかなりませんか?
    P.S.
    そういえば時たま見かける誤植ですが・・・報告した方がいいですか?

    金曜日, 1月 6, 2012 at 2:31 AM | Permalink
  6. yabu wrote:

    <回答>
    JOHN SMITH君!祝初投稿ですよ。それに、君のは究極の質問ですね!というのは、君の質問の前提条件となっている 「日本の受験英語は理屈で説明できる」というのがとっても素敵です。これは「受験英語には一意的な解が存在しないと選抜クイズにならないのだから、当該問題の解の正当性が論理的に説明できないといけない」と読み替えられます。この前提条件が満たされないと、解が複数個あることになり、あれも正解、これも正解じゃあ受験英語の勉強なんてやってられないもんね!
    まず、ご質問の例文ですが、言葉が生で使用されている現実の世界では、この2つを区別するのはブリブリ簡単なのですよ。だって、赤色の部分を強調して発話しさえすれば、notが何を否定しているのかは一目瞭然(一耳瞭然?)なのです!
    1.He did not come home because it was raining.
    2.He did not come home because it was raining.
    でもそれを、この例文だけで、しかも紙の上で判断するのは不可能です。物語の文脈で判断しろといいますが、どんでん返しが仕込まれたサスペンスなんかじゃあ、どちらとも判断できない。だから、この様な曖昧な文章は、要は「悪文」なのですよ!初めからこう書くべきなのです。
    1.Because it was raining, he didn’t come home.
    2.He came home not because it was raining but because he just wanted to.
    ま、以前に比べると「複数解あり」の問題は減ってます。というのは「謎解き」よりも「実用性」を重視し始めた性でしょうね。言い換えると、平易な英文をたくさん読ませて、そこに書かれてある情報を素早く的確に処理できるかに重心が移動してきてます。だから、謎解き系の「notの作用範囲」を出題する大学なんてありませんよ!
    あ、JOHN SMITH君!薮下は猛烈な勢いで書き殴っているせいで、たくさんの「誤植(変換ミス)」がある様子です。もし気がついたら、是非薮下に教えてください。よろしくお願いしますね!

    金曜日, 1月 6, 2012 at 8:32 AM | Permalink

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