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英語って、主語がなくてもいいんです!(3)

主語が省略されていたら、先ず考えないといけないのが、物語の登場人物です。「竹取物語」なら、かぐや姫と翁です。じゃあ、「美女と野獣」ではどうでしょうか?当然、美女と野獣、つまり「美しい娘ベルと王子様」です。そして、「美女と野獣」はSFアクション映画なんかじゃなくてラブ・ストーリですから、テーマは「愛」。こう考えて「美女と野獣」の歌詞を読むと、省略されている主語が浮かび上がってきます。こんな具合です。
Love is a tale as old as time.
Love is true as it can be.
They are barely even friends.
Then somebody bends unexpectedly.
ほらね!テーマの「愛」と、主役の二人を補ってやると、完全な英語になりました。主語だけじゃなくて動詞もありませんでしたね。つまり、この歌詞は目的語(O)と補語(C)でできているわけです。そして、この歌詞の持ってる魅力の1つがこのOC構成にあると薮下は考えます。SVなしのOC構成です。じゃあ、和訳してみましょう。
愛は時と同じくらい古い物語
愛は紛れもない真実
二人はまだやっと知り合ったばかりなのに、
すぐに、どちらかが(どちらかに)心を惹かれる
詩を解釈するのは、ウケなかったギャグの説明をするようなものだから、野暮ったい(カッコ悪い)のですが、ちょっとやってみます。timeは人間が物を見たり考えたりするときの1つの枠組みです。timeがあるので僕らの考えに秩序が生まれ、整理されます。ま、プラトンに言わせると、僕ら人間はtimeという洞窟に閉じ込められているようなもので、洞窟の壁に映る影しか見えないわけです。カレンダー(暦)が四季の移り変わりや天体の運行、それにまつわる人間の祭礼全部を仕切ってますから、それだけ「当たり前のもの」なわけです。「太陽が東から昇る」という件(くだり)が、歌詞のもっと先にでてきて「時」と比較されます。ここから分かるのは、人を好きになるのは太陽が東から昇るくらい当たり前のことで、時間という枠組みを人間が持っているように当然のことだ、と言ってることが分かります。だからoldは「古い」というよりも「前から馴染みのある」から「よく知ってる」、「当然の」の意味で使っていますね。
さて、次回は「物語」について考えてみます。あ、「友だちとすら呼べない2人が、誰かが変えてしまった。予想もできない方向へ」って訳した子は反省してください。

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