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岩間くんの挑戦(3)

2016年度 高校グリーンコース1学期
高3TT英語・第2講 大問3
A 
最近、環境問題に関心を示す若い人が増えているように思われる。
B
去年の冬は例年になく寒さが厳しく、春が待ち遠しくて仕方がない。
C
特派員とは奇妙な家業だ。海外で暮らすうち、本人が驚くほどに愛国者となっていく。異国の地を踏みしめながら、絶えず、日本はこの国から何を学び取るべきか、この国と日本はどの様な関係を築くべきか、いったい、今のままで日本はよいのか、などと考え続けている。
<岩間君の答案>
A These days the number of people concerning about environmental problems seem to be increasing.
B It is much colder than usual this winter, so we can’t help waiting for spring.
C We have been wondering continuously whether Japan is what to learn from other country, how relationship we should develop, whether Japan should remain what it was and so on.
<読者への挑戦>
英文の赤い部分が間違ています。どうして間違っているのか、そしてどうすれば正しい英語になるのかを考えてみてください。
<薮下の添削>
①concernは「させる系の他動詞」
concernは「心配させる」の意味の「させる系」です。忘れた子はここで復習しておいてください。だから、「人は事を心配しています」と言いたいのなら、「人is concerned about 事」の受け身で表現しないといけません。
【添削】concerning → concerned
②主語と動詞の呼応
文の主語がthe numberなのですから3人称単数形です。その主語に現在形のseemを持ってくるなら、3単現の-sが必要です。直前の名詞がproblemsだからといって、これが主語でないことをちゃんと考えないといけません。
【添削】seem → seems
③what to learnの「疑問詞+不定詞」
「日本はこの国から何を学びとるべきか」にwhat to learnが使えそうな気がしますよね。こんな具合です。
日本はこの国から何を学ぶかを考えるべきだ。
Japan should think about what to learn from this country.
この場合、what to learnはthink aboutの目的語になっているので文が成立しています。でも、岩間君の書いた英語はJapan isの補語になっているので意味不明なのです。書き出しのWe have been wondering continuouslyの目的語として続けてこうしても文は成立します。
僕らはその国から何を学ぶべきかをずっと考え続けている。
We have been wondering continuously what to learn from this country.
でも、こうすると「日本」が出てきません。だからここは簡単にこうしてやります。
【添削】whether Japan is what to learn → what Japan can learn from this country
そして、other countryは「another country」か「other countries」かのどちらかにしないといけませんね。
【添削】other country → other countries
④「どの様な関係を築くべきか」はhowじゃなくてwhat
大学が英作文で受験生をハメようとするパターンの1つがこの「どの様な」です。「どの様関係を築くか」なら、関係の築き方を言ってるのでhowで良いでしょう。でも「どの様関係を築くか」をちょっと言い換えてみると「どの様な種類の関係を築くか」と同じだと分かります。だからhowじゃなくてwhatを使います。
この国と日本はどの様な種類の関係を築くべきか
what kind of relationships Japan should develop
=what relationships Japan should develop
kind ofはなくてもかまいません。もし③で「with other countries」にしていたら、what relationshipsと複数形にしてやります。
【添削】how relationship we should develop → what relationship we should develop
⑤「今のままで日本はよいのか」は現在形。
今の日本
what Japan is now
the way Japan is now
as Japan is now
「今の日本」を表現するのにどれを使ってもかまいません。ただ、岩間君がやったように過去形にしてはダメ。過去形は現在の否定ですからね。
僕は君を愛していた。今はもう君のことを愛してはいない。
I loved you.
だから、what Japan wasとやると、「日本は昔はそうだったけど、今は昔とは違う」という意味になるので、「今のままで日本はよいのか」という文脈には合いません。
そして、最後のand so onですが、「などと考え続けている」の「など」を英訳した様子ですが、and so onは情報として価値がないので、英語にはしません。日本は曖昧な表現を好みますが、欧米人は曖昧さをあまり好みません。極端な場合、and so onを使うと「こいつ頭が悪いんじゃないか?!」と思われます。
【添削】Japan should remain what it was and so on → Japan should remain what it is
さて、次回はまた河合の先生の採点を添削します。写真もついてます。期待ください。

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