岩間くんの挑戦(1)
薮下が教えに行っている高校3年生のD組に在籍しているのが今回の挑戦者、岩間智哉くんです。彼は高校生なのにTOEFLで77点もとった強者(つわもの)です。薮研の「英文和訳道場」をやっても、英文の構造を読み誤ることがありません。その岩間に今年の挑戦者になってくれないかとお願いしたところ、快く引き受けてくれました。しばらくの間は、彼が通ってる河合塾のトップレベル英語(高3TT英語)で出題された英作文を添削することにします。いつもの「読者への挑戦」もあります。楽しんでください。
2016年度 高校グリーンコース1学期
高3TT英語・第3講 大問3
「あなたが学校生活で学んだ一番大切なことは何ですか。100語以内の英語で述べなさい」
<岩間君の答案>
I think that the most important thing that I have learned in my school life is to never give up. When I was a high school student, I played baseball as a pitcher. During a very important game, our team was losing by ten runs in the eighth inning. Everybody expected not to win. However, in the ninth inning we could get eleven runs. We did walk-off win. If we had given up in the eighth inning, we would never find our true abilities. Therefore I think nothing is more important than to never give up.
<読者への挑戦>
英文の赤い部分が間違ています。どうして間違っているのか、そしてどうすれば正しい英語になるのかを考えてみてください。
<薮下の添削>
①canは「潜在能力」、be able toが「その能力の実現」
couldは潜在能力ですから、「やろうと思えばできた」の意味で、実際にやったわけではありません。「でも、僕らのチームは9回に11点をとることができました」のつもなのですが、couldを使うと「11点取ろうと思ったらできた」の意味になってしまいます。だからここは「過去の事実」の過去形か「能力の実現」のbe able toで書けばよいのです。あ、中学以来can = be able toと教わってきたのですが、これも中学の先生の「ウソ」ですよ。ちゃんと修正しておいてください。
⊿でも僕らのチームは9回に11点とることができた。
However, in the ninth ining we got eleven runs.
However, in the ninth ining we were able to get eleven runs.
②「さよならホームランを打つ」
岩間くんはこんな表現をよく知ってましたね!熟語集には絶対に載ってない表現です。walk-off は「立ち去ること」です。仕事を途中で止めて帰ってしまう場合にも使えます。こんな具合です。
⊿彼女は仕事をやめて怒って帰ってしまった。
She walked off her job in a huff.
そこから「ゲームが終わってしまうホームラン=さよならホームラン」くらいの表現が生まれます。
⊿彼はさよならホームランを打った。
He had a walk-off home run.
ここのポイントは、home runは可算名詞だということです。だから「a」がどうしても必要です。岩間君の書いたwalk-off winという表現はありません。
③仮定法過去完了
仮定法過去完了は「昔を悔やむときはhad+過去分詞で悔やめ。でも助動詞の後ろはhave」でしたね。忘れた子はここを見直しておいてください。だから、こうしないといけません。
⊿もし僕たちが8回であきらめてしまってたら、チームの本当の力に僕らは気がつかなかっただろう。
If we had given up in the eighth inning, we could never have found our true ability.
条件節の中では「昔を悔やむときはhad+過去分詞」ですからIf we had given up~。帰結節では「助動詞の後ろはhave+過去分詞」になるのでwe could never have found~にしなくてはいけません。
ここにもポイントがあって、「僕らの本当の能力」と言うときに、メンバー全員の能力ではなくて、チーム全体の能力を言っているのでabilitiesではなくてabilityにします。
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