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ええっ!?これはまずいんじゃないですか?

EnjoyTheGirl
多分、この広告は「女性であることを楽しみましょう。ミュゼがお手伝いします」くらいの意味なのでしょう。でも、このままでは「ミュゼといっしょに、その女を犯そう」としか解釈できません。なぜなら、the girlといえば皆が知ってる「その女」だし、他動詞enjoyは「Aを満喫する」「Aを味わい尽くす」「Aを享受する」で、目的語Aがthe girlなのですからね。
 では、正しい英語にするにはどうすればいいかというと、ここでやった「ことシリーズ」を思い出してくれたら簡単です。「私は女の子です。」はI am a girl.ですから、これを「ことシリーズ」にするとこうなります。
私が女であること
for me to be a girl(不定詞の名詞用法)
my being a girl(動名詞)
that I am a girl(従属接続詞thatが導く名詞節)
 that文は「びっくりshould、がっくりshould、当たり前だのshould、べきshould」と絡むので、これは使えません。to不定詞は「まだなってないこと」ですから変です。だから、動名詞の「もうすでになっていること」を使って「女であること」は表現しないといけません。
女性であることを楽しみましょう。
Enjoy being a girl
 この広告主の「ミュゼ」は、ローラやトリンドル玲奈がCMに登場するような大きな会社でしょ。だったら多分、電通さんでしょ?!この広告を作ったのは。すぐに書き直した方がいいですよ。問題集から広告まで、この国の英語はまったく変です。

5 Comments

  1. 浪人マン wrote:

    一応、こちらの方に質問を書いておきます。大変細かい事なのですが気になったので..,
    blameという他動詞の訳出なのですが、大半の参考書あるいは問題集、単語帳には「非難する」と書いてあります。また用法については blame 人 for 事 、blame 事 on 人、で主に使われると認識しています。ここで質問なのですが、先に書いたblameという他動詞の用法や僕自身がblameを使う例文を何文か見て感じたことについてです。「非難する」と言うよりも、好ましくない状態を引き起こした責任の所在を特定する(責任者を特定する)というところに重点があるのではないか、と感じました。「非難する」だと誤訳とまでは言いづらいものの少しニュアンスの幅が広く、違和感を感じます。また、同義の「非難する」で使われがちな他動詞のcriticize,accuse,condemn,denounceと同列ではなく、責任を表す、responcible,accontable 、answerableの形容詞の意味に近いニュアンスなのではないか、と考えました。なので一概に「非難する」でまとめてしまうのはどうなのかな?と思ってしまいます。この事に関して薮下先生の感覚や指摘があればお聞かせ頂けると幸いです。長文失礼致しました。

    月曜日, 6月 6, 2016 at 5:08 PM | Permalink
  2. 浪人マン wrote:

    すみません、もう一点質問があります。
    英語で「閉まるドアにご注意ください」と言う時 Mind the door!と言ったりします。しかしこの前「Sが店番をする」と言いたいとき、S mind the shop.と言うというのを見ました。仮にこれが命令文になってMind の目的語がdoorになったとき区別の仕方はありますか?それとも完全に文脈や状況から判断するのですか??勿論状況的に見ればどのような意味かは自明なのですが、このうちのどちらかがほとんど言われない、または使われていない表現であるとしたら教えて頂きたいです。

    月曜日, 6月 6, 2016 at 7:44 PM | Permalink
  3. yabu wrote:

    浪人マンさん。blameは浪人マンさんの言う通りで、「Bの責任をAのせいにする」という意味です。でもblameは「非難する」という日本語の意味の範囲にちゃんと入ります。だからblameやcriticizeを「非難する」という「意味」からは区別することができません。じゃあどうやって区別するのかというと「使い方」です。次の例文を見てください。
    He blamed me for the accident.
    He criticized me for my carelessness.
    「blame A for B」を「criticize A for B」と並べて書くとforが両方とも「理由・原因のfor」だと思ってしまいます。でも、blameの方は「事柄・関連のfor」なのです。大げさに和訳するとこんな具合です。
    ⊿その事故に関して、彼は僕を非難した。
    ⊿僕が不注意だという理由で、彼は僕を非難した。
    そのわけで、criticize A for Bには「AがBする」とか「AはBだ」の様に、AとBの間にSVの関係が成り立ちます。
    ⊿私は不注意でした。
    I was careless
    でも、blameの方はそうなりません。これも当然のことで「Bのことに関する責任をAに帰する」わけですから、AとBの間にはSV関係は絶対に生まれないわけです。あ、accuse A of Bも「理由・原因のof」ですから、AとBの間にSV関係が成り立ちます。ofはoffと親戚で、「分離」を表現して「~から」の意味があります。日本語でも「貧困からそんな事件が起こった」なんていいますよね。「~から」は理由・原因を表現できるわけです。
    ⊿不注意だという理由で、彼は僕を非難した。
    He accused me of being careless.

    火曜日, 6月 7, 2016 at 3:24 PM | Permalink
  4. yabu wrote:

    動詞mindにはいろんな意味があります。心の状態を表現していて「気にかける」などの意味があるのは知っての通りです。そこから「面倒を見る」とか「世話をする」という意味が派生します。でも出所は「気にかける」ですからドアのことを「気にかける」のも、店のことを「気にかける」のも同じなわけです。一見するとまったくかけ離れていると思うような言葉でも、共通項を探せば結構覚えやすくなりますよ。

    火曜日, 6月 7, 2016 at 3:34 PM | Permalink
  5. 浪人マン wrote:

    早速の返答及び解説、大変感動いたしました。さすがと言わんばかりの解説で完全に的を射ており、理解することができました。ありがとうございました。

    火曜日, 6月 7, 2016 at 9:45 PM | Permalink

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