3年D組限定(3)
竹岡氏が書いた数研出版の『入試必携英作文Write to the Point』の正解が間違っているという話をする前に、教えに行ってるクラスの子からの質問を載せておきます。なかなか良い質問で、竹岡氏の英語の教え方の特徴がよくわかります。
<質問>
テキストの「1.主語の決定(1)」の②にこんな英語があります。
⊿電子書籍を読む人は年々増えている。
×People who read electronic books are increasing year by year.
この英語が不適切である理由を竹岡氏はこう説明しています。
「increaseは主語にnumberやamountなどのような数・量を表す名詞を用いることに注意。人々が増えるをpeople are increasingとは言わない」
ところが、「17.重要表現(2)」のEXERCISES A 2の(2)でこんな英語を書いてます。
⊿最近の大気汚染の増加を考えると、環境にやさしい車の開発が急がれる。
Considering that air pollution has been increasing recently, we have to develop environmentally friendly cars quickly.
僕が納得できな英文を抜き出します。
⊿最近大気汚染が増えてきた。
Air pollution has been increasing recently.
竹岡氏は「1.主語の決定(1)」でincreaseの主語は「数・量を表す名詞」だと言っておきながら、ここではair pollutionを主語にしています。「大気汚染」は大気の状況で、数・量を表す名詞だとは僕には思えません。
これについての薮下先生の意見を聞かせてください。
<回答>
竹岡氏の講義の特徴は、受験生の気を引いて「おっ!そうなのか?!すごい」と思わせるテクニックに秀でているところです。ここでも「increaseは数・量を表す名詞が主語になる!」と言い切っていますよね。その場にいる聴講生たちの感嘆のため息が聞こえてきます。でも、これは真っ赤なウソです。くしくもこれがウソであることを「17.重要表現(2)」のところで彼は自分で証明してしまったわけです。
まず、「人々が増えるをpeople are increasingとは言わない」がダメです。People are increasing~でも全く問題ありません。こんな具合です。
⊿電子書籍を読む人は年々増えている。
People who read electronic books are increasing in number year by year.
「数・量を表す名詞」じゃなくても全く平気です。こんな具合です。
⊿政府の政策に関する批判が増えてきている。
Criticism of the government policy is increasing.
⊿その台風は勢力を増してきている。
The typhoon is increasing in strength.
⊿交通死亡事故が増えている。
Traffic deaths are increasing.
つまり、「A is increasing in number / in size / in strength・・・ 」のAは数量以外の名詞が来て、in numberやin sizeは言わなくても分かる場合があるわけです。竹岡氏は受験生の気を引くのは上手ですが、英語があまりよく分かっていません。
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