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匿名希望くんからの質問(7)・東進衛生予備校ではダメ!

2015年度・名古屋大学・大問6・下線部(3)
(3)コミュニケーションとは、人々の共存と情報の共有のための、人間や社会の根本的な機能にほかならない。新しく起こったコミュニケーションの科学の潮流は、このことを直視する。80年代半ば以降のグローバル化やネット化によって我々自身の深部に入り込んできたコミュニケーションの意味を、「人間とは何か」という究極の問いに結びつけようとしている。
<匿名希望くんの答案と東進の添削>
Communication could be main fanction of human and society for thriving of human and sharing information.
<採点結果>
9/20
<採点者のコメントと採点>
①~にほかならない:nothing but~(-5)
②機能:function (-1)
③human beingsが通例(-1)
④一番簡単なのはlive with other peopleでしょう。また、共存とは、平和の下に実現するものと考えin peace等を足そう(-4)
<薮下のコメント>
could beは「ifを使わない仮定法」になってしまいます。つまり、「コミュニケーションはもしかすると人間や社会の根本的な機能なのかもしれない」という意味になってしまいます。東進の採点官のコメントでは、なぜcould beがダメなのか分かりません。ま、「Aにほかならない」はnothing but Aで良いとは思います。
それよりも、main functionには定冠詞のtheが必要です。「人々が、共存したり情報を共有したりする、人間や社会の」機能ですから、どんな機能かが特定されていますからね。東進の採点官はこのtheを見落としています。
次に、「共存」はlive with other people in peaceが一番簡単だと言ってますが、in peaceなんて必要ありませんよ。「共存とは平和の下に実現するもの」だというのは採点官の考えに過ぎません。「共存」というのは「2つのものが同時に存在していること」以上の意味はありません。逆に、現代は色んな民族が混在しているのが現実で、決して平和な状態で共存しているわけではありません。
そして、匿名希望くんが使ったthriveには、「繁栄する」が転じて「上手くやっていく」の意味があって、「人々が共存する」でも問題なく使えます。ただ、thrive of human beingsという表現がいけないだけです。この採点官は「通例」とか「一番簡単なのは」という言葉で、自分が知っている表現(赤本の正解・別解)に誘導しようとしていますが、これでは添削する意味がありません。その上、正しい表現を削ったのではお話になりません。
ま、thriveの意味は知っていても用法が分からなければ、thriveなんて使わない方がいいに決まってますがね。
<薮下の添削>
Communication could be [the]main function of human [beings] and society for thriving of human and sharing information.
→Communication is the main function of human beings and society for human beings to thrive and share information.
<コメントと採点>
①could beは仮定法ですから「もしかすると~かもしれない」の表現になります。(-5)
②functionには定冠詞のtheが必要。(-1)
③human beingsについては前の解説を参照のこと(-1)
④「人々が共存して、情報を共有すること」は、「私が行くこと」のfor me to goを変形し、「人々が共存すること」はfor people to thrive、人々が情報を共有することは「for people to share information」、後はこの2つを結んでやればよいからfor people to thrive and share informationとします。おなじfor人to~が「人が~すること」だけではなく「人が~するための」の形容詞にも使えるのでthe function for people to thrive and share informationとなります。(-5)
<採点結果>
8/20

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