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匿名希望くんからの質問(4)・東進衛生予備校で大丈夫か?!

2015年度・名古屋大学・大問6
この30年の間に、コミュニケーション研究の新しい潮流が生まれてきた。(1)人は、自らの身体の動きや他者との相互作用を通して、どのようにしてことばの意味を身につけてゆくのか。お互いの気持が通じ合う共感の感情は、意識下でどのように生まれ、育まれるのか。胎児のときから始まる母と子の相互作用は、教え合ったり騙し合ったりする高度な社会性のはたらきへと、どのように関係していくのか。社会規模や制度、文化が安定的に維持されるには、人々の心や行動の調整がどう図られるのか。
<東進の添削>
How do human learn the meanings of words through his body’s movement and mutual effects?
<採点結果>
10/15
<採点者のコメントと採点>
①human beingsで用いるのが通例(-1)
②相互作用:interaction (with~)は必須語!必ず覚えよう(-4)
さて、東進が指摘したところ以外にも減点すべき箇所があります。こんな具合です。
<薮下の添削>
How do human beings learn the meanings of words through his body’s movement and interaction with others?
「身体の動き」をbody’s movementと英訳してはいけません。「リンダの本」と「身体の動き」は、同じ「AのB」の形をしています。でも、「リンダの本」は「リンダが持ってる本」ですが、「身体の動き」は「身体が持つ動き」ではありません。身体は動きを所有することはできないし、動きが身体に所属するわけではないからです。
「身体の動き」というのは「身体を動かすこと」です。「身体の動きが悪い」というのは「身体を思うように動かすことができない」と言いたいわけです。同じ「AのB」でも所有・所属を表す「」と、「BをAすること」を表す「」とは性質が違うわけです。
身体の動き
body movement
自分の身体を動かすこと
to move your own body
「BをAすること」を英訳するときは、名詞Bを所有格にする必要はありません。そして、他動詞Aを名詞化したものとつなげてやれば良いわけです。次の例を見てください。
鳥の観察
bird watching
鳥を観察すること
to watch birds
みんなもよく知ってる「鳥の観察」はbird‘s watchingにはなりませんよね。「身体の動き」がhis body‘s movementにならないのと同じ理屈だということが分かります。
採点してみると、mutual effectsで(-4)ならばhis body’s movementも(-4)、humanも(-4)でないといけません。なぜなら、等位接続詞andが結んでいる2つの要素なのですからね。それに、humanで(-1)というのは甘すぎます。これもmutual effectsと同じ名詞なのですから(-4)が適当です。以上から採点結果はこうなります。
<薮下の採点>
3/15
何度も書きますが、本部のこの採点官は英語がよく分かっていません。この子がやる添削では何も勉強にはならないし、本番で同じような英語を書いていては合格はできないでしょう。

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