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中村君からの質問(第1回ベネッセ・駿台模試、痛恨の出題ミス・その2)

<質問>
2つ前のブログの『第1回ベネッセ・駿台模試、痛恨の出題ミス!』についての質問です。
Grape-growing involves all four seasons, each with vital jobs.  During the winter, grape vines lose their leaves and it’s time to cut the vines.  This can improve the quality of the fruit in the following months.  ①Spring is mostly a waiting time until the new green buds appear in the next season.  ②You can enjoy these beautiful green buds and feel  refreshed when you see them.  ③As it warms up through the seasons, the vines grow longer with more buds.  ④If there are too many, they are removed so that more energy can go into the fruits.  When it starts to cool down again, the ripe and juicy grapes are ready to be picked.  This marks the end of a one-year cycle.
「解答・解説」についていた和訳は次の様なものでした。
の間、ブドウのつるは葉を落とすので、つるを切るときである。これによってあとに来る月における果実の質を高めることができる。①は主に、次の季節に新芽が出るまでの待機する期間である。②あなたはこの美しい緑の芽を楽しみ、それらを見るとさわやかな気分になる。③この季節の間じゅう気温が上がるにつれて、つるは長くなりより多くの芽が出てくる。④多すぎの場合、もっと多くのエネルギーが果実に入ることができるように、それは取り除かれる。再び気温が低くなり始めると、熟して果汁たっぷりのブドウを摘み取る時期になる。
ストーリの展開を見ると「冬」→「春」→「この季節」→「再び気温が低くなり始める」となっているので、「この季節」というのは夏と秋のことを言っているのではないでしょうか?そうすると一年のサイクルがぐるっと一周して、話が完結する気がします。つまり、through the seasons=through summer and fallと考えると良いと思いますが、どうでしょうか?
<回答>
中村君!これは、出題者を気遣った「やさしい」意見だと思います。君の人間性をうかがい知ることができます。でも、この文脈でthe seasonsがsummer and fallになることはありません。だって、冠詞のtheが付いているのですから、「既出」か「周知」でないといけません。ここまでに「既出」のseasonはwinterとspring、そしてthe next season=summerの3つです。冬には温度は上がりませんから、この文脈でthe seasonsと書くとspring and summerを指すことになります。でも、春は芽が出ませんから「つるが長くなり、たくさんの芽が出てくる」と矛盾します。fallはまだ出てきていないので「既出のthe」は付きません。だから、百歩譲って「夏と秋」だとしてもthrough summer and fallと書かないとダメなわけです。さらに、これはブドウの成長を説明している文なので、「周知」はありません。もし「周知」のthe seasonsならthe four seasons(四季)の意味になってしまいます。
この問題は「不要文指摘」ですから、③を誤文として不要文扱いすることもできます。だから、この問題は成立しないわけです。ベネッセ・駿台さん!これはno count扱いしないとダメなんじゃないですか?

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