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今井君からの質問・その3

<回答>
contextの語源はラテン語のcontextusで、これは「織り合わせる」の意味の動詞contexereの過去分詞です。ヤバ単でもやっているように分解すると、「com=共」+「texere=織る」=contexere。そこから「一緒に織り込む」とか「織り合わせる」の原義が見えてきます。texereは現代英語ではtextureやtextileの形で残っていて「織物」の意味なのですが、昔は「織る」という動詞の意味を持っていたわけですね。
ならば「織り合わせる」を「考え合わせる」と読み替えて、in the context of Aを「Aを考え合わせて」の意味にとれば、ofは「BAする」の「目的格のof」になります。あ、inは「手段・方法のin」で目に見えない道具や、方法・形式が後ろに来るやつです。
ゴミや公害を出さない社会や経済システムを考え合わせて、僕らはこの提言を考える必要がある。
The proposals need to be considered in the context of a society or an economic system that produces no garbage or pollution.
ほらね!ずいぶん良くなりました。in the context of Aを辞書で引くと色んな訳語が出てきます。こんな具合です。
「Aという背景において」
「Aという事情(状況)の中で」
「Aという切り口から」
大体「という」が出てきて、「同格」ぽい感じがしますね。でも、contextの語源から考えると、こうなります。
「A考え合わせることで」
「A絡めて」「Aとの絡みで」
「A視点から」
大切なのは、日本語の訳語からofの用法を考えてはダメだということです。最後にアルクの例文を載せておきます。
市場原理という背景において
in the context of market principles
「市場原理という背景において」というキーワードで検索をかけてみたところ、該当したのはこのアルクのサイトのこの例文1つだけでした。つまり、「市場原理という背景において」という日本語は正しくないということです。これも「市場原理を考え合わせることで」とか「市場原理に絡めて」「市場原理の視点から」とするとキレイな日本語になります。
今井君!これが薮下の考えです。河合塾の偉い?先生と意見が分かれてしまいましたが、仕方ありません。

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