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今井君からの質問・その2

<回答>
さて、今日はin the context of a society that produces no garbage or pollutionのofの用法を考えてみましょう。前回説明した通り、リンガメタリカのcontextの使い方は間違っているので、別の例を作ってみましょう。
この提言は、ゴミや公害を出さない社会や経済システムという背景の中で考える必要がある。
The proposals need to be considered in the context of a society or an economic system that produces no garbage or pollution.
「社会や経済システムという背景」の訳語から考えると、このofは「同格」だと思われます。でも、はたして「社会」とか「システム」は「背景」なのでしょうか?
ではここで、OED(Oxford English Dictionary)がやってるcontextの定義を見てみましょう。
ある出来事、発言、あるいは知識の舞台背景を形作っている状況や事情のことで、その観点に立てば出来事や発言、あるいは知識をちゃんと理解できるもの。
The circumstances that form the setting for an event, statement, or idea, and in terms of which it can be fully understood.
確かにsettingには「背景」という意味があります。でも、よく読むとcontextは「背景」じゃなくて「出来事の舞台背景を形成している状況や事情」だと言ってます。さらに、その先に「その観点に立てば、出来事や発言を完全に理解できる」と書いてあります。ということは、contextは「出来事や発言を上手く理解するための観点」だと言えそうです。そう考えると、次の様な訳語が適当でしょう。
ゴミや公害を出さない社会や経済システムの観点から、僕らはこの提言を考える必要がある。
The proposals need to be considered in the context of a society or an economic system that produces no garbage or pollution.
ほらね!こっちの方がしっくりきます。ま、ここから分かることは「という」の訳語からofの用法を考えない方が良いということです。実際に、同格のofはイコールで結べるか、A of Bingの形でAを説明するかです。
リンダという名前
the name of Linda
ローマという都市
the city of Rome
音楽という芸術
the art of music
これらは全部、A is Bの型にはめ込めます。
リンダというのはありふれた名前だ。
Linda is an ordinary name.
ローマは小さな都市だ。
Rome is a small city.
音楽は時間に支配された芸術だ。
Music is a temporal art.
でも、さっきも言ったようにSociety is a broad context.にはならないのです。そこからも、このofが「同格」じゃないことが分かります。次回はcontextの語源にさかのぼって、ofの用法を考えてみましょう。

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