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車戸君からの質問(15)

<質問>
次の英文は青本(京大実践模試)の第5回の問1の下線部(2)です。
Computer scientists use the term “open architecture” to describe a system that is adaptable enough to change―or rearrange―to accommodate the varying demands on it.  Within the constraints of our genetic legacy, our brain presents a beautiful example of open architecture.  Thanks to this design, we come into the world programmed with the capacity to change what is given to us by nature, so that we can go beyond it.  We are, it would seem, genetically prepared from the start for breakthroughs.
駿台の正解はこうなっています。
「こうした設計のおかげで、私たちは、自然から与えられているものを越えていけるように、それを変化させる能力を組み込まれた状態で、この世に生まれてくる」
僕は下線部のitはnatureだと考えて、次の様に訳出しました。
「この構造のおかげで、私たちは自然を超えることができるように、自然に与えられていることを変えることのできる能力が組み込まれている状態でこの世界に生まれてくる」
駿台の正解はitを「自然から与えられているもの」と訳出しているのですが、これは「自然」ではないのでしょうか?
<回答>
車戸君!赤本の京大過去問25年分をやってしまって、やる問題がなくなったので青本に手を付けた様子ですね。赤本25年分を全部やった子は何人もいましたが、青本までやった子は車戸君が初めてです。
ご質問のitですが、これは駿台の先生が言う通りでwhat is given to us by natureを指しています。でも、駿台の先生の和訳は間違っていると思われます。この場合のby natureは「自然によって」ではありません。だって「自然から与えられているもの」という日本語で思い浮かぶのは「自然の恵み」である美味しい食べ物や美しい環境です。でも、この段落の文脈を考えると、ここでは人間は遺伝的な制約を乗り越えて、飛躍的に進歩する可能性があると言いたいのですから、by natureは「生まれながら」とか「生来」の意味でしょうね。薮下ならこの様に和訳します。
「脳が持っているこのような構造のおかげで、私たち人間は生まれながらにして持っている遺伝的な制約を変える能力を持った状態で生まれてくる。そしてその結果、その制約を乗り越えることが出来るのです」
赤本は変な訳だらけですが、青本にも変なところがあるのですね!ま、「自然から与えられているもの」が間違いではないのですが、このままでは意味不明ですから「誤訳」です。青本も注意して見る必要がありそうです。
いよいよ来週が本番ですね!健闘を祈ってますよ!

3 Comments

  1. CHI wrote:

    Maryanne Wolfの”Proust and the Squid”ですね。
    本とは別にオーディオブックを数年前に聴いた記憶があります。
    その駿台の訳はいわゆる態の変換をしてそのまま訳したように感じられますね。

    日曜日, 2月 22, 2015 at 10:29 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    CHIさん!たったこれだけの英文だけで出典が分かるのですね!さすがです!

    月曜日, 2月 23, 2015 at 10:22 AM | Permalink
  3. url url" rel="ugc external nofollow">Sherlyn wrote:

    Could you inform me what style are you making use of on your website?
    It looks great.

    日曜日, 4月 21, 2019 at 7:29 AM | Permalink

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