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「ヤバイ英熟語」(6)句動詞って何?・その3

「着る」のput onは、「ある状態にする」のputと、「ひっついた状態にする」のonが一連の動作として左から右に流れてゆきます。そして、この様に2つの語が1つの動作を表現している動詞を「句動詞」と呼びましたね。
さて、ここが一番のポイントなのですが、「着る」のput onは、2つの語が1つの動作を表現してはいるのですが、結びつきは緩やかで、簡単にバラバラにできます。つまり、putとonとは独立した別々の動作だから、putとonの間にmy coatが入ることがあります。こんな具合です。
あたしはコートを着た。
I put on my coat.(○)

I put my coat on.(○)
ネーティヴたちは、この2つの表現を全く同じだと考えています。英語は語の並び方が命ですから、語順が変わるのに意味が変わらないというのは不思議ですがね。ま、それだけ、putとonの結びつきが緩(ゆる)いと考えてください。だから、my coatが割り込めるのです。
次に、my coatを代名詞化してitにして見ましょう。こんな具合です。
あたしはそれを着た。
I put on it.(×)

I put it on.(○)
あれ?っと思いませんか?なぜ「着る+それを」がダメなのでしょうかね。これは前に一度勉強をした「ETの法則」と関係があります。つまり、文のお尻はデカくないと文が安定しないのです。put on my coatなら、文のお尻にはmy coatという冠詞+名詞が来てますからドッシリと安定しています。でもput on itになると、文のお尻が1語の代名詞だから軽くなってしまい、文が安定しません。そこで、putとonでサンドイッチにしてしまうのです。これはputとonの結びつきが緩いのでできることです。そして、そうすることによって、put it onという大きな動詞の塊が出来上がるので、文のお尻が重たくなって安定するわけです。発音してみれば分かるのですが、put it onは「ぷっと いっと おん」ではなくて「プッティットン」のようにつながります。

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