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原君からの質問(その1)

<質問>
『英語の構文150』という美誠社の参考書があるのですが、その第4章・31構文(P.50)のところにこういう件(くだり)があります。
(1)付帯状況[同時行為]「~しながら」
Bill stood alone, surprised at the news of her death.
ビルは彼女の死の知らせに驚いて立ち尽くしていた。
(2)単純接続「そして~する」
Established in 1885, the restaurant was closed in 1998.
そのレストランは1885年に開店され、そして1998年に閉店した。
確か、薮下先生の授業で「付帯状況分詞構文は、「①(同時)~しながら」、「②(連続)・・・して、そして~」と習ったはずなのですが、上の解説と矛盾するような気がします。(2)単純接続も付帯状況じゃないのですか?分かりやすく教えてください。ちなみに、この『英語の構文150』は解説が分かりにくいので、仲間うちではあまり評判が良くありません。
<回答>
原君!ちゃんと構文の暗記をやっているのは感心です!でも、残念ながら君の言うとおりで、この『英語の構文150』の解説では例文をなかなか覚えられそうにありませんね。というよりも、解説の代わりに類例がたくさん載っているだけです。この参考書は、ある程度英文法が仕上がっている子が使うには良いのですが、この本だけで構文を全部理解しようとすると結構大変です。ぶっちゃけ、改定前の方が解説が丁寧でした。
ご質問の「付帯状況分詞構文」ですが、薮下がいつも授業で言ってるように、「同時」と「連続」の2つの用法をちゃんと理解していないと、国公立2次試験の下線部訳に対応できません。ですから、『英語の構文150』をやっても国公立大学には合格できないでしょうね。
その赤ん坊はテレビを見ながら笑っていた。(同時)
The baby was laughing, watching TV.
大きな地震が起って、その街に大きなダメージを与えた。(因果の連続
A major earthquake occurred, causing severe damage to the town.
文中分詞構文(文の途中の「, -ing」)はこの「同時」と「連続」の2パターンを理解していないといけません。そして、ここがポイントなのですが、「連続」では動作の連続」と「因果の連続」の2つを区別しないといけません。上の「連続」は、地震が原因となって、その結果街がダメージを受けたのだから、「因果の連続」です。その場合には、上の様に後半が分詞構文化されます。一方、「動作の連続」は全く逆で、前半が分詞構文になります。『英語の構文150』はこれを単純接続と呼んでいます。こんな具合です。
鞄から鍵を取り出して、彼はその箱を開けた。(動作の連続
Taking out a key from his bag, he opened the box.
「カギを取り出す」という動作と「箱を開ける」という動作の2つが連続しています。この様な場合には、前半を分詞構文化します。理由は簡単で、分詞構文化されている方が「どうでもよい部分」だということです。「Aして、それに続いてBした」なんて、AもBも重要性の上では大した差はないように思えますが、あまり差がないから「現在」に近いBの方に力点が置かれているわけです。
そして、「大きな地震が起こった」と「それが街に大きなダメージを与えた」とでは、原因である前半の方に力点が置かれています。
残念ながら『英語の構文150』には「因果の連続」が出てきません。だから、2つの「連続」の区別がつくようにはなりませんね。さて、「その1」になっているのは、「その2」があるってことです。

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