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京大Ⅲ(2)は「抽象」で振って「具体」に落とし込め!

雷神くんが拘(こだわ)っている「京大Ⅲ(2)の鉄則」について、駿台予備校の超有名講師の先生から次のようなコメントをもらいましたのでご紹介します。本人のたっての希望で、お名前が公開できないのが残念です。薮下は良い勉強になりました。またアドバイスをくださいね!!
<駿台予備校の先生のコメント>
2011年度・熊本大・前期試験・問4(3)
Hobbies can help develop a more balanced and relaxing life.  Modern life tends to be extremely busy.  But even in the city, with all its noise and stress, one can create one’s own island of peace and beauty.  (3)趣味に専念することによって、より深い人生観が生まれるのです。
これは熊本大が出題した問題ですが、こういうのが京都大学のⅢ(2)の典型的なタイプです。下線部の日本語は抽象的過ぎて、このままでは英語にするのが非常に困難です。そこで注目すべきは、直前の英文です。
都会にいくら喧噪とストレが渦巻いていても、人は身近に心安らぐ場所を作り出すことができるのだ。
But even in the city, with all its noise and stress, one can create one’s own island of peace and beauty.
この直前の英文と問題文は同格関係にあります。つまり、2文間には展開はなく、ほぼ同じ意味を繰り返し表現しています。こういった場合には、英語では「前文が抽象」、「後文が具体」になっているのが普通です。しかし、問題文の日本語は抽象文のままだから、前文が抽象、後文も抽象という良く分からない文になってしまっています。
これを解消するには「抽象で振って、具体に落とし込む」ことです。つまり、英文の自然な流れである「前文が抽象で後文が具体」にしてやるのです。それには直前文のone can create one’s own island of peace and beautyを上手く使って次のように具体化します。
自分の人生をより穏やかに過ごし(peace)、自分の人生が美しいもの(beauty)であるという認識(人生観)を持つことができる。
Being absorbed in one’s hobby enables one to lead a more peaceful life and to realize how beautiful one’s life is.
旺文社の全国入試問題正解は問題文を直訳しただけの「前文が抽象で後文も抽象」の悪例(好例?)なので紹介しておきます。
⊿趣味に専念することによって、より深い人生観が生まれるのです。
By devoting oneself to one’s hobby, one can attain a deeper view of life.
ちなみに、雷神さんの京大Ⅲ(2)の解釈ですが、前文「私たちは漠然と犬やイルカを賢いと思っている」と、後文「動物の賢さを測る客観的な基準に基づいて判断しているわけではない」の2文は同格関係ではなくて逆接関係にあります。だから、前文を「抽象」として書いて、後文を「具体」に落とすことはできません。京大Ⅲ(2)がいつも「抽象で振って具体に落とし込める」わけではありません。

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