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車戸くんからの質問(2)

<質問>
もう1つ僕の和訳を添削してくだされば幸いです。
A baby who has enjoyed good experiences with the breast or the bottle is likely to be more able to enjoy solid foods offered later; a basis of trust in food and in people has been built up.  A baby who could rely on people it loved to be sufficiently there and in touch―physically and emotionally―may be easier to leave later on as a child; the baby has learned confidence in itself, in its own worth and value, and in the people around.(お茶の水女子大)
自分のそばにちゃんといてくれて、肉体的、感情的に関係を持ってくれた人を頼ることができた赤ちゃんは、後に子供の時、親離れしやすくなるかもしれない。
<回答>
車戸君!ほぼ正確に訳出ができていると思います。ただ、it lovedを忘れてます。君はこの部分をちゃんと( )に入れていて、文構造を把握していたのに、( )に入れて前後をつないだとたんに忘れてしまったのでしょう。itはa babyを指すので、「(赤ちゃんが)愛する人」を入れてやるだけで完璧な答案になります。もし、「肉体的に関係をもった人」をちょっとHだなあと思うなら「肉体的に関わった人」、赤ちゃんも「子供」だろうと思うなら「後に幼児に成長したとき」くらいにしてやれば良いでしょう。ま、そんなに代わりはないですけどね。
1つ気になるのは解説に「S rely on A to do(SはAが~するのを当てにする)」がまるで慣用句のように書いてあることです。こう書くと、子供達はこの表現を知っていなくてはいけないと勘違いをします。結局、覚えようとするだけで、どうしてそんな意味になるのかを考えません。次の英文を見てください。
僕らはもう1度彼にそれを説明してもらおう。
We will get him to explain it again.
車戸くんも知っての通り、これは使役動詞getの例文です。他の使役動詞 make、let、haveでも良いのですが、toが省略されてしまって原形不定詞になっているのでgetを使いました。これを慣用句と考えて「get人to~」で「人に~させる」と覚えさせようとしているのが河合出版の解説です。ま、それも1つの解説の仕方なのでしょうが、こうなると子供達は記憶マシンになるしかなく、頭を働かせようとしません。では、どう考えるかというと、toには元々名詞を飾る用法がありましたよね。こんな具合です。
今日読む
a book to read today
2語以上の飾りですから、to read todayはbookの後ろから飾っています。これがETの法則でした。これと同じのがさっきの例文です。
それをもう1度説明してくれる彼
him to explain it again
ということは、使役動詞なんて言ってますが、getは皆がよく知っている「手に入れる」の意味で、例文全体を言い換えるとこうなります。
僕らはそれをもう1度説明してくれる彼を手に入れよう。
We will get him to explain it again.
これと同じなのが rely on people to be sufficiently there and in touchです。こんな具合です。
ちゃんとそこにいてくれて、触ってくれる人
people to be sufficiently there and in touch
そして、車戸君はこの発想で訳出しているのが分かります。つまり、河合の解説のように「人が~するのを当てにする」ではなくて「~してくれる人を頼る」になっていて、不定詞句を形容詞だと意識して訳していますよね。これは君の方が、「rely on A to do」を「Aが~するのを当てにする」と暗記している子よりもレベルが高いのですよ!
あ、そう言えば、前にやったenjoyがここの冒頭文に出てきますね。「享受する」じゃなくて「「良いことがある」でしたね。だから「経験を享受する」ではなくて「良い経験をする」で良いわけです。

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