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夏のアブラゼミ 第5日目 and、but、orが結ぶものを見極めろ!③

「夏のアブラゼミ」の5日目です。今日はバートランド・ラッセルの英語にでてくるand、but、orを勉強しましょう。辞書を引きまくってくださいね。時間も無制限です。とにかく自分なりのその英文の解釈を完成させることですよ!
【問題】  
When I was young we all knew, or thought we knew, that a man consists of a soul and a body; that the body is in time and space, but the soul is in time only.  Whether the soul survives death was a matter as to which opinions might differ, but that there is a soul was thought to be certain.
<Bertrand Russell “What is the soul?”>
先ず、文中のandが結んでるものがa soul and a body、time and spaceであることは、著者の言いたいことを丹念に追って行けば簡単に見抜けるはずです。
次に最初のorですが、直後に注目するとthoughtという動詞の過去形、直前にも動詞の過去形を探すとknewがみつみかります。ということは、主語が共通のWe allで、動詞のknewとthoughtがorで結ばれていることが分かります。thought we knewはコンマ-コンマで括られている挿入表現だから、先ずは無視して前後をつなげます。こんな具合です。
人間は魂と肉体とでできていることを、僕らは皆知っていた
We all knew that a man consists of a soul and body.
そして、次にorが結んでいるthought we knewと入れ替えてやります。こんな具合です。
人間は魂と肉体とでできていることを、僕らが皆知っていると思っていた
We all thought [that] we knew that a man consists of a soul and body.
これを考え合わせると次のような和訳が完成します。
【全訳例】
僕が若い頃は、人間は魂と肉体とからできていることを僕らは知っていたし、(あるいは)知っていると思っていた。
問題は次の「; that」ですよね。このセミコロン(;)は、上がピリオド(.)、下がコンマ(,)からできあがっています。だから、セミコロンには「文をそこで区切る働き」と「文と文をつなぐ働き」の2つがあります。 そして、この文と文をつなぐ働きっていうのが、まさにand、but、orなわけです。言い換えると、この問題文はセミコロン(;)をandに書き換えることができるわけです。こんな具合です。

We all knew, or thought we knew, that a man consists of soul and a body, and that the body is in time and space.

こうなるととっても簡単で、 and の直後に注目すると「ことシリーズのthat」、直前に「ことシリーズのthat」を探すとちゃんとでてきます。ということは、僕らが皆知っていたり、知っていると思っていたことは2つあるということです。
【全訳例】
僕が若い頃は、人間は「魂と肉体とからできていること」、そして「肉体は時間と空間の中にあること」を僕らが皆しっていたし、知っていると思っていた。
じゃあ、次のbutはどうかというと、直後にはthe soul is in time onlyという文が来ています。この文のA is in Bという構造に注目してくださいね。and、but、orが結んでいるのは同じ形(文法的に同じ機能をもってる語句)ですから、それを遠目に見ると非常に美しい左右対称形をしています。だから、andの直後がA is in Bなら、直前にもA is in Bがあるんじゃないかと考えます。等位接続詞and、but、orを見たら、そんな風に頭を働かせるようにすると良いでしょう。ということは、この but の前後文はこうなります。そして、これで前半文の解釈が完成しました。
肉体は時間と空間の中に存在するが、しかし魂は時間の中だけに存在すること
that the body is in time and space, but the soul is in time only
【全訳例】
僕が若い頃は、人間は魂と肉体とからできていて、肉体は時間と空間の中に存在するのだが、魂は時間の中だけに存在するということを、僕ら皆が知っていたし、知っていると思っていた。
さて、このセミコロン(;)の持つ「文と文をつなぐ働き」は、順接のandだけじゃなく逆接のbutになることもあります。こんな具合です。
そのレストランは外観はとてもきれいだ。でも料理はあまりおいしくない。
The restaurant is beautiful in appearance; the food is not so good.
=The restaurant is beautiful in appearance, but the food is not so good.
でも、これは一種の悪文で、本当はandやbutを省略しない方が断然良い英語です。ま、バートランド・ラッセルの英語は洗練され過ぎていて悪文っぽいところがあるので、京都大学が今まで好んで出題したわけですけどね。ましてやorの代わりにセミコロンが用いられることはまずありません。
あ、もう1つ。特定の論理語(接続副詞)の前にセミコロンを付けることがあります。こんな具合です。
運動靴を忘れたので、スポーツセンターでテニスの練習ができなかった。
I forgot my sports shoes; therefore I couldn’t practice tennis at the sports center.
セミコロンと仲の良い論理語をまとめておきましょう。知らない論理語があったら辞書を引いて例文を1つ抜き出しておくこと。
理由・結果= thus, therefore, accordingly, consequently, in consequence, as a result, hence
逆接的対立= however, nevertheless, nonetheless, still, all the same, even so
対比・対照= on the other hand, meanwhile, in contrast, by comparison 
付加・添加= moreover, furthermore, further, besides, likewise
順接的経過= thereafter, then, next, subsequently, meanwhile
さて、後半のbut that there is~を見たときに、not that 文1 but that 文2を思い浮かべた子がいるかも知れませんね。ま、これが頭に浮かんでくると言うことは、よく勉強をしているということなのですがね。
彼はできないのではなく、やろうとしないのだ。
Not that he can not, but that he will not.
でも、どこを探してもnot that文1に当たる英語は見つかりません。そして、これがand、but、orの読み方でとても大切なことなのですが、「and、but、orの左にコンマがあったら、文が一度そこで区切れて、新しい文がそこから始まる」ことが多いのです。ま、いつもこのルールが当てはまるとは限らないのですけどね。これが後半の和訳のヒントです。今日はここまでにしましょう。

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