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夏のアブラゼミ 第2日目 「前置詞+名詞」を切り出せ!②

「夏のアブラゼミ」の2日目も、「前置詞+名詞」について勉強しましょう。今回は名古屋大学の下線部訳をやってみましょう。制限時間は10分です。今回は下線部だけに集中してください。辞書を使ってもかまいません。第1日目と同じで、英文が「前置詞+名詞」から始まってますね。
【問題】
Learning words increases the size of a child’s vocabulary.  Behind this obvious truth lies a set of complex issues concerning the wide range of information that children employ in learning new words.  But does the size of a child’s vocabulary influence how he or she learns, or retains, new words?  Clearly, there must be a relationship between the child’s ability to learn new words and the size of his or her vocabulary.
<名古屋大学>
【解説】
Behind this obvious truthは「前置詞+名詞」で、文頭にあるのだから副詞です。つまり、飾られる名詞がないので形容詞にはなれません。でも、直後にlies(ある)という動詞が出てくるので、またまた主語がありません。第1日目はA of Bの区切り方で主語が見つかりましたが、今回は影も形も見あたりません。もうこうなると倒置しか考えられません。つまり、本来は「主語+動詞+副詞」の順番に並んでいる語句が語順異常を起こして、「副詞+動詞+主語」の並び方になっている、と頭を切り換えるしかないわけです。
なぜ倒置が起こるのかというと、「①強調したいものを文頭に持ってくるため」と「②文末を重たくすることによって文を安定させるため」の2つの理由が考えられます。世の学習参考書はことさら①を強調しますが、②の方もちゃんと覚えておいてください。なぜなら、英文の構造を理解する手助けになるのは②の方ですからね。さて、下線部の飾りを全て取り払うと、「主語+動詞」だけのこんな英語になります。まるで毛を刈った羊のようなものです。あ、a set of Aで「一連のA」の意味で、色んな問題を1まとまりのセットとして扱っているので、a set of issuesで単数扱いになります。
複雑な問題がある。
A set of complex issues lies.
これに「どこ?」の文末副詞を付けるとこうなります。
この明白な事実の背後には、複雑な問題がある。
A set of complex issues lies behind this obvious truth.
次に、主語のissuesに長い飾りを付けてゆきましょう。現在分詞のingから始まる2語以上の長い飾りだから、これもETの法則に従います。こんな具合です。
日本を扱っている本
a book dealing with Japan
これと同じように考えて・・・
幅広い情報に関係している問題
issues concerning the wide range of information
あ、a set ofとかa range ofなんかはa cup ofとかa lot ofの仲間で「単位・数量・種類のof」でしたね。ちゃんとA of Bを「AのB」と訳出してくださいね。昨日、復習しなかった子はここで勉強しておくこと。さて、今度はinformationに長い飾りを付けてゆきます。関係代名詞 that から始まる飾りも、当然2語以上の長い飾りですから、ETの法則に従います。こんな具合です。
父が僕に買ってくれた本
a book that Father bought for me
これと同じように考えて・・・
新しい言葉を覚える時に、子供達が使う情報
information that children employ in learning new words
じゃあ、一番最初の「複雑な問題がある」に飾りをはめ込んでみましょうかね。赤い部分が全部主語を飾る飾りです。黄色い部分は文末副詞の「どこ?」という情報です。これだけ長い飾りが主語にくっついているので、当然、頭でっかちのETタイプの英文になってしまい、とても不安定なわけです。
A set of complex issues concerning the wide range of information that children employ in learning new words  / lies / behind this obvious truth.
それなら、軽いお尻(文末)の方から文を読めば、頭とお尻が逆転して文が安定しますよね。つまり、behind this obvious truthの方から文の構成要素を並べてゆくわけです。この逆転の手法が「倒置」なわけです。この「倒置」は文を完全に逆から読んでますから「完全逆転型」と呼んでます。あ、薮下が勝手にそう呼んでますから、参考書には出てきませんよ。「完全逆転型」の倒置についてもっと知りたい子はここそこを参照しておいてください。
あ、inは「従事・従属のin」です。「~に従事するとき」とか「~に従事して」くらいの意味になります。
彼女はテレビを見る時間が多すぎる(テレビを見ることに従事するときに、たくさんの時間を使う)。
She spends too much time [in] watching TV.
普通はこのinは省略しますから[in]になっています。あ、あ、employには「人を雇う」だけじゃなく「手段や方法を使う・用いる」の意味があることを覚えておきましょう。さて、今回は下線部だけを考えました。次回は下線部以外の英語を考えてみましょう。ちゃんと予習をしておいてくださいね。
【全訳例】
この明白な事実の背後には、新しい言葉を覚えるときに子供が使う幅広い情報に関する複雑な問題がある。

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