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ReadingDrill第6回(4)

今回はReadingDrill第6回の内容一致問題の解説をやります。今回も前にやったように「確定要素」をマーカにすることを考えます。設問はこんな英語です。
問題文によると、(  )のために、ハーバート=フーバーは1932年の選挙にほぼ負けそうだった。
According to the passage, Herbert Hoover most likely lost the 1932 election because (     ).
問われているのはフーバーが選挙に負けそうだった「理由」です。だからHerbert Hoover most likely lost the 1932 electionは確定要素です。せっかくですから、数字の1932をマーカに設定しても良いでしょう。その方が「確定要素」を探しやすくなります。すると、次の赤い部分が確定要素だと分かります。
There have been 44 presidents of the United States.  Some are remembered as courageous heroes who led the nation through grave crisis.  For instance, Abraham Lincoln, the 16th president, and Franklin Roosevelt, the 32nd, are revered today for guiding the country through the Civil War and World War Ⅱ, respectively.  Others are remembered less fondly for the crisis they failed to resolve.  Herbert Hoover, for example, who easily won the 1928 election, had the misfortune of becoming president just several months before the disastrous stock market crash of 1929.  That crash triggered the Great Depression, a global economic crisis that saw banks take farmers’ land and people’s homes.  Unfortunately, the president failed to resolve the economic problems facing the nation, which would continue until America entered World War Ⅱ twelve years later.  Needless to say, Hoover lost the trust of the American people―and the next election in 1932.
これが最終文ですから、その直前に述べられているのがその「理由」だと推察できます。読んでみると「不幸にも、フーバー大統領は国が直面している経済問題を解決しそこなった」と書いてあります。そして、選択肢を見てみると、
(A)彼は株価の暴落を引き起こした。
(B)彼は大恐慌を終息させられなかった。
(C)彼は第2次世界大戦を回避できなかった。
(D)彼は農民から土地を取り上げた。
とありますから、Bの「大恐慌を終息させられなかった」を選んでやります。フーバーは株価大暴落のほんの数ヶ月前に大統領に就任しただけで、決して彼が株価の大暴落を引き起こしたわけではありません。だから、Aを選ぶ子はいないと思います。でも、下線部後半にこうあります。
そして、その経済問題は12年後にアメリカが第2次世界大戦に参戦するまで続いた。
, which would continue until America entered World War Ⅱ twelve years later
じゃあCの「彼は第2次世界大戦を回避できなかった」も正解じゃないのか、と考える子がいます。つまり、経済問題を解決できなかったのはフーバー大統領で、歴史的に見ると、この世界恐慌が原因で第2次世界大戦が起こったのだから、Cも正解だというわけです。
確かに、第1次世界大戦での敗戦後、ドイツは膨大な賠償金を支払わなくてはなりませんでした。そして、世界大恐慌に追い打ちをかけられてドイツ経済は破綻し、賠償金の支払いもままならなくなります。そんなときに、ベルサイユ条約なんて守って賠償金を支払う必要はないと言い出したのがナチスで、彼らの台頭が第2次世界大戦につながってゆきます。だから、歴史的な常識から考えると、ニューヨーク証券取引所での株価の暴落に端を発する世界大恐慌を解決できなかったフーバーのせいで第2次世界大戦に突入したと言っても過言ではないわけです(いや、ちょっと過言ですが・・)。でも、そんなこと、本文に書いてましたか?ここがとても重要なポイントで、自分勝手な常識を持ち出して選択肢を判断してはダメということです。この様な「勝手なストーリの展開」は誤った選択肢の1つのパターンです。
選択肢の正誤の基準は、本文に書いてあるかどうかです。本文には「経済問題はアメリカが第2次世界大戦に参戦する12年後まで続いた」と書いてあるだけです。フーバーが第2次世界大戦を回避できなかったとはどこにも書いてないということです。

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