京都産業大の空所補充問題
昨日、授業後に角野さんが質問してくれた問題が面白かったので、ここで解説をしようと思います。こんな問題です。
An event ( ) French culture was held at our university last week.
①having been introduced
②introduced
③introducing
④which introduce
この問題は「後置修飾」、「関係代名詞」、「物主語」、「動詞の時制」の4つが絡んでいるので、京産が出題していますが結構な難問です。
先ず、2語以上の長い飾りは重たいので名詞の後ろに回ります。1語だけの軽い飾りは名詞の前でオッケーです。後ろに回る場合を「後置修飾」と文法では呼んでいます。後置修飾には次の5つのパターンがあります。
1. a book to read today 今日読む(ことになってる)本
2. a book dealing with Japan 日本を扱っている本
3. a book written in English 英語で書かれた本
4. a book which Father bought for me 父が僕に買ってくれた本
5. a book on the desk 机の上の本
この5つはそれぞれ次の様な特徴があります。
1. 不定詞から始まる飾り(形容詞用法)
2. 現在分詞から始まる飾り(現在分詞の接触節)
3. 過去分詞から始まる飾り(過去分詞の接触節)
4. 関係代名詞から始まる
5. 前置詞+名詞が形容詞になる
( )の中の文法用語は覚えなくても大丈夫です。そして、2と3は実は関係代名詞を使っても同じ意味になります。つまり、2と3にはwhich isが省略されているわけです。こんな具合です。
2. a book [which is] dealing with Japan
3. a book [which is] written in English
4. a book which Father bought for me
では、京産の選択肢を見てみましょう。
②introduced
③introducing
④which introduce
②は過去分詞から始まる飾り、③は現在分詞から始まる飾り、そして④は関係代名詞から始まる飾りだと分かります。省略されている語句を復活させてみましょう。文全体の流れは過去ですから、be動詞は過去形にします。
②[which was] introduced
③[which was] introducing
④which introduce
では、「関係代名詞」って何かを簡単に説明します。関係代名詞は飾りの文がここから始まるよという記号です。関係代名詞の問題は「言いたい文」と、その中の名詞を飾る「飾りの文」からできています。
・言いたい文=An event was held at our university.
・飾りの文=The event was introducing French culture.
関係代名詞の飾りは必ず2語以上の長い飾りですから、飾られる名詞の直後に置きます。ここですね!
An event ^ was held at our university.
言いたい文の中に飾りの文が割り込むので文が読みにくくなります。だから「ここから飾りが始まるよ!」という記号を付けておくと読みやすくなります。それがwhichです。単なる記号ですから訳しません。大切なのは飾りがどこで終わるかです。
An event which [長い飾り] / was held at our university.
関係代名詞から始まる飾りがwasの直前で終わります。飾りの終わりを見つけるのがとても大切です。そして、飾りの文のThe eventが、飾られる名詞An eventと同じなのでwhichになるわけです。京産の問題は「飾りの文」を観察しないと解けません。
次のポイントは「物主語」です。イベントが主語ですね。日本語は人が主語になる大和言葉が基本ですから、物主語には違和感があります。でも英語のお陰で物主語が浸透してきています。「飾りの文」はこんな英語になるはずです。
■そのイベントはフランス文化を紹介した(していた)。
The event introduced French culture.
The event was introducing French culture.
「イベントはフランス文化を紹介する」が能動態、「フランス文化はイベントで紹介される」が受動態です。さて、ここまで分かると問題が半分解けます。選択肢を見てみましょう。
②[which was] introduced
③[which was ]introducing
④which introduce
②は「イベントが紹介される」になってしまいますね。紹介されるのはフランス文化でないといけません。だから②は×。④は一見すると正解に見えますが、introduceが原形になってるのがいけません。原形は習慣や真理・真実を表現するときの「時制」ですね。もしこれがwhich introducedとかwhich was introducingだったら正解です。よって③が正しいと分かります。
①はhaving been introducedで「過去が表せないときのhave+過去分詞」が使われています。この「時制」を説明すると今までの2倍のストーリになるので授業でやります。でも、①は②と同じ「受け身」になっているのが分かります。これも「イベントが紹介される」の意味になるので×。
これで分かりましたか?また質問をしてくださいね!
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