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「Basic」って何?(1)

世に出回っている問題集はレベルに応じて分冊化され、シリーズになってるものが多いですよね。よく見るのが「Basic」、「Standard」、「Advance」の3分冊。でも、大体の問題集がレベル分けに失敗しています。特に、基礎レベルと銘打ったものはどれもダメですね。
学校で「システム英単語」を使っているので、その姉妹本の「システム英語長文」というのを業者が1セット見本として持ってきました。その中の「Basic」をパラパラと眺めていて、これはダメだと思いました。
先ず、「Basic」に分類されてる基準が英文ではなくて出題大学になってます。ま、これは駿台文庫に限らず他の出版社もそうなのですがね。結構な難易度の英文も「Basic」に分類されています。偏差値が低い大学が出題しているので、設問のレベルは確かに「Basic」です。でも、英文はメチャ難しい。「Basic」を選ぶ子は、設問の難易度ではなくて英文の難易度が低いことを期待しています。ですから、こんな本を使っても英語ができるようにはなりません。
例えば、「システム英語長文1Basic 2Schools in the United States」の第4段落冒頭文です。こんな具合です。
The American approach to teaching may seem unfamiliar to many, not only because it is informal, but also because there is less emphasis on learning fact than is true in the systems of many other countries.
比較の文では2つ(1対1、1対多、多対1、多対多も結局2分割法)が対比・対照されるわけですから、当然2度目の省略が起こります。上の英文のthan以下に何が省略されているか分かりますか?
~there is less emphasis on learning fact than [the emphasis on learning facts that] is true in the systems of many other countries.
than直前の名詞が先行詞ですから、the emphasis on learning facts が省略されていることは想像がつきます。でも、どうやってisとつながるのかが分からないはずです。実は関係代名詞thatも省略されています。つまり、疑似関係代名詞のthanと普通の関係代名詞のthatがダブルで使われているわけです。この英文を説明できる先生はいるのでしょうかね?
「システム英語構文」は構文の問題集ですから、語句や表現だけでなく構文に関しても詳細な説明がついています。なのに、なぜここで使ってる比較構文の説明が一切ないのでしょうか?不思議で仕方がありません。
和訳も間違っています。これについては次回のお楽しみです。

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