英語学学さんからの質問④
<質問>
He devoted his life to the poor ( ) he could expect no reward.【正解①】
①from whom ②from which
③of which ④from that
■何も見返りを期待できない貧しい人々のために彼は自分の人生を捧げた。
←He could expect no reward from the poor.
このfromは起源ですか。
the poorが人だから②③は問答無用で駄目。④はなぜ駄目なのでしょうか。
また、個人的にHe could expect no reward from the poor. はcouldに否定がないので訳しにくいので結果、この問題の答えが考えにくくて困っちゃうのですがどうしたらよいでしょうか。
<回答>
学学さん!前置詞+関係代名詞の時にはthatは使えません。こんな具合です。
⊿これが私が生まれた病院です。
①This is the hospital that [or which] I was born in.(◎)
②This is the hospital in which I was born.(◎)
③This is the hospital in that I was born.(×)
前置詞は「名詞の前に置く詞(ことば)」でしたから、前置詞と名詞の絆はとても強いと思ってください。in the hospitalの<in>と<the hospital>は固い絆で結ばれています。ですから、the hospitalがwhichになってもinと一緒にin whichの形で「ここから飾りが始まるよ」という記号になって飾りの文の先頭に出ます。
⊿私はこの病院で生まれた。
I was born in the hospital.
→in which I was born
そう考えると、②の文が文法的に正しくて、①はとても口語的でいい加減だと分かります。さて、関係代名詞thatは基本的に省略できます。どうしてかというと、thatがなくてもそこから飾りが始まることがすぐに分かるからです。thatが無くても全く問題がないわけです。だから、①のthatも省略できます。こんな具合です。
①This is the hospital that I was born in.
the hospitalの直後から別の文が始まっているので、thatがなくてもそこで文が区切れていることがハッキリ分かります。では、③のthatを省略してみてください。意味が全く分からなくなります。
③This is the hospital in that I was born.
inまで読んだときに、もしかするとinが前の文につながっているんじゃないかと誤解される可能性も残ります。例えばこんな具合です。
⊿これはこの地区内にある病院です。
This is the hospital in this district.
そんなわけで、「前置詞+関係代名詞」にはthatが使えません。同じ理由で非制限用法にもthatが使えません。
次に、fromの意味ですが、これは普通の「~から」です。「expectモノfrom人」で「人からモノを期待する」です。例えばこんな具合です。
⊿彼女からメールがくるかと待っていました。
I expected an e-mail from her.
あ、昔はmailは不可算名詞でしたが、最近はe-mailを可算名詞として使ってます。ロングマンの辞書にも可算名詞で載ってます。
前置詞の意味を考えながら英文を読むのは大切な練習です。でも、ここで書いているように、「起源」も「理由・原因」も「区別」も「禁止・妨害」も「分離」も、基本的に「~から発生する」、「~から引き起こされる」、「AをBから区別する」、「~から引き離す」、「~から離れる」のように「~から」の意味が根底にあります。そのことをもう一度確認してみてください。
最後に、noは「ゼロの」の意味の形容詞です。これが英語の発想ですから「ゼロの~」に早く慣れてくださいね。そして、from whomを「その人(たち)から」と訳してしまうことです。こんな具合です。
⊿その人たちからゼロの見返りを自分が期待できる貧しい人々のために彼は自分の人生を捧げた。
He devoted his life to the poor from whom he could expect no reward.
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