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北林君からの質問

北林君からの質問
【質問】
薮下先生に教わった通り河合塾全統模試の不要文指摘問題を解いてみたのですが、正解できませんでした。一度、問題を見てください。
When an undersea Internet cable is damaged, a special team has to travel out by boat to make the repairs.  ①Before setting off the crew must roll the new cable from the land onto the boat, a manual process that can take several hours.  ②On some boats they can only access the Internet via satellite from a special room. ③But the most difficult part of the journey is simply finding the cable, which may have been moved about.  ④They remotely operate on underwater robot to find and collect the broken cable.  Once on board, the cable is stretched out and engineers get to work.  They examine the cable for parts that they can repair, and they add sections of few cable where necessary.
【回答】
北林君!質問に答えるのが遅くなってごめんなさい。先ず、薮下が授業でやった「不要文指摘問題の解法」をまとめておきます。
①英文の論理展開で、今読んでる英文が「イモトを皆ブスだという(一般的意見)」、「でも、僕は彼女が美人だと思う(主張)」、「なぜなら、イモトのお母さんも美人(理由)」、「例えば、あのエロイ唇(具体例)」の内のどれに当たるのかを意識する。
②「僕はイモトを美人だと思う」の主張文の中に必ずテーマがあって、「AはBだ!」と主張している。Aがテーマ(話題)でBが主張。ただし、作問者がバカな場合、Aについての解説・説明で、主張Bのない英文を持ってくる。
③主張文「AはBだ」を裏付けるために、「AがBである理由」か「AがBである実例」がそれに続く。つまり「なぜなら、イモトのお母さんも美人」か「例えば、あのエロイ唇」が後ろに続く。
④英語は「抽象」から「具体」に展開するので、「イモトを皆ブスだという」=「イモトは3等身だ」の様に「ブス」が「3等身」に具体化されることがある。
⑤テーマがすり替わっているものが不要文。
これでほとんどの不要文が指摘できます。例外はまだ授業では説明していません。それよりも、英語の論理展開を覚えてもらう方が大切だからです。
さて、この設問の性質上、冒頭文が主張文で、一般的意見が述べられることはほとんどありません。そして、冒頭文の主語がテーマ(話題)になります。
全統模試の冒頭文はこうなっています。
⊿海底のインターネット・ケーブルが損傷を受けたとき、それを修理するために特別チームが船で出陣する。
When an undersea Internet cable is damaged, a special team has to travel out by boat to make the repairs.
主語はa special teamですから、この英文のテーマ(話題)は「特別チーム」だと分かります。何が特別なのかと言うとto make the repairsとありますから、「修理のための特別チーム」だと分かります。
テーマ(話題)は代名詞化されるので、文中のtheyはteamを指すわけです。あ、teamはpeopleと同じ集合名詞ですから、代名詞化するとtheyで受けることになります。すると「AはBだ」の主張文は「修理の為の特別チームは破損したケーブルを直す」となり、直後からその実例が述べられているわけです。でも、Bは単なる解説で、主張ではありません。
テーマ(話題)が「修理のための特別チーム」ですから、正解・解説に書いてある通りで、インターネットにアクセスできるかどうかはテーマから外れてますから、不要文は②だと判別できます。ここまでは授業でやった通りです。
では、なぜ北林君がこの問題に正解できなかったのかを考えましょ。薮下が思うに、この英文の意味が分からなかったのが大きな原因じゃないでしょうか。
⊿出発前に、乗組員は新しいケーブルを陸上から船に巻き取って載せなければならないが、これは手作業で数時間かかることもある。
Before setting off the crew must roll the new cable from the land onto the boat, a manual process that can take several hours.
この英文をちゃんと理解できた受験生はほとんどいなかったのではないでしょうかね。このコンマはandと同じ働きをしていて、直後にはit isが省略されているという特殊なものです。京都大学がたまに和訳で出題します。こんなのを不要文指摘問題に使っちゃダメです。作問者がどこかから拾ってきた英文なのでしょうが、ここはand it is a manual process~と書き換えておかないといけません。
そして、北林君がまだ知らないのは、「具体例文中のbut、howeverは無視しろ」というルールです。確かに、その後ろには主張が来ますが、具体例や理由文はもう主張を言い終わっていますので、その中でbutやhoweverが出てきても、主張とは関係がありません。これはまだ授業で説明していませんよね。だって、まだ1ヶ月ちょっとしか教えてませんから。でも、高3から、それも週2単位で仕上げるのはちょっと難しいです。
ちなみに、リンダにこの英文を読んでもらったところ、全く違和感がなかったそうです。つまり、不要文はないと思ったそうです。と言うことは、この英文はテーマが曖昧だということです。さっき「作問者がバカな場合、Aについての解説・説明で、主張Bのない英文を持ってくる」と書きましたが、この問題がそれに当たります。ま、狙いがハッキリしない問題を作ったということです。ちょっと悲しいことです。

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