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Vintageはクソ参か?!(33)

今回もVintageの動名詞のところを見てみようと思います。薮下にはSection58の180の説明が気に入りません。こんな感じです。
180●feel like doing「・・したい気がする」(=feel inclined to do / want to do / would like to do)
本問はto make him feel inclined to cry.と書きかえられる。
先ず、want to do は子供が「したい!したい!したい!」と言ってるのと同じです。こんな具合です。
そこへ行きたい!
I want to go there!
これは自分の欲求をストレートに(直接的に)表現しています。一方、feel like doingを使うと、want toよりも自分の欲望をやわらかく(間接的に)表現できるので「したいなあ」とか「したい気分だね」くらいの意味になります。
そこへ行きたいなあ。
I feel like going there.
さて、次のwould like to doですが、このwouldは仮定法のwouldです。
できることならそこへ行きたい。
I would like to go there.
だからこれは「もしできることならそこへ行きたい」くらいの意味になります。そして、want to doやfeel like doingと比べると、とても丁寧な表現になるわけです。というわけで、表現の大人っぽさを不等号で表すとこうなります。
want to do < feel like doing < would like to do
ま、ここまでは「今それがしたい」と思う度合いが違うだけですから、3つの表現が全く等しいわけではありませんが、同じ「今それがしたい」という仲間に含まれています。でも、feel inclined to doはそうではありません。これを等号で結んではいけません。
inclinationは「性癖」です。つまり、行動に表れる傾向や性格です。だから、inclinedを「今それがしたい」という表現には使いません。「今それがしたい」じゃなくて「性格的にそうしたくなる」と言ってるわけです。こんな具合です。
悲しい映画を見ると、泣きたくなる。
I feel inclined to cry when I see sad movies.
一方、feel like doingは「今それがしたい」ですからこうなります。
仕事が忙しくて、泣きたい気分だ。
The jobs I have to do are killing me. I feel like crying.
Vintageの著者は「したい」で括ってしまい、feel like doing = feel inclined to doだとやってます。まったくのクソバカタレです。やっぱりこの問題集を使っても、英語ができるようにはならないですね。
あ、それからもう1つ。feel inclined to doは口語表現ではありません。書き言葉です。その意味でも、この等式は成り立ちません。日本の英語教育の未来は暗いね。小学校からこれに類似した等式を教わるんだから!まったくやってられないよね。友人で、大勢の小学生に英語を教えてる奴がいるのだけれど、来てる子の中で誰1人として英語ができるようになった子はいなと言ってます。みんな、英語が嫌いになっただけだって!それでも、大人は喜んでるそうです。バカみたいな話です!

15 Comments

  1. かえる wrote:

    塾で扱った文で疑問点があったので質問させてください。
    The child had no choice but to go out of the room.
    という文のbutが前置詞だと習ったのですが、前置詞の後ろは名詞が来るはずなのにto goがきているのはなぜですか?

    月曜日, 3月 19, 2018 at 10:49 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    かえる君!薮研にようこそ。あ、もしかして僕が教えている子かも知れませんね。ま、それは置いておいて、ご質問のbut toが「前置詞+不定詞」になってる件ですが、これはかえる君の言うとおりで、本来ならば前置詞の後ろには不定詞は来ません。でも、前置詞のbutは例外なのです。こういうのを「不定詞が前置詞の目的語になる」と言います。と言うよりも、文法のルールはこういう例外ばかりです。つまり、学者がイメージしている「前置詞」という理想的な分類はありえないということです。もっと言うと、「準前置詞」とかいう項目を設定できれば、そこにbutを分類すれば良いのですが、これ以上分類項目を増やすのは合理的ではないと皆が思っているのでしょうね。to不定詞も名詞用法があるのですから、前置詞butの後ろに不定詞の名詞用法が来てもそんなに突飛なことではないはずです。理想状況と現実とのギャップということで勘弁してあげてください。あ、もし分からないことがあれば、薮研というキーワードと一緒に検索してみてください。きっと見つかります。

    火曜日, 3月 20, 2018 at 2:25 PM | Permalink
  3. ぱでぃんとん wrote:

    「〜がしたい」 に似ている表現がvintageのp165、356番目の問題で紹介されています。
    be curious to do「〜したがっている」
    です。これはどのような特徴があるのでしょうか?

    木曜日, 3月 22, 2018 at 3:19 PM | Permalink
  4. yabu wrote:

    ぱでぃんとんくん!返信が遅れてごめんなさい。君の言う通りで、356番目の問題の重要表現にbe curious to do「~したがっている」というのが出てきますね。でも、これだけではどうやって使って良いのかよく分かりません。to doですから、doのところには何でも来そうなきがします。これではちょっと無責任ですね。やっぱりVintageはボロです。さて、curiousというのは「好奇心をそそる」が原義ですから、doのところには「見たい」「聞きたい」「知りたい」「やってみたい」などのわくわく系の動詞が来ます。逆にやりたくないことは来ません。例えば、I want to hate you(嫌いになりたい=好きで仕方がない)とはいいますが、I am curious to hate you(嫌いになりたがっている)とはいいません。

    日曜日, 3月 25, 2018 at 3:36 PM | Permalink
  5. うさぎ wrote:

    また期末テストのテスト直しについて質問です。
    he ( ) Chicago many times when he lived in the U.S.
    1 has visited
    2 has been visiting
    3visited
    4has been visited
    彼はアメリカにすんでいたとき、シカゴに何回もいったことがある。という日本語訳で完了形にならなのですか?どうして3番が答えなのですか?

    日曜日, 3月 25, 2018 at 5:34 PM | Permalink
  6. yabu wrote:

    うさぎさん!ごめんなさいfor late reply! ちょっとばたばたしています。この問題の説明は「Vintageはクソ参か?!(11)」を参照してください。

    水曜日, 3月 28, 2018 at 12:16 PM | Permalink
  7. とーます wrote:

    こんにちは、
    僕は春休みなのでvintageをやっています。
    糞参はいくら抗議しても糞参に変わりはないので、理解を深めるために先生のVintageの解説をまとめたものが欲しいです。
    時間がある時になったら考えていただけると嬉しいです。

    木曜日, 3月 29, 2018 at 3:18 PM | Permalink
  8. yabu wrote:

    トーマスくん!「Vintageの解説をまとめたもの」というのは具体的に何ですか?このブログ記事では間に合いませんか?

    金曜日, 3月 30, 2018 at 2:22 PM | Permalink
  9. ua wrote:

    こんにちは、昨年度卒業した者です。卒業後も機会があって受験英語に携わっているのですが,自分の力では及ばない問題があり、質問させていただきたく久々に訪れ連絡させていただきました。もしお時間に余裕があればお願いできますでしょうか?ご一読のほどお願い申し上げます。

    土曜日, 3月 31, 2018 at 4:11 PM | Permalink
  10. yabu wrote:

    uaさん!いいですよ。ここにどんどん書いてください。時間の許す限りお答えします。

    土曜日, 3月 31, 2018 at 5:10 PM | Permalink
  11. Sky wrote:

    初めまして。
    英語の勉強中に疑問が生じたのでインターネットで検索していたところ、偶然こちらのサイトに辿り着きました。
    一つひとつの記事やPDFが、本当に目から鱗で……!!
    嗚呼もっと早く学びたかった、と悔やむほどです。
    薮下先生、沢山の素晴らしいコンテンツを公開してくださり、心から感謝申し上げます。
    先生の授業を受講したり質問ができる生徒さん、とっても幸せですね。
    こちらのサイトで是非ともこれから勉強させてください。
    すみません、少し参考書についてお尋ねしても宜しいでしょうか。
    英語の勉強をするにあたって、
    ① 英文解釈の参考書
    → 英文解釈の技術シリーズ・ビジュアル英文解釈・英文読解の透視図・英文解釈教室
    ② 例文暗記系の参考書
    → ユメサク・英作文のトレーニング(の別冊暗唱例文集)・ドラゴンイングリッシュ
    ③ 英作文講義系の参考書
    → 例解 和文英訳教本シリーズ・英作文のトレーニング・竹岡の英作文が面白いほど書ける本・大矢英作文講義の実況中継
    等々、書店に赴くと、目が回ってしまうくらいに数多くの参考書があります。
    ①②について、上記及び上記以外の書物で評判(?)でも発売日が大分昔のものであったり……と、いざとなると中々選べないのです。
    ③について、英作文講義系の参考書では特に和文英訳教本が気になっているのですが、Amazonにて「有用性は高いが説明不足と矛盾が目立つ」との書評(ネットの情報でごめんなさい)があったので、私の力量では一人で対処しきれないのではないかと危惧しております。
    恐れ入りますが、薮下先生お薦めの①②③それぞれの参考書を教えていただけませんか?
    (何でも大歓迎です!)
    勿論、どのような参考書も賛否両論があり、完璧なものはどうしても存在しませんし、「○× さえ使えば大丈夫」という夢のようなお話は全く無くて、(独学の場合)自分がどれだけ参考書から真剣に知識を吸収し演習を積んで最終的に自力で答案に反映させられるか、であろうことは重々承知しております。
    ご多忙の折、答えるのが面倒な質問をしてしまい、申し訳ございません。
    お手すきの際で結構ですので、お手数をおかけして恐縮ですが、一部でも教えていただけると幸いです。
    残念ながら私は予備校やZ会を利用することができませんが、宅浪だとしても志望している旧帝大に向けて勉強に打ち込めるという自分の環境の有り難みを忘れずに、まだまだ未熟者ではありますけれども勉学に精進して参ります。
    お身体にはお気をつけてお過ごしくださいね。
    突然の長文、大変失礼致しました。

    土曜日, 3月 31, 2018 at 6:36 PM | Permalink
  12. ua wrote:

    ありがとうございます。英文和訳の問題です。
    Then these children of the open air, whom even excess of alcohol could scarce injure permanently, betook themselves to the field-path; and as they went there moved onward with them, around the shadow of each one’s head, a circle of opalized light, formed by the moon’s rays upon the glistening sheet of dew.   「Each pedestrian could see no halo but his or her own, which never deserted the head-shadow, whatever its vulgar unsteadiness might be; but adhered to it, and persistently beautified it; till the erratic motions seemed an inherent part of the irradiation, and the fumes of their breathing a component of the night’s mist; and the spirit of the scene, and of the moonlight, and of Nature, seemed harmoniously to mingle with the spirit of wine.」
    「」内をitを明らかにしつつ和訳せよ という問題なのです。
    itはすべてhead-shadowを指すと考えました。すべてのitの対象が同一であると仮定し、対象は最初のit以前にあることから機械的に抽出するとpedestrian,halo,head-shadowが考えられ、itが vulgar unsteadinessを所有している、またerratic emotionの後にof it が省略されていると判断したためです。(an inherent part of the irradiation はhaloの所有対象、とという考えでもあります)ただ仮にこれが正解だとしても良い訳が作れず悩んでおります。irradiatonまでの訳について、haloがhead-shadowを照らし、付着し(adhere),美化し(beautified)、head shadowの動きそのものがhaloに備わったものであるかのように感じさせるほどとなった、のような訳になったのですが、意味がよくわかりませんし、また後半文との繋がりもしっくりきません。もちろん随筆寄りの文体でそこまで連関を意識していないこともあると思いますが… itの指示内容も含め、先生ならどのような訳を解答とさせるのかお聞きしたく質問させていただきました。宜しくお願い申し上げます。  
    ちなみになのですが調べたところ文章はtess of the d’urbervilles「ダーバヴィル家のテス」という1891年出版の本からのようです。

    日曜日, 4月 1, 2018 at 4:46 PM | Permalink
  13. yabu wrote:

    uaさん。この種類の質問にはお答えできません。これは「質問」ではなくて、あなたの「仕事」です。今の薮下は、天国に片足が掛かっている母親と、抗がん剤治療中のリンダの面倒を見るので精一杯です。itの内容は、君の考えている通りだとおもいます。
    「またerratic emotionの後にof it が省略されていると判断~」とありますが、本文はerratic motionになってます。意味が全く変わってきます。前半部分に、「彼らがそこへ進むにつれて、光り輝く露に降り注ぐ月の光でできた、オパール色に輝く丸い輪が、子供たちの頭の影の周りを、彼らと一緒に動いた」とあるので、「頭の影の部分を縁取る光の輪」の話をしているのは分かりますが、とても幻想的な話でまったく絵が頭に浮かびません。「そして、その影がどんなに薄ぼんやりしていても、その輪はその影から離れることはなく、いつも一緒だった」で、haloがshadowを照らすというのは変ですね。ごめんね!これは自分でやってください。

    金曜日, 4月 6, 2018 at 2:40 PM | Permalink
  14. yabu wrote:

    Skyさん!返信が遅くなってます。ごめんなさい。今回は先ず、英文解釈の参考書についてお答えします。「英文解釈の技術シリーズ」「ビジュアル英文解釈」「英文読解の透視図」「英文解釈教室」はどれも難しい参考書です。それに加えて、大概は説明が間違っています。そのため難しさに拍車がかかります。例外は1つだけ。「英文解釈の透視図」には間違いはありません。これを書いているのが玉置先生で、河合塾時代の僕の師匠でした。彼が書くことに間違いはありません。僕が保障します。

    水曜日, 4月 11, 2018 at 2:47 PM | Permalink
  15. Sky wrote:

    薮下先生、こんばんは。
    私がコメントを投稿した数日後にスマホが故障してしまい修理に出したところ、やっと今日戻ってきました!
    これでようやく薮下研究室で学べます。
    (代替機も無く涙目でした。それにしても何故、携帯は契約してから謎に区切りの良い頃合いで拗ね始めるのでしょうか…)
    先生、かなり前にお返事してくださっていたのですね。
    お師匠様ですか。それはもう書店にすぐに行かねば…!
    お忙しいところ御丁寧に答えてくださったのに、お礼を申し上げるのが非常に遅くなってしまい大変申し訳ございません……!!
    先生のおかげで安心して英文読解の透視図に取り組めます。ありがとうございます。
    もしも可能であれば、いつの日か気が向いてくださった時にでも、②③についても教えていただけると嬉しいです。
    どんなに遅くなっても全然構いません。
    ①を答えてくださっただけでも充分ありがたいことです。
    本当に、ありがとうございました。
    それでは、今日も一日お疲れ様でした。

    月曜日, 4月 23, 2018 at 12:10 AM | Permalink

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