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イチから鍛える英語長文500もクソ参?(30)

今回は『イチから鍛える英語長文500』を見てみようと思います。前回の進研模試も、今回の学研の参考書も、子供たちの質問から発覚したミスです。いつも薮下がミスを見つけようと躍起になっているのでは決してありません。誤解のないようにしてくださいね。見ちゃったら、知らない振りができないだけです。
1.アメリカ人とヨーロッパ人の価値観の違いと英語のあり方
P.113 「構文解説」
At work here may be the shared use of English covering over more profound differences in values and attitudes, masked by formal vocabulary.
CVSの倒置の語順となっている。「前置詞+名詞」は主語にならないということから”the shared use of English”が主語だと見抜ける。普通の語順に戻すと”The shared use of English may be at work covering over…”となるが、S is at work doing(-)”は「Sが影響して~している」という意味を表す。”masked~”の部分は分詞構文だが、maskされるのは”more profound differences”であり、この文の主語”the shared use of English”ではないという点で、イレギュラーな分詞構文となっている。
前半の倒置の説明は問題ありません。書いてある通りです。ま、「見抜く」ほどのことではないと思うのですがね。いけないのは後半です。先ず、S is at work doing(-)は「Sが影響して~している」という意味を表すというのがダメです。これを書いた先生は-ingを現在分詞だと勘違いしているみたいですね。だから「~している」という訳語をつけてしまった。これはまったくアホな勘違いです。この英語には「視点・観点のin」が省略されているだけなのにね。こんな具合です。
職業を考える点において、もらえるお金が影響している。
The factor of money is at work [in] considering an occupation.
これを「もらえるお金が影響して、職業を考えている」なんて和訳してはいけません。あくまでA is at work in Bは「Bの点において、Aが働いている・影響を与えている」です。これは薮研のここでも説明した「前置詞が省略されているから動名詞」のパターンですね。
ま、このエラーは大したことはありません。完全に間違っているのは次の「“masked~”の部分は分詞構文だが、maskされるのは”more profound differences”であり、この文の主語”the shared use of English”ではないという点で、イレギュラーな分詞構文となっている」という所です。これは真っ赤なウソです。
分詞構文で省略される主語は「主節の主語」のthe shared use of Englishじゃないといけません。そうでないと省略できません。だって、読む方がそう期待して読むのですからね。まさかmore profound differencesが主語だなんて、何を言ってるのでしょうか?!英語教師ならここで、これが分詞構文ではなくて、タダの関係代名詞の非制限用法で、そのwhich areが省略されていると見抜けないといけません!こんな具合です。
価値観や考え方の大きな違いを分からなくするという点で、世界中の皆が英語を使っていることが影響している。そして、その違いは皆がルール通りに英語を使っていることによって(も)覆い隠されている。
At work here may be the shared use of English covering over more profound differences in values and attitudes, which are masked by formal vocabulary.
これを「イレギュラーな分詞構文だ」と断言できる神経が薮下には分かりません。多分この先生は、自分が分からないものは何でも「イレギュラー」だと説明してきたんじゃないですか?分詞直前の「関係代名詞+be動詞」が省略されることは、中学生でも知ってるただの接触節です。決してイレギュラーな分詞構文ではありません。こんな具合です。
英語で書かれた本
a book which is written in English
=a book written in English
ま、この文脈でwhich areを省略するのは「悪文」だとは思いますが、これを「分詞構文」だと説明するのはただのバカです。子供たちの話では、こんな本がネットでは分かりやすいと人気だそうです。そのことが薮下には全く理解できません。こんな本で勉強して、本当に英語が分かるようになるのでしょうか?だって、説明に困ったら何でも「イレギュラー」なんでしょ?!それに第1章からこれなのですから、先は推して知るべしです。さらに、これって河合塾の「やっておきたい英語長文300、500、700」のパクリじゃないのですか?どうせパクるのなら、オリジナルよりも良いものを作りなさい!

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