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英語って、主語がなくてもいいんです!(4)

taleは「物語」ですから、パッと見「美女と野獣」の物語を指しているように思えます。実際に、サイトに載ってる和訳の大半が「美女と野獣の物語は昔から語り伝えられた本当のお話」みたいになってます。でも、どう考えてもこれが実話のはずないですよね。だって、美女と結婚できるまでは醜い野獣の姿に変えられてしまった王子のストーリでしょ?これは「本当の話」じゃなくて「お伽話」です。
主語のLove isが省略されている文を3つ並べてみます。
Love is a tale as old as time,
Love is a tune as old as song.
Love is a song as old as rhyme.
こうしてみると、「愛の物語=tale of love」「愛の調べ=tune of love」「愛の歌=song of love」を上手く歌詞の中に織り込んで使っているのが分かります。そして、oldは前回考えたように「前からずっと馴染みのある」ですから、和訳するとこうなります。
愛は人が「時」を意識するようになってからずっと当たり前のように物語られてきた。
愛は人が「歌」を歌うようになってからずっと当たり前のように口ずさまれてきた。
愛は人が「詩」をつくるようになってからずっと当たり前のように吟じられてきた。
能動態の方が日本語的だと思います。英語は物を主語にするので日本語っぽくなりませんでしたよね。こんな具合です。
人は「時」を意識するようになってからずっと当たり前のように愛を物語ってきた。
人は「歌」を歌うようになってからずっと当たり前のように愛を口ずさんできた。
人は「詩」をつくるようになってからずっと当たり前のように愛を吟じてきた。
あ、「美女と野獣」のストーリの中にこんな場面が出てきます。
王子「君は僕がひどく醜い顔をしていると思ってるだろう」
ベル「本当ね。あっ、あたしはウソが苦手なの。でも、あなたってとってもいい人よ」
王子「僕は醜いだけじゃなく頭も悪い。ただのアホだと自分でもよく分かってる」
ベル「バカなはずはないわ。だって、本当のバカは自分がバカだって分からないもの」
これってちょっとソクラテスっぽいですね。アテネには相手を言い負かすことでお金を稼いでいたソフィストという人たちがいて、人を欺くために語り、お金のために本を書くだけで、世のためにならないと考えたソクラテスは、ソフィストや彼らにかぶれてる若者たちと対話しながら論破して「おまえたちが一番アホだ!知ったかをやってると知識など身につかない。人は自分の無知を謙虚に自覚したときに賢くなるんだぞ!」と言って回ります。でも、若者をたぶらかした罪で捕まって殺されてしまいます。

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