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先ずは単語!・その2

「思い込み」が大敵!
もう1つ文章を読んでみましょう。
 男は鏡の前に立ち、髪をとかした。そり残しはないかと丹念に顔をチェックし、地味なネクタイを締めた。朝食の席で新聞を丹念に読み、コーヒーを飲みながら妻と洗濯機を買うかどうかについて議論した。それから、何本か電話をかけた。家を出ながら、子供たちは夏のキャンプにまた行きたがるだろうなと考えた。車が動かなかったので、降りてドアをバタンと閉め、腹立たしい気分でバス停に向かって歩いた。今や彼は遅れていた。
 どんな話かと問われたら「男の朝の支度」と答えられます。前回の「凧揚げ」の話と違って、状況が目に浮かんできて簡単に理解できます。
でも、この「男」を「貧乏な失業者」という文脈で捉えると、文章全体がマイナスのイメージになります。新聞の求人欄を見て電話で問い合わせて面接に行こうとしている男。普段は派手なネクタイをしているのに、面接で好印象を持ってもらうために今朝は地味なネクタイを締める。失業保険も底をついてきているので洗濯機なんて買う余裕などない。当然、子供のキャンプ費は出せない。整備不良で自家用車は使えないので、仕方なくバスで行くことにする。面接には間に合いそうもない。
逆に、この「男」を「裕福な株のトレーダー」という文脈で捉えると、文章全体はプラスのイメージになります。新聞でチェックするのは株と経済面。毎朝、電話で株の売買を指示している。お金に余裕があるので、洗濯機は新しいのを買うことに決めているし、子供たちをキャンプに行かせるつもりでいる。イタリア製の自家用車は格好はいいが故障が多い。今日もエンジンがかからないので腹が立つ。バスで証券取引所に向かうけど、これじゃ遅刻だ!
この様に、文脈が替わると同じ文章でも全く解釈が違ってきます。だから、自分勝手な思い込みで文脈を決めてしまってはいけません。意味の分からない単語が出てこない日本語の文章でさえこれなのですから、英語ならなおさらです。分からない単語が出てきたら「推測」して読むのですが、それが「思い込み」にすり替わってゆきます。だから、最初に言ったように「英語は先ず単語」。
春休みにちゃんと単語をやった子が勝利を手にします。宮地くん!頑張ってやってくださいね!

4 Comments

  1. stitch♡ wrote:

    いつも楽しく読ませていただいてます。
    春から、国立大学の学生になりますが、英語がとにかく苦手です。
    どうか、大学の英語対策特集をくんでいただけないでしょうか。

    水曜日, 3月 8, 2017 at 1:11 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    stitchさん。国立大学合格、おめでとうございます!一口に「大学の英語対策」と言っても色々です。でも、1つ言えるのは、何もしなければ、受験勉強をしている時の英語力がピークで、後は緩やかに衰えてゆく一方で、大学を卒業する時にはほとんどゼロになってしまうと言うことです。ですから、TOEFLを目指してみるとか、大学に留学しに来てる子と友達になって英語を使うようにするなど、工夫をしてみることです。受験英語は国語力8、単語力2くらいで解けてしまういい加減なもので、本当の英語力は大学に入ってからつきます。テストのための英語じゃなくて、道具として使える英語をじっくり、楽しみながらやれるのが大学時代です(あ、TOEFLやTOEICもテストですね)。具体的な目標が決まったら教えてください。何かアドバイスができればうれしく思います。今は学年末でバタバタしています。ちょっと時間をくださいね。

    水曜日, 3月 8, 2017 at 4:16 PM | Permalink
  3. stitch♡ wrote:

    返信が遅くなりました。
    アドバイスありがとうございます。大学での英語の授業がどのようなものかまだよくわからないのですが、春休み中に英語に関する目標を見つけてみます。
    大学では、文系より理系の方が英語が必要になると耳にしたことがあるのですが、実際のところどうですか?
    お忙しい時期に長々とコメントしてすみません。よろしくお願いします。

    木曜日, 3月 9, 2017 at 5:13 PM | Permalink
  4. yabu wrote:

    stitchさん。成績処理はもう終わりました!今はぜんぜん忙しくないですよ。さて、英語の授業は大学によって様々です。大体、必修科目と選択科目に分かれています。必修科目でもいくつかの授業の中から選べたり、そうでなかったり色々です。開講科目一覧が手に入ってからゆっくり考えて良いと思います。最近では、ネイティヴの先生が全部英語で授業をやったりしているところもあって、慣れてなかったら大変だと言う話も聞きます。もし大学に同じ高校の先輩がいたら、教科の特徴や難易度を聞いてみるのが一番です。
    さて、「文系より理系の方が英語が必要」ということですが、多分こういうことだと思います。文系は、例えば英文学や米文学なら原書は英語ですが、仏文学や独文学となるとフランス語やドイツ語ですよね。でも、日本は翻訳大国ですからほとんどの外国文学が日本語化しています。ですから、全部日本語で間に合ってしまうわけです。論文も日本語で書けばOKです。一方、理系の論文は世界の皆んなに読んでもらうために、英語で発表するのが普通です。だから、ゼミに入ったら毎日英語を読まないといけなくなります。論文も英語で書かないといけない大学もあります。
    もし卒業後に技術者になろうと思うのなら、英語を勉強すると良いでしょう。あ、できればもう1つ、中国語かハングル語ができるとアジアで活躍できます。もちろん、ドイツ語でもフランス語でもよいのですが、日本語しかできない大学の先生や技術者はこれからは要らなくなってきます。

    金曜日, 3月 10, 2017 at 3:24 PM | Permalink

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