Skip to content

鈴村君からの質問(2)

Z会『自由英作文編・英作文のトレーニング』の98ページの「生徒解答を磨く:パンクチュエーションを守る」
[生徒解答①]
(Many people say that) Japanese summer is too hot and humid.  However, there are many enjoyable things in summer.  For example, long summer vacation, swimming pool, Japanese hanabi.
I like the sea the most.  Because, I am very good at swimming.  So everybody calls me “Kappa.”
[訂正例①]
(Many people say that) Japanese summer is too hot and humid.  However, there are many enjoyable things in summer : for example, a long summer vacation, swimming pools, Japanese Hanabi, and personally the sea, since I am very good at swimming.
[解説]
For example<例示>以下が名詞句で、文(SV)になっていない。このような場合、For exampleを大文字で始めるのは不可。コロンで前の文とつなげ、for exampleを小文字にすればい。
第2パラグラフのBecauseで始まる単文は不可。さらに、最後の文がSoで始まるにもかかわらず、再主張になっていないため、論理構成が崩れている。ここはFor exampleで始まる文でやめて「譲歩→逆接→主張」型で書いた方が、内容的に一貫性のある文になる。指定語数が少ないので、再主張を書く必要はない。
さて、[解説]の後半の「第2バラグラフのBecauseで始まる単文は不可」というのはよいのですが、「最後の文がSoで始まるにもかかわらず、再主張になっていないため、論理構成が崩れている」ってどういうことでしょうか?Soの後ろに再主張がこなくちゃならない理由はありません。「A because B」ならAが主張でBが理由、「A, [and] so B」ならAが理由でBが主張だというだけです。
⊿大雨が降って、川が氾濫した。
There was a heavy rain, so the river flooded.
The river flooded because there was a heavy rain.
さらに「譲歩→逆接→主張」というのはどういうことでしょうか?譲歩表現の中にすでに主張が含まれていると思うのですがね。すると、2回主張をしないといけないのでしょうか?
⊿彼女は幼いのだが、それが悪いことだと分かっている。
Although she is young, she knows that it is wrong.
「彼女は幼い」と「それが悪いことだと分かってる」の相対立する文の関係を文法では「譲歩」と呼びます。「それが悪いことだと分かってる」が主張です。
たとえ彼が何を言っても、彼を信用してはいけない。
Don’t trust him, no matter what he says.
こちらは「彼が言う」こととは関係なく、「彼のことを信用するな」という主張が強調されます。つまり、譲歩表現は主張の提示手段なわけです。「逆接」も2つの文の接続を言うのですから、「一般的な意見」や「客観的事実」に対立する形で「主張」が展開されます。だから「譲歩→逆接→主張」という書き方はおかしいことになります。こういういい加減な説明が子供たちを混乱させます。それに、自由英作文に不自由な型を押し付けたりするから採点官をうんざりさせるのです。これは言い過ぎかもしれませんが、言葉を正しく使えない人に言葉を教える資格はないと薮下は思うのですがね。
僕は泳ぐのが得意なので、海が一番好きだ。だから、みんな僕のことを「カッパ」と呼んでます。
I like the sea the most because I am very good at swimming, so everybody calls me “kappa.”
「泳ぐのが得意なので海が好き」だから「皆は僕のことをカッパと呼ぶ」の論理構成は確かに小学生並に幼稚ですが、論理が崩れているわけではありません。
次回は『アエラ』16.8.22 No.36に連載されている「厚切りジェイソン・厚切りビジネス英語」の英文に対する質問に答えます。ジェイソンの英語も間違ってますね。

Post a Comment

Your email is never published nor shared. Required fields are marked *
*
*