3年D組限定(6)
『入試必携英作文』の18「Sは~だ」の中にも変な説明がいくつもあります。
⊿この街で女性の夜の一人歩きは危険だ。
(◎)It is dangerous for a woman to walk alone at night in this town.
(×)It is dangerous that a woman walks alone at night in this town.
that 節の使用には細心の注意を払いたい。上の誤り(×)の例ではA woman walks alone at night in this town. に問題がある。これを直訳すると「(一般的な)女性は夜一人で(習慣的に)歩いている」となる。「動作動詞の現在時制は習慣的行為」という基本を熟知しておく必要がある。この文では「もし女性が夜1人で歩くならば、それは危険だ」という意味だから、未来のことを示唆するto不定詞を用いIt is ~ to(V)としなければならない。
dangerousの後ろにthat文が来ないのは、that文の内容が習慣的行為だからではなく、dangerous for人がセットになって「人にとって危険だ」の意味を表現するからです。一般的な形式主語は for 人 to ~が真主語になります。こんな具合です。
⊿僕が一日でこの本を読んでしまうのは難しい。
For me to finish reading this book in a day is difficult.
for me to finish reading this book in a dayで「私がこの本を一日で読んでしまうこと」の意味の主語になってます。長い主語だからItにして後ろに回すとこうなります。ここでやったETの法則でしたね。
⊿僕が一日でこの本を読んでしまうのは難しい。
It is difficult for me to finish reading this book in a day.
この英文の特徴は、difficultが原則として物に対して使う形容詞だということです。だから、物であるthis bookを主語にして書き換えられます。こんな具合です。
⊿僕が一日でこの本を読んでしまうのは難しい。
This book is difficult for me to finish reading in a day.
一方、問題の英文に出てくるdangerous は for人to~が主語にはなりません。こんな具合です。
⊿この街を夜一人で歩くことは女性には危険です。
To walk alone at night in this town is dangerous for a woman.
to walk alone at night in this townで「この街を夜一人で歩くこと」の意味の主語になってます。長い主語だから It にして後ろに回すとこうなります。
⊿この街を夜一人で歩くことは女性には危険です。
It is dangerous for a woman to walk alone at night in this town.
一見するとさっきの difficultと同じに見えますが、こんな英語にはなりません。
⊿この街を夜一人で歩くことは女性には危険です。
(×)For a woman to walk alone at night in this town is dangerous.
つまり、「dangerous for人」が変更不能なセットだから、「dangerous that文」にはならないのです。やっぱり竹岡氏は英語があまりよく分かってません。次回も18『Sは~だ』の変なところの続きです。
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