住田くんからの質問(3)
<質問>
これは2014年度、中央大学経済学部の大問Ⅵの第1段落です。
It was crisp that late night in February 1997 as my father and I wandered the banks of Florida’s Indian River. We weren’t alone. Thousands of people were with us, all waiting for the launch of the space shuttle Discovery. I had spent two years working on a camera packed up inside Discovery and was eager to see it safely on its way to the Hubble Space Telescope.
赤本の訳はこうなってます。
1997年2月の身が引き締まるような夜遅くのこと、父と私はフロリダのインディアン川の土手をうろついていた。それは私たちだけではなかった。何千人もの人が一緒で、みんながスペースシャトル「ディスカバリー号」の発射を待っていた。私は2年かけてディスカバリー号内に搭載されたカメラの開発に取り組んできて、カメラが無事にハッブル望遠鏡に近づきつつあるのをどうしても見たかった。
僕の質問は、付帯状況分詞構文の, all waiting for the launch of the space shuttle Discoveryです。先ず、付帯状況分詞構文は「, -ing」の形をしていると思っていたのですが、ここではall waitingと余分なallが付いています。付帯状況分詞構文は「, -ing」以外の形もあるのですか?そして、赤本の和訳は薮下先生が言ってた「~しながら」や「~してそして・・・」になっていません。この赤本の訳も間違っているのでしょうか?
<回答>
住田くん!質問に対する回答が遅くなってごめんなさい。もしかすると君は今、中央大学を受験しに行ってる最中でしょうか?ま、3年間基本はたたき込んでありますから、君なら大丈夫ですよ。
さて、ご質問の付帯状況分詞構文ですが、普通の分詞構文と同じで、主節とオマケの文の主語が同じなら消えて、違っていたら残しておきます。だからいつも「, -ing」になるとは限らないわけです。こんな具合です。
⊿その犬はしっぽを振って座っていた。
The dog was sitting there, wagging his tail.(The dog was wagging his tail.)
⊿その犬は舌をたらして座っていた。
The dog was sitting there, his tongue hanging out.(His tongue was hanging out.)
上の文は2つとも主語がthe dogだから「, -ing」の形をしてますが、下の文は主節がthe dog、付帯状況がhis tongueが主語だから、消えずに残ってます。中央大学の問題文も主語が違うのでallが残っている分けです。
⊿何千もの人々が僕らと一緒にいた。
Thousands of people were with us.
⊿全ての人々がスペースシャトルの打ち上げを待っていた。
All the people were waiting for the launch of the space shuttle.
さて、この付帯状況分詞構文の訳仕方ですが、これは住田くんの言うとおりで、同時なら「~しながら」、連続なら「~して、そして・・・」と訳出します。でも、上の例もそうですが、「同時」をいつも「~しながら」と訳出すると日本語が不自然になることがあります。
⊿その犬はしっぽを振りながらそこに座っていた。
⊿何千もの人々がスペースシャトルの打ち上げを待ちながら僕らと一緒にいた。
意味は通じるのですが、さすがに変でしょ?!だから、ここでも説明したことがあるのですが、「て」を使います。「て」を使えば、同時、連続、原因が表現出来ます。
同時=ひろしは鞄を手に持って学校へ走っていった。
連続=ひろしはコンビニに行ってサンドイッチを買った。
原因=ひろしは風邪を引いて学校を休んだ。
ね!便利でしょ。だから「しながら」じゃなくて「て」になってるわけです。
⊿何千もの人々がスペースシャトルの打ち上げを待って僕らと一緒にいた。
語順をちょっと変えると完成です。
⊿何膳もの人々が僕らと一緒にスペースシャトルの打ち上げを待っていた。
ま、赤本の和訳とはちょっと違いますが、「しながら」になってないのはそう言う理由です。でも、受験英語では付帯状況の「同時」は、少々不自然でも「~しながら」と訳しておけば合格です。それよりも、もっと変なところが赤本の訳語にはあります。それは次回のお楽しみです。
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