ReadingDrill第25回(3)
前から2015年度の早稲田大文学部の大問Ⅱ(A)を解いています。2つ目の設問はこうなってます。
⊿次の選択肢の内正しくないのはどれか。
Which of the following statements is NOT true?
このタイプの設問は、選択肢の4分の3が正しいわけですから、「同意文書き換え問題」と同じです。つまり、本文の英語が選択肢でどのように書き換えられているかに注意して見てゆきます。
⊿(a)1960年代よりも今の方が人は研究にもっと慎重になった。
People are much more cautious in research than they were in the 1960s.
■古代生命体を研究する際に人は今まで以上に注意を払うようになった。
people became much more careful in researching ancient life forms.
ほらね!文構造もソックリです。プロメティウスを切り倒したのが1964年でしたから、「1960年代よりも今の方が」は正しいと分かります。だからこれは「cautious=careful」の語彙レベルの書き換え問題なわけです。
⊿森林局は自分たちの過ちに対して巨額の賠償金を支払わねばならなかった。
(b) The Forestry Service had to pay massive compensation for their mistake.
■1964年に、1人の大学院生が、米森林局と一緒に、その木を切ることにした。
In 1964, a young graduate student, along with the US Forestry Service, decided to cut it down.
米森林局が出てくるのは■の文だけです。他のどこにも米森林局が巨額の賠償金を支払ったとは書いてません。だから(b)がNOT trueだと分かります。
⊿プロメティウスよりももっと古い木がある。
(c) There are some trees which are even older than Prometheus was.
■現在少なくとも3本の木が生存していて、樹齢が5000年以上であることが分かっている。
There (are known to) be at least three trees living now that are more than 5,000 years old
これも文構造がうり二つです。助動詞be known toが分からない子はここを参照しておいてください。プロメティウスは4860才だったので、5000才はそれよりも古い木だと分かります。
⊿その若い研究者は別の研究分野で成功したので満足だった。
(d) The young researcher found fulfillment in another field of study.
■その若い大学院生は研究分野を移り、そこで大いに活躍することになる。
the young grad student changed to a different academic area, where he was to be very successful
もう(b)が正解だと分かったのですが、薮下は(d)が気に入りません。これって本文の内容とは一致しませんよ、早稲田さん。マーカはanother field of studyで、本文ではa different academic areaに書き換えられていて、すぐに根拠文は見つかります。でも、found fulfillmentはfelt fulfillmentと同じで「成功して満足した」の意味ですが、was successfulには「成功した」の意味しかありません。だからこれは、前にここでやった「間違った選択肢の作り方」の「7.ストーリの勝手な展開」に当たります。
1.主語のすり替え
2.動詞の時制のすり替え
3.数量・程度のすり替え
4.否定表現のすり替え
5.原因・結果の逆転
6.特殊な事例の一般化
7.ストーリの勝手な展開
「マスオは大須のメイド喫茶に行った」が「マスオは大須のメイド喫茶に行って満足した」になっていると、話が勝手に展開してしまってるのと同じです。he was to be very successfulのwas toの中にfoundの意味はありません。was toはwas going toと同じで「その先で成功することになった」言ってるだけですからね。こういうまぎらわしい選択肢を出題してはいけません。
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