今日のハッピーアワー(11)
-手軽にブリティッシュ?-
そういえば、冷蔵庫に入れたまま忘れていたよ「ゴールデンエール」。賞味期限を少し過ぎている。キャベツとかの下に敷かれてしまっていたヤツを引っ張り出してっと、急遽、食卓に乗せることになった。
「ゴールデンエール」というのは、このビールについている名前で、固有名詞だが、この類のビールに付けられる分類名でもある。ビール協会だかの説明によると「評論家マイケル・ジャクソンが命名した名前で、ベルギーで特にそういった呼び名があるわけではありません。 淡く美しい金色でアルコール度数が高く深みのある味わいのビールを指します。」とのこと。
この「ゴールデンエール」はイギリスでよく目にするスーパーマーケットチェイン、ASDA が販売するもので、その傘下の西友で5月頃購入した。西友へは、イギリスで時々飲んでいた「スピットファイア」が目当てに行ったのだったが、その時に一緒に並んでいたのがこれだ。ずいぶん安かったので、試しに買っておいたのだ。
日本で大量販売しようというだけあって、エールとしては、強烈な個性を認められない。イギリスでは、行く所行く所でその地のエールを味わうのが楽しい。それだけそれぞれに個性があるわけだ。エール好きにはたまらないが、そんなのを日本に持ち込んでも、数は出ない。そんな事情でこれは生まれたのだろう。そういう味だ。
特徴を列挙すると、コクはやや弱い、苦みはソコソコしっかりある、そして香り、これはあまりエールらしさを訴えてこない。そんな感じでなんとなく味の薄さを感じる。ただし、このビールの名誉のために、「エールにしては」「賞味期限が過ぎている」という条件をつけ加える必要があるが。
これの味わい方は、まずよく冷やすこと。そうすれば、上記特徴から、普通の食事と一緒でも日本のビールに近い感覚でいける。そしてもう一つ、逆にあまり冷えていないのを飲むこと。
冷蔵庫から出してから30分ほどすると、ブリティッシュなキャラが立ってくる。ラベルには「ほのかにシトラスのさわやかさ」と謳われていが、このシトラス香がやっとカラメル香(黒糖のような?匂い)の奥から這い出してくる。これはアルコールが立ってくる頃がよい。あ、そうそう、その頃は苦みも強く感じられるようになる。
つまり、こんな感じで飲むわけである。イギリスのパブではこういう飲み方をする(つまみを食べる場合は、ナッツとかクリスプとか)のだが、まさに道理である。
・Toshihiro Kanenobu
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