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第2課 「文」(36)第5文型⑰

「やり直しの英文法」、第2課「文」の36回目です。前から第5文型の4つ目のパターン、使役動詞について講義してます。人から物に視点を移動すると、物には感情がないので「感情の使役動詞」のmakeとletは使えません。つまり、「させる+が+するように(原形不定詞)」はmake、let、have、getの4つが可能ですが、「させる+が+人によってされるように(過去分詞)」になるとhaveとgetしか使えなくなります。前回やった例文はこんな具合でした。
Ryo made the house’s wall painted by Yu
Ryo let the house’s wall painted by Yu.
Ryo had [or got] the house’s wall painted by Yu.
さて、この英文を和訳すると「Ryoは壁がYuによって塗られるようにさせた」になります。前にもここそこで書いたように、英語の発想では「人はする・物は人によってされる」と考えることに違和感はありません。言い換えると、物が主語になることに何の抵抗もないわけです。一方、日本語で「物は人によってされる」と言うとちょっと変ですよね。例えばこんな具合です。
お皿がリンダによって割られた。
The dish was broken by Linda.
ね!あたしは何とも思いませんが、貴方たちには「お皿がリンダによって割られた」ってちょっと変でしょ!やっぱり日本人なら人を主語にして「リンダがお皿を割った」にする方がしっくり来るはずです。これは、大和言葉人を主語にする言語で、現代日本語もその名残を今でも留めているということです。この文化的な発想の違いが、英語を分かりにくくしているんですね。だから「人はする・物は人によってされる」の発想が英語の勉強ではものすごく大切なのよ!!
話を元に戻します。「Ryoは壁がYuによって塗られるようにさせた」という訳語は間違いじゃないのですが、日本語的じゃない。だから「壁がYuによって塗られるようにさせた」じゃなくて「Yuに壁を塗らせた」のままでいいんです。つまり、こういう事です。
RyoはYuに壁を塗らせた。
Ryo made Yu paint the house’s wall.(人がするようにさせる)
=Ryo had[or got] the house’s wall painted by Yu.(物が人によってされるようにさせる)
さて、「物が人によってされる」の英文には、「やられちまったぜ!」と「やってもらっちゃった」の2つの意味もあります。
RyoはYuに壁を塗られてしまった
RyoはYuに壁を塗ってもらった
Ryo had[or got] the house’s wall painted by Yu.
例えば、Yuはとんでもない悪ガキで、せっかくRyoが塗った壁に落書きをしちゃったとします。それはRyoにとっては不本意で悲しい出来事なのですから、「壁をぬられてしまった」になるわけです。逆に、Yuはとっても優しい子で、ちょっと調子の良くないRyoの代わりにYuが壁を塗ってあげたとします。それはRyoにとってはものすごく嬉しい出来事なわけですから、「壁を塗ってもらった」になるわけですね。学習参考書では、前者を「被害の受け身」、後者を「恩恵の受け身」と呼ぶらしいのですが、これは「受け身」ではありません!だって「させる」の受け身は「させられる」じゃないといけませんからね!ま、このことは次回説明します。
まとめると、同じ1つ英語の和訳が3通りできることが分かります。こんな具合です。
RyoはYuに壁を塗らせた
RyoはYuに壁を塗られてしまった
RyoはYuに壁を塗ってもらった
Ryo had [or got] the house’s wall painted by Yu.
yu悪ガキ」だと言われたYuがちょっとスネて、タオルで顔を隠してます。
・Linda

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