第2課 「文」(5)第3文型②
「やり直しの英文法」、第2課「文」の5回目です。今は「5文型」の1つ、第3文型について講義しています。前回のところで薮下はこう書きました。
第3文型は「5つの文型の中で圧倒的に使用頻度が多いのもこの第3文型ですから、動詞の直後に名詞があったら、とりあえず「何を」と訳してみると良いでしょう」
そうしたところ、次のような質問がたくさん寄せられました。
<質問>
I don’t know where she lives.は動詞の後ろが名詞じゃないのに「第3文型」に分類されるのはなぜですか?
これはとっても良い質問です。薮下は昨日、「名詞」と書いただけなので、where she livesが「名詞」だとは気がつきませんよね。where she livesが名詞だと分かるには「名詞」、「名詞句」、「名詞節」の話をしなければなりません。今日のテーマは句と節です。
⊿僕はその男を知らない。
I don’t know the man.
このように、「何を」が1語の名詞だけだったら、英語ってものすごく読みやすくて良いのですが、なかなかそうは行きません。
⊿僕はこのマシンをどう使っていいのか分からない。
I don’t know how to use this machine.
この例は「何を」が「疑問詞+to不定詞」になっています。じつはこれも名詞の仲間で、2つ以上の語が集まって名詞の働きをしているので「名詞句」と呼びます。「このマシンをどう使って良いのか」が名詞だとピンとこなければ、「このマシンの使い方」とか「どの様にこのマシンを使えば良いかということ」と考えると分かりやすいでしょう。「する」は動作ですが、「すること」になるとその動作を写真に撮って人の目の前に置くようなもので、その動作を話題にするのに名詞化しているわけです。次の赤い部分にも名詞化が見られます。
⊿君がホームシックで日本が恋しいだなんて思わなかった。(S2-L3-1)
I don’t know that you are homesick for Japan.
この例は「何を」が「that+文」になっています。文の前にthatが付くと「~すること」、「~であること」の意味になります。だから、「君がホームシックで日本が恋しいだなんて」を「君がホームシックで日本が恋しいこと」にすると名詞だと分かりやすくなります。これも2つ以上の語が集まって名詞の働きをしているのですが、その中にS+Vが含まれている場合は「名詞節」と呼んで名詞句と区別します。あ、youがS、areがVに当たるわけです。さて、次のも名詞化されてます。それにS+Vもちゃんと入ってます。
⊿僕は彼女がどこに住んでいるのか知らない。
I don’t know where she lives.
Where does she live?は人に直接尋ねられる疑問文ですから「直接疑問文」と呼んでいます。そして「彼女はどこに住んでいますか?」を「彼女がどこに住んでいるかということ」にすると、これでは人に直接尋ねられませんから「間接疑問文」と呼んでます。そして、「~ということ」ですからやっぱり名詞化が起こっていて、中にS+Vのshe livesが入っているので「名詞節」だと分かります。では次のはどうでしょうか?
⊿僕は明日晴れるかどうかなんて分からない。
I don’t know if it will be fine tomorrow.
ifには2つの意味があって、1つは「もし~なら」、もう1つが「~かどうか」です。これも「明日晴れるかどうか」を「明日晴れるかどうかということ」にすると名詞だと分かりやすくなります。そして、やっぱりS+Vのit will beが中にあるので「名詞節」だと分かりますね。例文を変えましょう。次の赤い部分も「何を」の目的語なのですが、「名詞節」ですか、「名詞句」ですか?
⊿僕は車を出発させた。
I started a car.
⊿僕は歩き始めた。
I started to walk.
I started walking.
a carは単なる「名詞」、to walkやwalkingは「歩くこと」で名詞だけどS+Vは入ってないので「名詞句」ですね。そういうわけで、前に書いた内容を書き換えるとこうなります。
第3文型は「5つの文型の中で圧倒的に使用頻度が多いのもこの第3文型ですから、動詞の直後に名詞、名詞句、名詞節があったら、とりあえず「何を」と訳してみると良いでしょう」
次回は第4文型について考えます。
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